2017年3月 6日
未来よ こんにちは
ミア・ハンセン=ラブ監督『未来よ こんにちは』は、ベルリン国際映画祭の銀熊賞を受賞した注目の映画である。お一人様の終着駅という、時代の潮流に最も強く複合しているテーマを描いている。
自らが孤独な時の流れの中にいることに気づいてもそれを強かに受け入れながら、予測した未来と、現実に佇んでいる姿を発見する。
生き方が問われている中で、一人ひとりが周辺に新しい喜びを提示して、もっと明るい未来に対して取り組んでいこうという課題認識が授賞につながったと言える。
孤独とは自由そのものの姿であり、自らの足で歩いていく人生の本質がそこに宿っている。それが穏やかで情緒性の高い自己とともに再創造されており、再び自分に微笑みかける未来ににらみどころを持っている。
私もこの映画の解説に触れたときに、非常に強く惹かれるものを感じた。
3月25日から渋谷東急Bunkamuraのシネマにてロードショー。