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2018年1月25日 日本の暮らしを変えた男
今回は暮らしを支えるというミッション「暮らしの改革」に取り組んだ花森さんの評伝を紹介する。
戦争を強く後押しした自分を正面から受け止め、国家主義から脱却し、生活者主体の役に立つ情報を提示することを使命に、大橋鎭子さんとともに『暮しの手帖』を創刊した。 花森さんは東京帝国大学文学部美学美術史学を卒業し、帝国大学新聞の編集に参加して知見を積む。幅広い認識から広告収入に頼らずに販売収益だけで成り立つ雑誌経営を目指した。
社会がどう課題を抱え、一人一人が生活の現場の中で何の問題を持っているか。 情報社会に入っていく初期モデルの中で、彼こそソーシャルベンチャーでアントレプレナーとも言えよう。 私が今日のライフデザインという言葉、生活者第一主義を掲げたことも、花森さんへの共感が大きな動機付けになっている。それは直接ご本人との出会いのチャンスがあったからだ。 洗濯機やトースターなどの生活道具に対して、顧客代理人としての視点で、買い物精度と生活者にとって本当にいいものとは何かを提案されていた。 今、生活者の認識として、消費者だけでなく生産者として暮らしの中に生産の機会を取り入れようとする流れがある。
花森さんは、『暮しの手帖』や『花森安治本』のタイトルの書体も自身で作られるなど、生活文化の創造というメッセージをしっかり届けたいという思いを持ってられた。 これは分業に流され、標準化に流されてきた今日、我々が見失っているものを、人生をかけて体感し、提示されてきた花森さんに学ばなければならない。 時代の転換期に、良い方向に帆をあげた先人に生き方を学ぶ。これが今注目すべきことではないだろうか。
『花森安治伝』 出版社:新潮社 定 価:1900円+税
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