長寿の森Nexthink-今日の中に現れる
高齢社会に関する様々な情報を丹念に集め、
それらがどのように連鎖しているかを読み解き、
そこに価値の新たな潮流をキーワードへしていくメディアです。
毎月40~50に及ぶ事象を分析し、
次なる価値観の発見につなげていきます。
<情報分析 谷口正和>
■シニア文化アワード
長く生きたからこそエントリーできる「文化アワード」が、
新しい長寿の未来像を描きます。
60歳を迎えて初めてエントリーできる、様々なプログラムが出現し始めました。
領域は、小説、絵画、アートなど多岐に渡っており、
新たな目標設定のもとに学び、競い合い、磨き合える場として注目を集めています。
受賞者や受賞作品がニュースとして社会に登場し、
個人の中に眠っていた才能に再びスポットがあたると、
これを機にますますシニアの学習意欲が高まっていくのです。
日々の練習、発表、評価というサイクルによって生涯学習の構造が定着し、
シニアが生きがいと心のはりを持ち続けることへ繋がっていきます。
自分の興味や嗜好に基づいて自分らしく生きることが理想である点は、
今まで何度も指摘をしてきました。一番楽しいと思えることに没頭し、
そこで高い評価を得ることは、シニアにとって大きな励みです。
また、目標に向かって真摯に取り組む姿を示すことは、
次の世代への生き方の伝承にもなります。
高齢先進国である日本がアワードのスタイルを確立し、
アジア全域に広めることで、新たな長寿の未来像が見えてくるのではないでしょうか。
<事例①> 60歳以上限定で、ミステリーの新たな書き手を発掘
ユニークな文学賞「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」(講談社主催)の
受賞作に、さいたま市に住む加藤眞男さん(60)の「ショートスカート・ガール」が
選出された。この賞は、小説家・島田荘司さん(63)が
「日本の経済力を支えた栄光の集団の頭脳と経験を、
本格ミステリー創作に振り向けて欲しい」という提案により昨年スタート。
島田さん自ら志望者を講談社に集め、ミステリー小説の書き方を講義。
(読売新聞 12/7)
<事例②>「60歳からの主張」をテーマに、エッセー、小論文、川柳を募集
還暦を過ぎ、豊富な人生経験を持つ人たちの声を伝える
「60歳からの主張」が、1月9日東京都中央区の時事通信ホールで開催された。
全国老人福祉施設協議会が2003年から毎年募集しているもので、
エッセー・小論文部門に654点、川柳部門に3564点の応募があり、
入賞作品15点を選出。両部門の優秀賞は「文藝春秋」4月号に作品が掲載される。
今年は、東日本大震災や、病に倒れた家族に寄り添う経験つづった作品も見られた。
(朝日新聞 1/10)
<事例③> 夫から妻へ、妻から夫へつづる「60歳のラブレター」を募集中
住友信託銀行が「60歳のラブレター」を募集中。
応募資格は、応募者本人が50歳以上で、夫から妻へ、
妻から夫へつづる「夫婦の想い」と、家族へ寄せる「家族の絆」の2部門。
「あらためて思う感謝の気持ちや言葉に出せなかった
一言をつづってほしい」という。
選出された作品は、毎年NHK出版から書籍として発行され、
贈り物としても喜ばれている。今年で開催12年目を迎えた。
(産経新聞 12/23)