囲み枠(上)
谷口正和 プロフィール

RSS

2016年8月16日

WILDER MANN

店頭でシャルル・フレジェ著『WILDER MANN 欧州の獣人-仮装する原始の名残』(青幻舎 税別3800円)という本を見つけた。

 

 

51UmV5xBi3L._SX380_BO1,204,203,200_.jpg

 

 

 

最近何気に感じている表現と変装、仮装と個性、これらの流れの中で歴史をも含んだ世界の中へと自分を変身させ、神の領域に入ったり、祭りの中に溶け込んだりする表情が表れている。

 

今一人ひとりの自己存在に対する問いかけが繰り返しなされているが、ファッション社会というべき現代において、多様性をアパレルとその成長に置き換えたことで一人ひとりの固有が持つ自己表現応力の多彩さと集約性が見失われている。

 

こういうものを考えたときに、歌や踊り、それがいつ何処に現れたときに舞台効果を発揮するのか。

我々の歴史の中に存在してきた象徴的表現性を、見えざるものへの恐れ、神への畏怖として見切った時、新たな表現能力というものは、言葉で理解するという意味合いを超えて、第六感的感受性によって感じ取られる中で、自分たちや未来への問いかけとして眠っているのではないか。

 

最近この仮装、変態、変装というものが多面的に現れる場を求めているエネルギーを感じるので、この本の紹介を通じて次の社会の文化としての潮流を共有したい。

HOME