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2013年4月22日 21:09

~登山家 田部井 淳子~

 

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現在発売中の『ヘルシーデザインノート』内に
掲載されている「Healthy Interview」には、
“健康の達人”にご登場いただいています。
今回は、登山家の田部井淳子さんのインタビュー
“私が山に登り続ける理由”前編をお届けします。

 

現在発売中の『ヘルシーデザインノート』内に

掲載されている「Healthy Interview」には、

“健康の達人”にご登場いただいています。

今回は、登山家の田部井淳子さんのインタビュー

“私が山に登り続ける理由”前編をお届けします。

 

初めて山に登ったのは、学校4年生の時。

学校の先生に連れられて登りましたが、こには見たこともない風景が

 地元福島の山は緑でいっぱいなのに、草も木も生えていない所があったり、

川にはお湯が流れていたり、夏でも山の上は寒かったりと、

驚くことだらけでした。


そこで、米やみそなどの食料、衣類など、自分の物は自分で

担いで歩き、お湯の流れる川に入り、茅葺き屋根の小屋に泊まる。

人間が自力で“移動しながら生活をする”ことを初めて経験し、

とてもわくわくした覚えがあります。

こういった学校では習わないことを見たり体験したりし、

もっと知らないところがあるのではないかと

思うようになりました。

考えてみると、その経験が、今に至る飽くなき好奇心

持つようになった原点だったと思います。


実は子どもの頃、運動が全く駄目でした

でも山は“よーい・ドン”で登るものではなく、自分のペースで登るもの。

「ゆっくりでもいいのだ」と先に教えられ、

 それもとても心地よかったのです。


ただし、全て自分で判断なければなりません。

山道と都会の道では状態が違いますし、

歩く時の体の動きも違います。

都会の道なら黙っていても信号が青になり、

前の人にぞろぞろと着いて行くだけですが、

自然の道はコンクリートの道と違い、様々な表情がある。

木の根が出ていたり、雪が残っていたり、泥道だったり。


だから、足を置く場所やつかまる所など、

知らず知らずのうちに自分で見極めている。

風や雲の流れで天候を推測し、

自分のコンディションも把握しながら歩くペースなどを

判断しなければなりません。


においにも敏感になります。

松や檜の香り、土や雪のにおい。

植物によってはメントールのようなにおいがするものもあり、

ここはさっき通った所だと分かるのです。


持って生まれた五感をフル活動させるわけです。

これらのことは、屋内でじっとしていては感じられません。

脳にとってもよい刺激になっているような気がします。


二本足で立って長時間歩けことが人間の特徴です。

分の足で一歩一歩移動し、移り変わる風景を楽しむ。

生きていることを実感する瞬間です。

歩ける限り、年齢に応じて、自分の脚力に応じて歩き続けたい。

それが、1番の生きている証拠だと思います。

<後編(2013年5月2日更新予定)>へ続く……
 
「ヘルシーデザインノート」の詳細は⇒こちら
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Profile

たべい・じゅんこ


1939年生まれ。昭和女子大学英米文学科卒業後、

社会人の山岳会に入会。69年女子登攀クラブを

設立。75年世界最高峰エベレストに女性世界初の

登頂に成功。92年女性で世界初の7大陸最高峰登

頂者となる。00年九州大学大学院比較社会文化

研究科修士課程修了。現在までに60カ国以上の

最高峰・最高地点を登頂。20~40代女性のため

の山の会MJリンク呼びかけ人。山岳環境保護団体・

日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト所属。

著書に『山の単語帳』(世界文化社)など多数。

 

 

 

 

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