2012.4.23更新
絵本研究!
イラストレーターの作る絵本
参考:レオ・レオーニ
こんにちは!
絵本研究もようやく3回目です。
1回目の研究では林明子さんの絵本をとりあげ、
2回目の研究ではイエラ・マリさんの絵本をとりあげましたが、
絵本を作る人によって、描き方はもちろん
語られる物語の着眼点も異なることが分かります。
ということで今回は、イラストレーターならではの着眼点が見えてくる絵本
「あおくんときいろちゃん」を参考にしたいと思います。
『あおくんときいろちゃん』1967年 レオ・レオーニ 作 藤田圭雄 訳 至光社
作者のレオ・レオーニさんと言えば、
『スイミー』『フレデリック』などの絵本でとても有名ですが、
実は『あおくんときいろちゃん』は、
レオ・レオーニさんが初めて作った絵本なのです。
絵の具で遊びながら作った絵本とのことで、
登場人物(?)も、単純な色のかたちだけ。
色の組合せに言葉を添えることで物語が作られています。
『あおくんときいろちゃん』1967年 レオ・レオーニ 作 藤田圭雄 訳 至光社 p22-23
「あおくんときいろちゃん」の一番の見所といえば
「もう うれしくて うれしくて とうとう みどりに なりました」のこのシーン!
子どもの時に読んでも面白いと感じたシーンですが、
大人になってから読んでも心に響いてくるものがある気がします。
「黄色と青色を混ぜると、緑色になる」という絵の具の特徴から
生まれたシーンだということも分かるのではないでしょうか。
絵の具に普段から慣れ親しんでいるイラストレーターだからこそ、
このような発想の仕方が出て来たのだと思いました。
ある現象に言葉を付け足していくだけで、物語をつくれてしまう…。
着眼点と発想力が、絵本作家には必要なのかもしれませんね。(サイトウ)