2月18日、明治学院大学で開かれたシンポジウム
「高齢期のひとり暮らしを豊かにするために」に出席してきました。
港区は、人口約20万人のうち、65歳以上の単身世帯が約1万人にのぼる点を重視し、
生活実態や意識についての調査を実施。
まず調査の結果が報告され、その後、港区職員、研究者、
民生委員、ふれあい相談員らによるシンポジウムが開催されました。
調査を実施したのは、昨年設置された港区政策創造研究所。
所長は、明治学院大学の河合克義教授です。
調査結果から最も課題として浮き彫りになったのは、
「買物が困難だ」と感じている人が約4割にのぼっていた点です。
特に虎ノ門周辺に住む人は大型スーパーがなく、
主たる買物場所がコンビニエンスストア。
しかしながら、土日になるとコンビニエンスストアが休みになるために、
さらに遠くの店に出かけなくてはならないそうです。
港区は今後の対策として、シルバー人材センターに登録している人を活用し、
買物が困難な人をサポートする仕組みをスタートさせるとのことでした。
シンポジウムでは、長年に渡って高齢者の支援にあたっている民生委員の方や、
港区ふれあい相談員として、ひとり暮らしの高齢者が「誰と繋がっているのか、
誰がこの方を気にかけているのか」を丁寧に確認して回っている方など、
様々な立場での取り組み内容が語られました。出席者およそ200名のうち、
9割近くが60~70代で大変熱心に耳を傾け、
シンポジウム終了後にも質問が多数出たほどです。
質問者の一人は、「様々な課題がある中で、
今日ここに来ている私たちをもっと活用してはいかがですか」と
港区の職員に対して提案を持ちかけるほどで、
地域の課題解決に向けて真剣に考えている姿が印象的でした。
シニアがシニアをサポートする仕組みは、どの地域でも求められているはず。
そのモデルケースを形にできるかどうか、今後も港区の取組みに注目していきます。