2013年5月 1日 13:57
~登山家 田部井 淳子~
登山家の田部井淳子さんのインタビュー
“私が山に登り続ける理由”後編をお届けします。
考え方は様々だと思います
が、私は、山頂に立つことだけ
が登山ではないと思っていま
す。その土地の食や温泉、
人々の生活を知ること。そし
て、空港に降りてから目的地
にたどり着くまでのプロセス
も楽しむ。それも、登山の延
長ではないでしょうか。例え
ばエチオピアに行き、登山の
途中に山すそで満天の星を
眺めながら野宿する。シャ
ワーを浴びられなくても、見
たこともない物を見られると
いうのは、自分にとってこの上
ないぜいたくです。
自然の中に入ることそのも
のを楽しんでゆとりのある計
画を立てると、楽しみ方も変
わると思います。自分も60歳
を越えた頃から若い頃と比
べて体力や回復力の変化を
自覚するようになり、登山計
画そのものも余裕のあるもの
になりました。
現在は、東北で被災した人
たちと毎月ハイキングに出か
けたり、「健康山歩き講座」を
開講したりと、毎週のように山
に出かけています。その合間
を縫って、自分の好きな山に
も出かけるといった日々です。
先々の予定があり、それに向
けて説明会の日程や装備の
準備、資金集めなどの段取り
を考える。これも、脳の刺激に
なっているのかもしれません。
これまでを振り返れば、山頂
を目指して一生懸命になってい
た時期もあります。しかし今は
どんなに小さな国のどんなに
低い山でも、その国の最高峰
に登ろうと思っているのです。
世界地図を広げて眺める
と、足を踏み入れたことのない
場所が次から次へと見つか
り、行きたい所ばかりで困って
しまいます。国連に加盟してい
る193カ国中、まだ61カ国の山
頂にしか立っていません。まだ
まだ長生きして、見たこともな
い景色を見たいです。考え方は様々だと思いますが、私は、
山頂に立つことだけが登山ではないと思っています。
その土地の食や温泉、人々の生活を知ること。
そして、空港に降りてから目的地にたどり着くまでの
プロセスも楽しむ。それも、登山の延長ではないでしょうか。
例えばエチオピアに行き、登山の途中に山すそで満天の星を
眺めながら野宿する。シャワーを浴びられなくても、
見たこともない物を見られるというのは、
自分にとってこの上ないぜいたくです。
自然の中に入ることそのものを楽しんで
ゆとりのある計画を立てると、楽しみ方も変わると思います。
自分も60歳を越えた頃から若い頃と比べて体力や
回復力の変化を自覚するようになり、
登山計画そのものも余裕のあるものになりました。
現在は、東北で被災した人たちと毎月ハイキングに
出かけたり、「健康山歩き講座」を開講したりと、
毎週のように山に出かけています。
その合間を縫って、自分の好きな山にも出かけるといった日々です。
先々の予定があり、それに向けて説明会の日程や装備の準備、
資金集めなどの段取りを考える。
これも、脳の刺激になっているのかもしれません。
これまでを振り返れば、山頂を目指して一生懸命になっていた
時期もあります。しかし今はどんなに小さな国のどんなに
低い山でも、その国の最高峰に登ろうと思っているのです。
世界地図を広げて眺めると、足を踏み入れたことのない場所が
次から次へと見つかり、行きたい所ばかりで困ってしまいます。
国連に加盟している193カ国中、まだ61カ国の山頂にしか
立っていません。まだまだ長生きして、
見たこともない景色を見てみたいです。
現在発売中の『ヘルシーデザインノート』内に
掲載されている「Healthy Interview」には、
田部井さんをはじめ、服部幸應先生、
ハワイシニア協会会長 坂井諒三さん、
日本ウオーキング協会会長 宮下充正さん、
東京大学高齢社会総合研究機構特任教授 秋山弘子さんなどの
“健康の達人”にご登場いただいています。
Profile
たべい・じゅんこ
1939年生まれ。昭和女子大学英米文学科卒業後、
社会人の山岳会に入会。69年女子登攀クラブを
設立。75年世界最高峰エベレストに女性世界初の
登頂に成功。92年女性で世界初の7大陸最高峰登
頂者となる。00年九州大学大学院比較社会文化
研究科修士課程修了。現在までに60カ国以上の
最高峰・最高地点を登頂。20~40代女性のため
の山の会MJリンク呼びかけ人。山岳環境保護団体・
日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト所属。
著書に『山の単語帳』(世界文化社)など多数。