『岸村式食べちゃダメなものはない!ダイエット』
岸村康代 著
管理栄養士、野菜ソムリエ、フードプランナーの岸村康代先生が
書かれた本書。数々あるダイエット指南書の中でも、
この本の特徴は“否定をしない”こと。
○○を食べてはダメ! ○○してはダメ! などの言葉は
一切ありません。自分が食べたいものに、+αの新習慣を
教えてくれる一冊です。
一言で言うと、食べ合わせという名のものとの
“食のアレンジ術”が詰まってます。
「焼き肉食べたい!」⇒
「焼き肉+リセット食材(本書参照)を足せば大丈夫!」
「ファーストフード食べたい!」⇒
「ファーストフード+リセットメニュー(本書参照)を足せば、
十分にリセット可能!」
など、ダイエット本では考えられない、否定なし、無理なしな
具体的でわかりやすいイラスト入りのヒントがたくさん書かれています。
さらに、依存体質脱却への近道法や、食欲に負けるのは
意思ではなく、体質の問題ということも、きちんと書かれていて、
ついつい弱気になりやすいダイエッターの
心のサポートも忘れていません。
ダイエットとは「痩せることが目的でなく、自分にとって心地良く
いられる体を手にいれること」と話す岸村先生。
今の自分の体に疑問はあるけど、見ない・気にしない
ようにしている……っていうことはありませんか?
心地が良い体が手に入れば、
今まで億劫になっていたことなども解決できるはず。
この機会に、自分をリセットするつもりで、この本を読めば
きっと何か新しい発見を得ることが出来ると思います。
とてもかわいい装丁で、女性が手に取りやすく、
食品の栄養素から、お酒の飲み方、旬野菜の紹介、
自炊レシピなども紹介。文章中の大切な部分は赤く記されていて、
ポイントも掴みやすく、痩せたい人でなくても、とても勉強になる一冊です。
■発行:メディアファクトリー 1200円(税別) 127P
『106歳を越えて、私がいま伝えたいこと』
昇地三郎 著
著者は、106歳を越えてなお、
講演のために世界中を飛び回っているという昇地三郎氏。
60年間家族の介護を続け、
最期を看取ってからもなお、精力的に我が人生を歩み続ける
氏の生き方や子どもたちに対する教育論がつづられている一冊です。
中身を少しだけご紹介しましょう。
~生きることを前向きにする言葉~
● 長生きをすれば、良いことがある
● 健康長寿は誰にでもできる
● 定年とは自由になるとき 自分のやりたいことを始めるチャンス
● 生涯現役を楽しむ~人生に余りはない
~ボケずにピンピン健康に過ごす習慣~
● 足腰よりも脳を鍛えろ!
● 「一日一知」を積み重ねる
● 日記を書くと脳が若返る
● 寝具は硬いものを選ぶ
~人間関係を無理なく楽しむ秘訣~
● 若い人からも学ぶ謙虚さを持つ
● 常にGoing my way で生きる!
● 常にスマイル、楽観主義で
● 「人にしてあげる生き方」をする
~のびのび子どもが育つアドバイス~
● 人を育てるときは眼をつぶってでも褒める
● 親が希望を失うと、その日から子どもはダメになる
● 最後までやり遂げさせると自信につながる
● 子どもについていけば、そこから教育がうまれてくる
「人生に余りなどない」
せっかく与えられた命なのだから、
どんな状況でも自分の人生を精一杯生きる。
それは自分にしかできないこと。
明日の自分へ、一歩踏み出す勇気をくれる一冊です。
■発行:こう書房 1500円(税別) 4-6変 / 200P
「年をとりたくない」「長生きしたくない」
年齢とともに体が衰えていく不安から
このような言葉を発する人も多いのではないでしょうか。
そんな暗くなる気持ちを、
「ピンピンコロリ」という軽快な言葉とともに、
一瞬にして吹き飛ばしてくれるのがこの一冊です。
「ピンピンコロリ」とは亡くなる直前まで元気に活動すること。
誰もが望む、この実践方法を、
地方自治体と協力した大規模追跡調査をもとに、
首都大学東京大学院教授で医学博士の星旦二先生が紹介しています。
その方法は目からウロコのものばかり……。
・ お酒は適量なら毎日でもいい。
・ やせたら長生きできるというのは誤認識。
・ 体の痛みで外出頻度は決めてはいけない。
・ 健康だと思うと長生きできる。
など、我慢をせずに、無理をせず、楽しい思いをしている人が
健康で長生きできるという調査結果が出ています。
誰もが死を迎えるのですから、生きている間に楽しんだ人の勝ちです。
健康で長生きすることは決して難しくはないこと。
何か特別な思考や行動を起こすのではなく、
長寿のポイントを掴み、とにかく楽しんで日々の生活を大事にすれば
「ピンピンコロリ」の健康長寿を目指すことができます。
この本を読んで、一気に肩の力が抜けた気がしました。
巻末付録に「あなたの健康・長生き度チェックテスト」があります。
この本を読んでから、おさらいも兼ねて行うのですが、
本を読む前にテストに答えてしまいました。
結果は……「あなたは真面目すぎませんか?」。
固定観念にとらわれ過ぎていた、耳の痛い結果でした。
読む前と読んだ後に、
このテストを行うことをおすすめします。
■発行:ワニブックス 760円(税別) 新書判/192P
前向き。
年を重ね、“時間持ち”になることは少しも嘆くことではなく、
むしろ感性豊かな生活にシフトするチャンス。
そんな“前向き”なメッセージにあふれた一冊です。
著者である吉沢久子さんは、家事評論家として、
近年もエッセイの執筆や講演活動と幅広く活躍されています。
一人暮らしのお住まいは、「あまりに緊張感がないと
自分の能力がもぎとられてしまう」として、ノン・バリアフリー。
「自分のことは自分でやる」という自立した生活を送っています。
吉沢さんにとって、「食べることは生きること」。
自称“くいしんぼう”の93歳(当時)は、各地のラーメンをお取り寄せして
食べることもあるとか。一人の食事は手間を惜しまず作り、
好きな器に盛り付け、豊かな気持ちでいただいているそうです。
昔のように気軽に外出できなくなっても、
その分「自分の中で楽しもう」と前向きに考える。
懐かしい思い出を手繰り寄せて記憶と感性を刺激したり、
戦争中の自分の日記を編纂することを楽しんでいるようです。
毎朝、全国紙を三紙と『新潟日報』を比べて読み、
思わぬ発見を楽しんでいるというのには驚きました。
この本を読み、改めて気づかされました。
自分の気持ち次第で日々の生活は豊かでクリエイティブなものに
なっていくということ。そして、感性や好奇心は
幾つになっても磨き続けていけるのですね。
■発行:マガジンハウス 1300円(税別)B6判/184P
97歳の幸福論。
ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣
笹本恒子 著
クリエイティブエイジングをそのまま形にすると、
まさにこんな生き方なのではないでしょうか。
そんな風に考えてしまう1冊です。
著者・笹本恒子さんは97歳の現役カメラマン。
昨年、それまで公表していなかった年齢を明かし、
大手新聞で紹介されたのがきっかけで一気に時の人になりました。
一時は夜中まで仕事や取材がかさみ、
ごはんも食べられないほどの忙しさだったそうです。
この本を読んで驚くのは、筆者の創意豊な生活ぶり。
それもそのはずで、読めば、カメラマンでありながら、過去には絵やファッション、
クラフトなどの勉強もプロ並みにこなしているのです。
それとカメラマンならではの豊富な海外体験。
いまも衣服やアクセサリーは手作りが多いのだそうで、
その一部が本書の中で紹介されていますが、さすがのセンス。
素人とは思えない素敵なデザインです。
食生活についても「食べることは生きること」という持論にもとづき、
原則手作り。方法にもこだわりが感じられます。
筆者の言う、"ばら色の人生"を送るのに、
確かにその豊富な経験やセンス、ネットワークが役立っていることは
間違いないところだと思いますが、
伝えたいのは、「大切なのは、生活をより豊に素敵にしよう、
暮らしを少しでも楽しくしようという、本人なりのちょっとした工夫なのよ」
ということではないでしょうか。
◎ "温かい"家で暮らす
◎ ちゃんと食べる、ちゃんと歩く
◎ 身だしなみに手を抜かない
◎ 年齢を悟られずに生きる
◎ 読む・書く・仕事&恋をする
筆者のクリエイティブライフの実践が、
この5つの秘訣としてまとめられています。
ちなみに人生の爛熟期は50代、60代だそうです。
そう聞いて、個人的には大いに明るい気分になりました。
■発行:講談社 1400円(税別) B6判/160P
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