第3回イタリアの絵本と子どもの本展
『絵本のなかのイタリア』
2月3日(金)から始まります!
第3回「イタリアの絵本と子どもの本」展が東京・九段の
イタリア文化会館で開催されます。
今回の展示会の切り口は『絵本のなかのイタリア』。
近刊を中心に250冊ほどのイタリアの絵本を、
街、歴史、アート、食べ物、家族など12のセクションに分類。
その1冊1冊を重ね合わせていくと、イタリアというひとつの国が
みえてくる構成になっています。
企画監修および絵本のセレクションをしているAndersen社は、
イタリアで児童書専門の月刊誌を刊行している出版社。
毎年イタリアの子どもの本を対象にした賞(Andersen賞)でも
有名です。
先週、絵本のチカラプロジェクトでは
イタリア文化会館図書室 豊田雅子様のご厚意により
ひと足早く展示絵本を拝見できる機会をいただけました。
本国から到着したての絵本はどれもこれも
イタリアの高い美意識とセンスが感じられるものばかり!
ダンボールから出したてのホヤホヤをセクションごとに撮影させて
いただきました。
絵本は12のセクションに分類されています。
1)I DIRITTI E IL RISCATTO
生きる権利と社会的救済
2)A TAVOLA
多彩な食卓
3)UN PAESE IN RIVA AL MARE
海にかこまれた国
4)LA CAMPAGNA, TRA NATURA E CULTURA
田園、自然と文化の共生
5)LE FIABE, I CANTASTORIE E IL CARNEVALE
昔話、かたりべ、カーニバル
6)I TESORI DELL’ARTE
美術作品にかこまれて
7)TURISMO A MISURA DI BAMBINO
子ども向けガイドブック
8)IN FAMIGLIA
さまざまな家族のかたち
9)IL PAESE DEL BEL CANTO
オペラの国
10)QUATTRO PASSI NELLA STORIA
歴史散歩
11)LE STRADE DELLA CITTA’
街をあるく
12)SCUOLA, CASA E TEMPO LIBERO
学校、家、自由時間
1)生きる権利と社会的救済
子ども向けの絵本ですが、
「権利と救済」といったテーマが
きちんと描かれていることに驚かされます。
2)多彩な食卓
食の王国イタリアには
食べ物に関する絵本がたくさんあります。
子どもの食育がさかんな証拠。
絵本を開くとおいしそうな香りが漂ってきそう!
その中でとくに目をひかれたのがこの本。
スイスへ移住したイタリア人家族が
そこでもイタリアの味を大切にしている物語。
大人っぽいカッコイイ絵が素敵!
3)海にかこまれた国
この「海にかこまれた国」のセクションは
次の「田園、自然と文化の共生」のセクションと
まとめて展示されることになるようです。
イタリアの海辺の町と田園地帯。
そこに暮らす普通のひとたちの物語に
とても興味をひかれます。
「海にかこまれた国」でいちばん素敵だった絵本がこれ。
浜辺に漂着したと思われるビンが描かれていて
光をたっぷり含んだ淡い色彩に
なんともいえない情感が漂います。
4)田園、自然と文化の共生
イタリアの「田園」地帯に関連する絵本を
集めたセクションです。
今イタリアでもっとも注目されている作家、
インノチェンティは2年ほど前にAndersen賞を
受賞した作家です。この『100年の家』では
田園地帯にある1軒の家の100年の歴史を
驚くほどの細密さと雄大なスケール感で描いています。
彼の作品は板橋美術館で特別展示されたこともあるそうです。
5)昔話、かたりべ、カーニバル
ここは昔話、伝説、カーニバルなどの絵本を集めた
セクションです。仮面をかぶった即興劇などもあります。
さすがイタリアはアートの国。
このセクションの写真は1枚におさめられませんでした。
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵本もありました!
これは泥棒がお屋敷の左の窓からしのびこみ
ページごとに見開きでさまざまな部屋を通って
最後は右側の窓から退散していくストーリーの絵本。
各部屋には家具や置物の銘品が
次々と現れて、サイレントノベルながらぐいぐい
引き込まれてしまう見事な構成です!
7)子ども向けガイドブック
イタリアの子ども向けの旅行ガイドの絵本群。
おとなでも持ち歩きたくなるほど素敵なデザインばかり。
8)さまざまな家族のかたち
イタリアのさまざまな家族の姿が描かれた絵本群。
ロボットが家事掃除なんでもこなして
大活躍の絵本もありました!
9)オペラの国
イタリアの文化のひとつである
オペラにちなんだ絵本のセクションです。
スカラ座の絵本やオペラの題材の絵本、
右上のトゥーランドットの絵本は布製カバーの豪華版。
10)歴史散歩
イタリアに関係するさまざまな歴史を描いた絵本群。
王制から共和制に変わったことで、どう暮らしが変わったかを
子どもの目線で描いた絵本もありました。
象徴的な「爆弾からキャンディーへ」の絵柄が素敵です。
子ども向けの絵本にこのデザイン、色のセンス!
11)街をあるく
子どもの目から見た街歩きの楽しさを描いた絵本群。
下段左から3冊目はブルーノ・ムナーリ作『きりのなかのサーカス』。
実はこの日本語版を出版したフレーベル館に
ムナーリの1945シリーズについて
取材した直後だったので、とても嬉しくなりました。
ムナーリについては近日、ブログアップします!
12)学校、家、自由時間
最後のセクションは、子どもにとっていちばん楽しい場面、
「学校、家、自由時間」。絵本の数もいちばん多く
写真も3枚になってしまいました。
そしてここにもありました!
インノチェンティが描いた『ピノキオ』の絵本!
とにかく繊細でリアルなタッチの絵には
驚きとともに引き付けられます。
絵本のチカラブログでおなじみ、フィリップ・ジョルダーノさんの
絵本もセレクトされてました!
ふうろうの顔立ちがどことなく
『かぐや姫』に登場した動物たちを彷彿とさせます。
以上、駆け足でのご紹介ですみません!
ぜひ直接手にとって、素晴らしい絵本の数々を
じっくり堪能してみてください。
会期中は、(株)アート絵本といたばしボローニャ子ども絵本館の協力で
「Dear JAPAN ~世界の絵本画家からの希望のメッセージ」と題する
企画展示が同時開催されます。
こちらでは、世界の絵本作家から東日本大震災に見舞われた日本に贈られた
イラストをあたたかいメッセージ付きで展示するそうです。
販売コーナーではイタリア書房と紀伊國屋書店からの委託により
イタリア語の絵本の販売もあります。また、「Dear JAPAN」のポストカードの
チャリティ販売も行われるとのこと。
イタリア文化会館の素敵な建物ホールで
絵本を通してイタリアとアートを満喫してみてください!(ミヤタ)
赤い外壁がとってもオシャレ!
イタリア文化会館は靖国神社の近くにあります。
第3回「イタリアの絵本と子どもの本」展
『絵本のなかのイタリア』
日程:2012年2月3日(金)~2月16日(木)※日曜休館
時間:11:00~18:00
入場料:無料
場所:イタリア文化会館 エキジビションホール
東京都千代田区九段南2-1-30
主催:イタリア文化会館 展覧会企画監修:雑誌Andersen
問合せ先:Tel.03-3264-6011(内戦23)
http://www.iictokyo.esteri.it