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2010年2月22日 美学の系譜。
金子國義氏の展覧会を拝見してきた。 金子國義といえば、四谷シモン、高橋 睦郎などと共に、 大きくは澁澤龍彦の系譜に連なる人である。 その流れはフランスの美意識だ。
私は父がフランス文学者であったこともあり、 この美意識の流れには親炙してきた。 父はジャン・コクトー、ボリス・ヴィアンの研究家であり、 「日々の泡」は父の訳だった。 そういう意味で、私は幼いころから、ある美意識の流れの中で生きてきた。
常識の境目を超えた時に次なる美を生み出す。 美は常識を突き破って歯止めを失った時にこそ、 その新しい様相を見せるのだろう。 変革は常識を超えた時にこそ誕生する。 金子國義氏の展覧会を見ていて、そんなことを思った。
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