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2009年12月17日 クオリアと旅。
『脳から考える観光~第14回海外旅行動向シンポジウム』をいただいた。 ゲストスピーカーは脳科学者の茂木健一郎氏である。 茂木氏が提出されたクオリアという概念は、 物の見方に新風を吹き込んだ。 水の冷たさやバラの赤さ、空の青さ、そこはかとない寂しさなど、 心の中で感じるさまざまな質感がクオリアだという。
旅はまさにクオリアであふれているだろう。 旅を続けながら俳句を作り続けた芭蕉、山頭火らの句を見ればそれが分かる。 旅人とわが名呼ばれん初時雨(芭蕉)、 分け入っても分け入っても青い山(山頭火)。 初時雨の質感、山の青さの質感が心に染み渡ってくる。
感動が詩になるならば、すべての旅人は詩人だ。 観光客から詩人客へ、旅にとってクオリアの意味するところは大きい。 |