2013年7月30日 13:26
『生きる姿勢』
曾野 綾子 著
「与えられた場所で、与えられた時間を生きる。それが人間の自由だ。」
曾野綾子さんの近刊『生きる姿勢』の帯に書かれた言葉です。
これを文中ではまた別の言い方として。。。
「生きる姿勢」だけは個人の選択に委ねられている。
そして個人の好みで決めねばならない。
日本人は自己責任という思想を受け入れられない。
しかし「生きる姿勢」だけは、自己責任だ。
それが魂の自由だからである。
と、著者ならではの、人間の強烈な自立的あり方を書いています。
この本には、著者のそうした基本認識を踏まえた生き方、
考え方が様々に表現されています。
数々の例を引きながら言っているのは、日々に感謝する気持ち、
前向きに生きる姿勢、自分をさらけ出すことを恐れない気持ち、
そして、自分が時間の主になることが芸術である、などという箴言。
実際、生きる姿勢について大いに気づかされます。
病気や事故、多くの海外体験など、
著者自身が多難で多感な人生を歩んできたなかで
表された本当の声、とも読めます。
生きるスタンスや認識を見つめなおすきっかけを与えてくれる一冊です。
■発行:河出書房新社 760円(税別)