「長寿を楽しめる社会~個人の幸せと社会負担の軽減の両立」。
プラチナ構想ネットワークの小宮山宏会長(三菱総合研究所理事長)は、
このほど開催された同組織主催のシンポジウム
「プラチナ社会実現への確かな前進」の基調講演で、
プラチナ社会を実現する条件のひとつとしてこう指摘しました。
同会長は、東大の秋山弘子教授の研究を題材に、
「高齢者といっても、その8割は健康長寿者。
80歳でも週に一度は社会との関係を持つような社会が求められる。
そのためには予防医学が重要となる」と述べるとともに、
「その鍵となる情報化イノベーションにより、
人々が病気をしない世の中をつくることを目指したい」と強調しました。
具体的には、国民から広く会員を募ったコホート研究(観察研究)に基づき、
会員個人の遺伝情報や診療情報を蓄積、フィードバックし、個別化予防を促進したり、
研究の解析結果を個別化医療に役立てたりするなどの提言を行いました。
また、プラチナ社会の必要条件としては、エコロジーであること、資源の心配がないこと、
老若男女が全参加できること、心もモノも豊であること、雇用があること、などを挙げ、
「限界を超える成長」には「モノも心も」大事だと話しました。
プラチナ構想ネットワークとは、老朽化する都市インフラ、活力を失う地方都市、
荒廃する農地、財政を圧迫する医療問題などなど、
少子高齢化社会を迎えた日本がかかえる様々な課題に対して、
地域、企業、研究機関がネットワーク形成によって解決を試みようという運動。
「プラチナ」には、エコ(グリーン)、健康(シルバー)、IT(ゴールド)など、
さまざまな輝きをもった一ランク上の暮らしという意味が込められています。
日本国中に、エコで快適なまちづくり、人材が育ち高齢者も参加する
活力あるまちづくりの構想を推進することを目的としています。
設立は平成22年8月。
ちなみに、ジャパンライフデザインシステムズも法人会員、
および学術会員として活動に加わっています。