● 現代アートの巨匠 ● 若手起業家が語る、実体験をベースにした究極の働き方と新常識 ● ビジネスパーソンのための戦略思考の教科書 『世界の一流企業は「ゲーム理論」で決めている』 |
2018年2月 5日 現代アートの巨匠
美術手帖編集の『現代アートの巨匠』を紹介する。
現代美術は、現代社会における新しい知的感性であり、時代の変化に対して鋭い批判的視点を内包し、時代のコンセプトや意味性がシンボリックに表現されている。
現代社会が感性型社会構造を拡大させ、日本では1964年の東京オリンピック以降、ビジュアルデザインはマスプロ、マスコミによる成長によって垣根なきアプローチが行われてきた。
一方、現代美術はマルセル・デュシャンによる問題提起が発端となる。 工業化の時代は、オリジナルはなく社会にどのような生活デザインが市場化するか。
現代社会について自問したデュシャンは、大量に生産されていた公衆便所の便器に自身のサインを入れることで現代美術の門戸を開いた。
複製芸術によって生活表現が形成されている中、ウォーホルは、マス生産の象徴である表現をキャンベルスープに見出し、モンローやエリザベステイラーなどのプロマイドアートで社会的な存在個人に課題の目を向けた。
時代の表現としてラウシェンバーグは、アメリカンコミックの概念を拡大させ、アートへと昇華させた。
現代美術は、現代そのものを認知する知性であり、美意識である。
かつてパリ、ロンドンが最先端だったアート市場はNYに移り、都市芸術としての What’s modern? の問いを市場化した。 1964年の東京オリンピックを契機にグラフィックデザインの巨匠たちが、デザインを解放し、CIやブランディングという文脈が生まれた。
そしてアートとビジネスが融合する発端となり、多様なコミュニケーションを生み出していく。
今後、選択される価値は感性の集約化。音楽も映画も、全て現代の中におけるパーソナリティとしてクリエイティブプログラムとなり、すべからく個人とつながり、時代全体が個の独自なる感受性という価値観が牽引していくこととなるだろう。
『アートの巨匠』で語られる都市文化の隆盛は、メディア社会という扉を開き、新しいステージへ。 77人のアーティストをケースとして取り上げ、今だからこそできる整理学を示してくれている。
新しく課題解決がスタートアップして、クリエイティブが未来を創造する時に 時代に突きつけられた課題に挑むための一冊である。
出版社:美術出版社 価 格:2800円+税 |