吉祥寺トムズボックス
4月のギャラリー個展は
片山健さんです
片山健個展
『夜、鳥、こども、その他。』
開催期間/2012年4月1日(日)~30日(月)
開催時間/11:00~20:00 ※最終日は18:00まで
定休日/木曜
場所/トムズボックス
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-7
TEL&FAX 0422-23-0868
http://www.tomsbox.co.jp/
今日は、吉祥寺の「トムズボックス」から届いた4月のDM
片山健個展『夜、鳥、こども、その他』のご案内と
片山健さんの昔の画集『いる子ども』について
ご紹介したいと思います。
片山健さんは1940年、東京・吉祥寺の生まれ。
武蔵野美術大学商業デザイン科卒。
1966年、絵本『マッチのとり』を自費出版、
1968年、『ゆうちゃんのみきさーしゃ』(福音館書店/刊)を出版。
その後、絵本製作から離れ、鉛筆画を描き続けながら
芝居の美術や役者のまねごともしていました。
結婚後数年間は飲み屋、レストラン、米屋、
アイスクリーム工場等に勤めていたことも。
それが1977年、長男誕生を機に再び絵本製作に取り組むように。
『おなかのすくさんぽ』『どんどん どんどん』は長男との、
『コッコさん』シリーズは1979年誕生の長女との生活から
生まれた絵本だそうです。
1986年、『犬、猫、魚、その他。』という
今回の個展に似たような名前の絵本が
メリーウェルズから出版されています。
1968年に出版された画集
『いる子ども』
片山健/著 PARCO出版/刊
カバーの絵は「ザリガニ1」1983
私が最初に片山健さんのことを知ったのは
今では絶版となったこの画集でした。
「なんて太いまゆげの子どもなんだろうっ!」
そう、ファーストインプレッションは、
”まゆげ”だったのです。
とにかく、描かれている子どもの全員が全員、
くっきりとしたまゆげの持ち主。
まるいまゆげ、山型まゆげ、
一本線になっちゃったまゆげの子もいます。
そしてほとんどの子が、半裸姿です。
男の子は上半身はだかでデカパン一丁、
女の子は肩までむきだしのスリップドレス。
みんな、太陽の光をいっぱいに浴び
草花が咲き乱れる庭や野原、
動物たちが生息する山や海、川で
力強く遊んでいます。
とにかく子どもに強い意志が感じられます。
遊びに一所懸命、無我夢中。
こわいものはありません。
あるときは、荒野に立ち、果敢に嵐に向き合おうとすら
しています。
巨大なザリガニや魚とも
素手で渡りあえます。
『いる子ども』裏表紙です。
絵は、「貝の童子」1985
この画集には書き下ろしのほか
絵本の原画もたくさん収録されています。
でも、私がいちばん好きな絵は
「水密桃1」1985
という絵です。
おにいちゃんといもうとが
真夏の輝く庭を背景に
涼しそうな暗い部屋に正座して
甘い桃を両手で大事そうに抱えて
まるごと、がぶり。
ああ、これが正しい食べ方かも!
昭和の子どもたちって、こうだったと
嬉しいなつかしさでいっぱいになります。
ほんとはこの食べ方の方がおいしいんですよね。
『いる子ども』の中表紙。
片山健さんのサインが書かれています。
どうみても、デカパンですよね、これ。
今回のトムズボックスでの個展は
大好きな画集と同じように
太いまゆげの力強い子だといいなあ。
そして昭和のにおいをぷんぷんさせて欲しい。
4月末までに、ぜひ行ってみたいと思っています。(ミヤタ)