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2010年5月11日 本とは何か。
そのようなことを考えさせられる本を手にした。 ブックディレクターの幅允孝(はば よしたか)氏の本である。。
タイトルは『つかう本』(ポプラ社)である。 通常、本は読むもの、知識を蓄えるもの、情報を得るものであって、 <使う>という概念には意表を突かれた。
本書は千里リハビリテーション病院とのコラボであり、 要はリハビリのための本だ。 といっても、よくある介護や厚生のためのリハビリではなく、 もっと心理的な、遊び心に満ちたリハビリのための コンテンツにあふれている。 失いかけた記憶や身体の弱化を、 いかにカバーするかを実に楽しく描いている。 健常者が読んだほうが面白いくらいだ。
要はセンスにあふれているのだ。 どんなことでも、それがコンテンツやソフトに関わる場合、 最も重要なのはセンスであると思い知らされた。 本の効能の新しい側面である。 道具としての本といってもいい。 私流に言えば、「使用価値としての本」である。 まさにこの本は「効く」。
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