2012年12月18日 13:33
~GQの鈴木正文編集長が講演~
「人は、ほとんど全員が
“新しい自分になりたい病”にかかっていると言ってもよいのでは。
全員がそうだから誰もそれを“病気”とは思わない。
でもそのように、自分が可塑的だと思っている間は、
前向きに生きていけるもの」
このほど開催されたワンダフルエイジング研究会
(運営:順天堂大学大学院加齢制御医学講座)で
講演したGQ編集長の鈴木正文氏は、
アンチエイジングについて文化的視点を交えてこう指摘しました。
講演タイトルは、『可塑性、前へ進むチカラ、
それこそがアンチエイジングの原点』で、
現代カルチャーやファッション、レジャー、
スポーツ、政治経済などは、健康にどのような影響を与えるのか、
をテーマにしたものでした。
男性ライフスタイル誌『ENGINE』を創刊し、
昨年『GQ』の編集長に就任した鈴木氏は現在63歳。
当日もとてもファッショナブルな装いでしたが、
「実は40代前半に70kgまで太ってしまったので、
加圧トレーニングをしたり、炭水化物摂取を控えたりして、
50代には一時は体脂肪率8~9%にまで落としました」と、
自らのダイエット経験について触れるとともに、
「本能だけで生きる動物とは異なり、人間だけが文化を持つ。
文化は本能の代理存在でもあって、
例えば美人の条件などでも世界各地で異なるし、
果たしてギリシャ彫刻のような筋肉美を手に入れることが、
豊な人生といえるかどうか
など議論が分かれるだろう」などと、
健康観について、病理学的にみた場合と
文化的側面からみた場合の認識の違いを独自に考察しました。
そして、「私は、サインを求められると
“常に死を忘れるな。今日をよく生きよう”
という意味の言葉を添えます。
生と死は対になっているもので、
死を忘れないということは生を忘れないということ」と、
人生で大事にしている考え方についてこう話しました。