長寿の森Nexthink-今日の中に現れる
高齢社会に関する様々な情報を丹念に集め、
それらがどのように連鎖しているかを読み解き、
そこに価値の新たな潮流をキーワードへしていくメディアです。
毎月40~50に及ぶ事象を分析し、
次なる価値観の発見につなげていきます。
<情報分析 谷口正和>
「学びの場」から「発表の場」へ、
シニアは次のステージを求め始めています。
シニアには、長年に渡る体験学習のストックが、
その人の個性として形成されています。
近年はそのストックを自分の中にとどめておくだけでなく、
どこかで発表し、見た人に喜んでいただき、
できるなら評価もしてほしいと願う人が増えてきました。
つまり、生涯学習などの場で自己表現の様々なスキルを学んだあとに、
次のステージとしての「発表の機会」を求めるようになってきたのです。
それらの場を通して、共通する趣味の仲間と出会い、
お互いの作品を評価し合い、自身の能力が顕在化していきます。
この流れを、現在シニアの中で進行しつつあるデジタル革命の波が、
より強く推し進めていくのではないでしょうか。
様々な情報を受信するために使っていた道具が、
いつしか新しい何かを発信していくための道具へと変わっていくのです。
日々の想いをブログで発表していくと、そこに共感してくれる友を得るのは、
以前よりも容易なこととなりました。学びの場としての生涯学習は、
発表の機会としての「第2ステージ」を強く求められているのです。
<事例①> 震災乗り越え、本場ハワイでフランダンスを披露
JR東日本のシニア会員組織「大人の休日倶楽部」趣味の会(仙台)は、
ハワイで特別講座を開催。平均年齢68歳の女性受講生16人が
本場ハワイのステージでフラダンスを披露した。
昨年11月に実施予定であったが、東日本大震災で
受講生が被災したこともあり一旦は中止。
今回は復興の第一歩として海外講座旅行を敢行。
参加者からは「練習の成果を本場のステージで
発表できて感激した」などの声が上がった。(交通新聞 3/2)
<事例②> 5年間かけて作り上げた力作 “さげもん雛人形”を発表
姶良市平松の60~80歳代の高齢者12人が、5年間こつこつと
作り上げた力作を「ちりめん細工 さげもん雛人形」展で発表した。
2007年発足の「ちりめんクラブ」は月に1回集まり、
古布ちりめん細工の腕を磨き、作品の発表会を企画。
さげもんは1本制作するのに1年以上かかる労作で、
会場内には華やかな「さげもん」の作品が並んだ。
世話役によると「古布とちりめんを使って古典的な
制作方法で作っている」という。(産経新聞 2/25)
<事例③> 雛祭りに合わせて、サークル活動の発表会開催
長岡京市老人クラブ連合会女性部のサークル発表会が、2日に行われた。
大正琴や民踊などを愛好する会員が日頃の練習の成果を披露。
毎年、雛祭りに合わせて開催しており、会員160人が参加した。
太極拳サークルは独特のゆったりした演武を、
民踊サークルは民謡や演歌に合わせて情感のこもった舞を見せた。
この他、健康生きがいづくりアドバイザーによる、
心身の若さを保つ食生活についての講演も開かれた。(京都新聞社 3/3)