2012.7.20更新

ブラザートムさんの絵本

『ラース 福島からきた犬』

をご紹介します!

 

皆さま、こんにちは!
本日は、7月24日(火)に発売される絵本
『ラース 福島からきた犬』をご紹介します。

この作品は、ミュージシャン、俳優、MCとして
映画、舞台、TV等で活躍中のブラザートムさんが
実話をそのまま絵と文にかきおこした絵本です。
 

 ラース表紙★.jpg

『ラース 福島からきた犬』表紙
ブラザートム/著 SDP/発行
なお、この本の売上げの一部は
東日本大震災の復興支援のために寄付されるそうです。

 

ラース中面★.jpg

 『ラース 福島からきた犬』中面から。
クレヨンで描かれたトムさんの絵が
こんなにも強烈な印象をもって迫ってくるなんて。
そして”作られた感”がいっさいないありのままの文。
スーッと心に入り込んできます。



2011年3月下旬、福島の原発警戒区域から
トムさんのもとへやってきた一匹の犬、
それがラースです。
「わらっちゃうくらい ぶさいくな犬」。
動物シェルターではじめてラースを目にしたとき
トムさんはそう思ったそうです。
あまりにぶさいくだし、くさいし、おまけにかみつくしで
ほんとは預かりたくなかったけど
いっしょにいたもう一匹の犬はかわいいから
誰かが預かってくれるだろうと、
だからこの犬をがまんして預かることにしました。

このくだり、あの絵本を思い出しました。
そう、『コートニー』!
 「犬好きな あなたへ贈る 犬の絵本 5選」
(2012年3月30日更新)でご紹介した1冊です。

「誰も欲しがらない犬」。
「誰も預かりたがらない犬」。

だ・か・ら・こ・そ!

引き取ってくれた子どものために
コートニーは数々の奇跡を起こした!

そしてそして、このラースのまわりでも
次々と驚くような奇跡が起きるのです!
それは読んでみてのお楽しみ。

 

トムアー写決定★.jpg

ブラザートムさん(写真提供/SDP)
1956年ハワイ州マウイ島生まれ。
2010年に初の絵本
『月からおちたモモンガ』(SDP/刊)を上梓。
全国で絵本の読み聞かせ活動を行っている。

 

トムさんは絵本のあとがきで、こう語っています。

 「今日は 何日ですか?
西暦何年 何月何日ですか?

震災があったのは、2011年3月11日

今、福島はどうなっているのですか?
ラースは 帰れたのですか?

タイムマシンに乗って
未来のあなたに質問です
この本を手にしている
あなたに質問です。

今、原子力発電所は
どうなっているのですか?
みんな、無事に帰れたのでしょうか?

2011年3月12日
次の日、朝は 普通にやってきて
何もなかったように 花が咲きます。

涙が止まりませんでした。

2011年3月30日
ラースがやってきます。

たくさんの奇跡をお土産に
ラースがやってきます。

それから、416日目
僕の左足を枕に
フヒャー フャーって
寝言を言っています。

初めての感覚です
たくさんあった不安が
おなかの辺りに落ちてきて
それが今、覚悟
というものに名前を変えました。

さあ、未来のあなたに質問です。

たくさん、笑っていますか?
今、幸せですか?

子どもは あなたの笑顔を見て
幸せを感じます。

未来のあなたは
たくさん笑っていますか?

もう一度 言ってやる。

子どもは あなたの笑顔を見て
幸せを感じます。

聞ーこーえーてーまーすーかー・・・・・・・・。」

 

この絵本の制作を担当したのは、株式会社アート絵本さん。
実はアート絵本さんと私ども絵本のチカラは、
今年開催されたイタリア文化会館主催の
「絵本のなかのイタリア展」つながりなのです。

アート絵本さんは、その絵本展で「Dear JAPAN」
というイラスト展示を同時開催されていました。
これは、世界中の絵本作家から、東日本大震災に見舞われた
日本に贈られたイラストとメッセージ文の圧倒的な展示でした。
また、横浜展ではよみ語りイベントも担当されていました。
「Dear JAPAN」については、こちらの記事に、
横浜展のよみ語りイベントについては、こちらの記事
記述がありますのでご覧ください。

以来、絵本のチカラのメルマガ会員になってくださったり、
Facebook友達になっていただいたりとつながりを持つことができ
今回、いち早く取材させていただけた次第です。

 

アート絵本山本さん山田さん-001★.jpg

アート絵本の山本知子社長(右)と山田育子さん。
おふたりは同じ中高の先輩と後輩、
息もぴったりの素敵なマダムたちです!
 

アート絵本さんが主催される「Dear JAPAN」プロジェクトに、
トムさんも絵と文章を寄贈されました。
それが”ラースの物語”が世の中に出たはじまりでした。

 

 Dear-Japan2★.jpg

 「Dear JAPAN」のアプリから。
トムさんが寄せられたイラストです。

 

DearJapan4★.jpg

こちらは、上のイラストに添えられたメッセージ画面。
「Dear JAPAN 世界の絵本画家からの希望のメッセージ」には
世界25か国136人の絵本画家のイラストとメッセージが
寄せられています。
iPhoneアプリで配信中。iPod touchi、iPadでも見ることができます。
カテゴリー/illustrated Book
価格/250円(内100円が日本赤十字社や被災県の
復興対策本部に寄付されます)

 

ラースの絵本が生まれるまでのいきさつについては
アート絵本さんが丁寧にスタッフブログで紹介されていますので
ぜひご覧ください。
また、「Dear JAPAN」のイラスト展示が
本日7月20日(金)~8月3日(金)まで、
宮城県石巻市のかめ七呉服店さんで開催されています。
お近くの方はこの機会にぜひ足をお運びいただければと思います。

アート絵本さんのブログは、こちらです

アート絵本さんのFacebookは、こちらです

なお、ラースのお話は、連載エッセイ
「happiness islandから来た犬」として
電子文藝誌「アレ!」に掲載。
電子書籍の単行本化も進行中だそうです。
月刊アレ! 公式サイト
http://www.allez.jp

 

次回は、トムさんのほかの絵本や
アート絵本さんの絵本アプリなどをご紹介します。
お楽しみに! (ミヤタ)

2012.7.9更新

吉祥寺トムズボックス

7月のギャラリー個展は

荒井良二さんの

『ちるどれん あー →(在るこども)』

 

 

トムズボックス7月-003★.jpg荒井良二の小さな展覧会
『ちるどれん あー →(在るこども)』
開催期間/2012年7月1日(日)~31日(火)
開催時間/11:00~20:00 ※最終日は18:00まで
定休日/木曜
場所/トムズボックス
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-7
TEL&FAX 0422-23-0868
http://www.tomsbox.co.jp/

 

 

吉祥寺「トムズボックス」から届いた7月のDMは
荒井良二の小さな展覧会
『ちるどれん あー →(在るこども)』です。
 

 トムズボックス7月詳細★.jpg

『ちるどれん あー →(在るこども)』
タイトルは、本当にそのように
書かれているのです。
いろんなこども、在るこども。
あーにはさまざまな意味が入ってきます。

 

荒井良二さんは、今や絵本ファンで知らない人は
いないくらい人気を博していらっしゃいます。
とくに子どもや若い女性は、荒井さんの絵を見て
ヴィヴィッドに反応する人が多いようです。

「カワイイ」

「この絵、スキ」

荒井さんの絵はなんともいえない無邪気な明るさが
私たちのハートを鷲掴みします。
ただひたすらカワイクて楽しいのです。
それを感じられるかどうかって

もしかしたら、ある種の「カワイイ」の
リトマス試験紙かもしれないと
ふと思ったりしました。

絵本のチカラプロジェクトでは
トムズボックスの土井章史さんにインタビューさせて
いただいた際に、おすすめの絵本の1冊が
荒井さんの絵による
『さるのせんせいと へびのかんごふさん』でした。
→その記事はこちらです。

そこもやっぱりカワイくて楽しい世界でした。

それ以外にも、蔵書の中から
とりわけ気に入っている
2冊をご紹介しましょう。

まずはこの絵本です。

 _ルフランルフラン表紙.jpg

『ルフラン ルフラン』表紙
荒井良二/作・絵 ブチグラパブリッシング/刊
この女の子が主人公のルフランです。
おしゃれで楽しそうな名まえ。
ルフランが家ごと引越しをするところから
物語ははじまります。
「ルフラン ルフラン ひっこし ひっこし
おうちが ゆっくり はしります」
おうちがはしる! なんて素敵な響きでしょう!

 

ルフランルフラン裏★.jpg

『ルフラン ルフラン』裏表紙
白い巨大な花からちょこんと顔をのぞかせている
この子は引越しの途中で出会った男の子、
ケナゲナ。
名まえからワクワクさせてくれますよね。
けなげな男の子だからケナゲナ?
毛がないのにケナゲナ?
いずれにしてもひっかかりまくりです。

 

ルフランルフラン中面.jpg

『ルフラン ルフラン』中面より
ケナゲナが住んでいる森では
人も動物も、船までも
みーんな王冠をかぶっています。
それがルフランはうらやましくってしょうがない。
見ている私もうらやましくなります。
森のはずなのに、草原の船になっちゃってるところも
不思議な夢みたいに前後の脈略すっとばしで
実に楽しい! 面白い!

 

もう1冊はこの絵本です。

 あさになったので表紙.jpg

『あさになったので まどをあけますよ』表紙
荒井良二/文・絵 偕成社/刊

 

あさになったので裏表紙.jpg

 『あさになったので まどをあけますよ』裏表紙
中の絵をお見せできないのが残念なのですが
表紙の帯と裏表紙の絵の雰囲気から
想像がつくのではないでしょうか?
山のくらし、海辺のくらし、
都会でも、田舎でも、
子どもたちはみんな自分が住むまちが大好き。
だから、朝起きたら、まっさきに
子どもたちは窓をあけます。
まちの景色をすこしでも早く見たくて。
大好きなまちは、
きょうもいろいろな美しい表情をみせてくれます。
この絵本を知ってから
私も朝、部屋の窓をあけるのが楽しくなりました。

 

ご紹介した2冊に共通していることを探すなら
それはまぎれもなく「子どもの目線」ではないでしょうか?

ああ、子どもの頃、そんなこと思ったりしたよね。

子どものときには、こんなことにもワクワクしたっけ。

忘れかけていた大切なものをもういちど見させてくれるような
うれしい世界、素直な気持ち。
それが荒井さんの絵本の魅力かもしれません。
そんな「子ども目線」の荒井ワールドが
トムズボックスでは展開されているのかも、と
なんだかとても期待しちゃいます! (ミヤタ)

2012.7.3更新

世界初の無農薬りんごに成功!

りんご農家・木村秋則さんを描いた絵本

『りんごのおじさん』

 

皆さま、こんにちは!

本日は、メルマガ会員のひとり、
荒田ゆり子さんが装丁を担当された絵本
『りんごのおじさん』をご紹介します。
荒田さんは本の装丁やグラフィックデザインを手がけられ、
美大ではデザイン科の非常勤講師もつとめられている
とても素敵な女性です。
今回、その『りんごのおじさん』の元になったお話が
映画化されることになり、絵本の装丁も新しくなりました。

その絵本がこちらです。

 

りんごのおじさん表紙.jpg『りんごのおじさん』 
鈴木まもる/絵 竹下文子/文 ハッピーオウル社/刊
不可能といわれた無農薬のりんご栽培に
たったひとりで挑んだおじさんの物語(本書の帯より)。

  

りんごのおじさん中面.jpgそれは、これまで たべたことのない おいしさでした。
くすりにも ひりょうにも たよらずに、
じぶんの ちからで はなを さかせ、
じぶんの ちからで みのった、
げんきな げんきな りんごの あじでした。
(「りんごのおじさん」中面より) 

 

この絵本の元になったのは
青森県のりんご農家・木村秋則さんの実話です。
2006年12月にNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀 
第35回 りんごは愛で育てる」で放送され、
大きな反響を呼びました。

 

奇跡のリンゴ表紙.jpg

『奇跡のリンゴ』
石川拓治/著 幻冬舎/刊 
NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」制作班/監修
木村さんの関連本は多数発行されていますが
とりわけこの『奇跡のリンゴ』はノンフィクションとしては
異例の26万部を販売。
本の帯には「ニュートンよりも、ライト兄弟よりも、
偉大な奇跡を成し遂げた男の物語。」とあります。

 

木村さんが無農薬、無肥料のりんご栽培に取り組みだしたのは
農薬アレルギーに悩む妻を思ってのことでした。
それからりんごの木が花を咲かせるまでの9年もの歳月は
試行錯誤の繰り返しで、害虫対策などもことごとく失敗。
極貧に耐え、周囲からの冷たい目や心ない言葉に
心が折れそうになったこともあったそうです。

そんなさまざまな苦労を乗り越えて実ったりんご。
それは、土と水と太陽という
自然の恵みだけをたっぷり含んだ
とびきりおいいしいお味なのです!

その木村さんの物語が、「奇跡のリンゴ」のタイトルで
映画化、2013年全国東宝系で公開されることになりました。
木村さんには阿部サダヲさん、
木村さんを支えた妻役には菅野美穂さん。
木村さんご本人もエキストラ出演を予定され
地元の弘前市でオールロケということです。

今から映画もとても楽しみですが、
そのまえに、木村さんのりんごを
ひとかじりしてみたくなりました!

荒田さん、素晴らしい絵本をご紹介いただき
ありがとうございました。 
(ミヤタ)

カバせんせいのうんこのおはなし

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