「おばあちゃんの原宿」として有名な巣鴨。
毎月「4」のつく日はとげぬき地蔵の縁日が開かれ、
多くのシニア層で大変な賑わいを見せます。
ここを訪れる参拝客に「おもてなし処」を提供しているのが、
巣鴨地蔵通り商店街の入り口にある巣鴨信用金庫(東京都・豊島区)です。
1992年5月以来本店の3階にあるホールを開放し、
信用金庫の利用客か否かに関わらず多くの参拝者を迎え入れ、
今年5月には来場者が通算100万人を超えました。
先日、その「おもてなし処」へ行ってきました。
入口には「おもてなし処」の暖簾が掛り、
スタッフの「おはようございます!」の声が迎えてくれます。
エレベーターで3階へ上がると「おもてなし処」の入口では、
スタッフがお茶とお煎餅を配りながら、
「ごゆっくりお過ごしください」と中へ誘導していました。
入ってすぐの左手には、「お地蔵さんスタンプ」を押すコーナーがあり、
多くのお客さまが通帳についているスタンプの
ページを開いて押してもらっています。
24個スタンプをためるともらえるオリジナルのマグカップやトートバックが大人気。
これらのために通帳を作るお客さまもいるほどです。
「おもてなし処」全体に、長テーブルと椅子がたくさん並べられ、
お茶を飲みながら3~4人でおしゃべりする人や1人で
ゆったりと文庫本を読む人など、実にゆったりとした自由な空間が
広がっています。「おもてなし処」へ1人で訪れて、
周りとおしゃべりをするうちにお友達になるケースも少なくないようです。
「おもてなし処」を設けるきっかけは、
1階のトイレを参拝客に提供したことでした。
トイレから出てくると多くの参拝客が入口のソファで休まれているのを目にして、
「商店街にはトイレも休憩所も少ないのだろう」と
ホールを開放することを決めたそうです。
それから20年間、4のつく日(定休日以外)は
本店のスタッフが総出でお客様をお迎えします。
今では参拝よりも先に「おもてなし処」を訪れる
お客さまが多いことから、開店は8時55分です。
地域と共に生きる信用金庫として掲げる理念は、
「金融ホスピタリティ業」。非日常の場面だけではなく、
生活に密着した日常での感動のおもてなしこそが大切であるとし、
「喜んでいただけることを喜びとする」をモットーに掲げています。
地域をあずかろうとする姿勢が、
文字通り貫かれた素晴らしい取組みだと感じました。