ヘルシーデザインクラブ(HDC)では、
健康や高齢社会の分野等に関するメディア情報を多角的に分析し、
その潮流を1つのキーワードにまとめ上げ、定期的に提示しています。
第15回目となったメディア分析会議“CANALYZE”より
抽出されたメインキーワードは、「ひとり舞台」です。
生涯現役が当たり前になる時代がやってきました。
人生において、どんなことがあっても課題を引き受けられる人こそ
かけがえの無い存在となることができます。
これが、ひとり舞台というもの。
代え難き自己の創造のためにマイウェイを作り、
困難な課題をやり遂げることで、体験学習が己の中に沈殿していきます。
学びは単発的に切れるものではなく、繋がっていくものです。
体験学習と読書から得た知識を社会に対して発信していくことで、
あなたは社会化された存在になります。
価値が凝縮・圧縮され、感じ取ったものを沈殿する時間と
それらを濾過する時間こそ、クリエイティブエイジングのコアであり、
様々な深みを内包する存在になるということです。
長寿が前提となる社会の中で、
自らが価値の権化となって世界顧客を観客とする。
社会の為に、あなたひとりが何を成すべきかという
気概が問われています。
今回の分析対象となったメディアの中から、
いくつかの事例をご紹介します。
クウネル 11月号(マガジンハウス)では,
九州の肥薩線の人吉駅で、駅弁の立ち売りを続けて40年の
菖蒲豊實さんが取り上げられていました。
「べんと〜」と名調子で毎日立ち売りを続ける菖蒲さんから
直接弁当を買いたいという乗客があとを絶ちません。
世界中の人が握手を求めてくるとのことです。
朝日新聞(10月29日)には、作詞家の岩谷時子さんの訃報が掲載されていました。
「愛の讃歌」を訳したことで作詞家としてのスタートを切った岩谷さんは
みずみずしい感性と斬新な言葉で3000曲を紡ぎました。
まさに時代の歌人であり、音楽に貢献し続けた姿です。
富山新聞(10月10日)には、JR富山駅前の老舗バー「白馬館」の店主が
80歳にして新店をオープンしたことが取り上げられていました。
傘寿を迎えた名バーテンダーの内田さんは
自らが現役で仕事に励む姿を見せて、活力を与えたいと
8席分のカウンターだけの店を構え、人生の集大成の挑戦に臨みます。
これらの事例のように
年を重ねながら経験を蓄えてさらに発信することで
自分の道を突き進む姿に感銘を受け、
「ひとり舞台」というキーワードが生まれました。