吉祥寺トムズボックス
7月のギャラリー個展は
荒井良二さんの
『ちるどれん あー →(在るこども)』
荒井良二の小さな展覧会
『ちるどれん あー →(在るこども)』
開催期間/2012年7月1日(日)~31日(火)
開催時間/11:00~20:00 ※最終日は18:00まで
定休日/木曜
場所/トムズボックス
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-14-7
TEL&FAX 0422-23-0868
http://www.tomsbox.co.jp/
吉祥寺「トムズボックス」から届いた7月のDMは
荒井良二の小さな展覧会
『ちるどれん あー →(在るこども)』です。
『ちるどれん あー →(在るこども)』
タイトルは、本当にそのように
書かれているのです。
いろんなこども、在るこども。
あーにはさまざまな意味が入ってきます。
荒井良二さんは、今や絵本ファンで知らない人は
いないくらい人気を博していらっしゃいます。
とくに子どもや若い女性は、荒井さんの絵を見て
ヴィヴィッドに反応する人が多いようです。
「カワイイ」
「この絵、スキ」
荒井さんの絵はなんともいえない無邪気な明るさが
私たちのハートを鷲掴みします。
ただひたすらカワイクて楽しいのです。
それを感じられるかどうかって
もしかしたら、ある種の「カワイイ」の
リトマス試験紙かもしれないと
ふと思ったりしました。
絵本のチカラプロジェクトでは
トムズボックスの土井章史さんにインタビューさせて
いただいた際に、おすすめの絵本の1冊が
荒井さんの絵による
『さるのせんせいと へびのかんごふさん』でした。
→その記事はこちらです。
そこもやっぱりカワイくて楽しい世界でした。
それ以外にも、蔵書の中から
とりわけ気に入っている2冊をご紹介しましょう。
まずはこの絵本です。
『ルフラン ルフラン』表紙
荒井良二/作・絵 ブチグラパブリッシング/刊
この女の子が主人公のルフランです。
おしゃれで楽しそうな名まえ。
ルフランが家ごと引越しをするところから
物語ははじまります。
「ルフラン ルフラン ひっこし ひっこし
おうちが ゆっくり はしります」
おうちがはしる! なんて素敵な響きでしょう!
『ルフラン ルフラン』裏表紙
白い巨大な花からちょこんと顔をのぞかせている
この子は引越しの途中で出会った男の子、
ケナゲナ。
名まえからワクワクさせてくれますよね。
けなげな男の子だからケナゲナ?
毛がないのにケナゲナ?
いずれにしてもひっかかりまくりです。
『ルフラン ルフラン』中面より
ケナゲナが住んでいる森では
人も動物も、船までも
みーんな王冠をかぶっています。
それがルフランはうらやましくってしょうがない。
見ている私もうらやましくなります。
森のはずなのに、草原の船になっちゃってるところも
不思議な夢みたいに前後の脈略すっとばしで
実に楽しい! 面白い!
もう1冊はこの絵本です。
『あさになったので まどをあけますよ』表紙
荒井良二/文・絵 偕成社/刊
『あさになったので まどをあけますよ』裏表紙
中の絵をお見せできないのが残念なのですが
表紙の帯と裏表紙の絵の雰囲気から
想像がつくのではないでしょうか?
山のくらし、海辺のくらし、
都会でも、田舎でも、
子どもたちはみんな自分が住むまちが大好き。
だから、朝起きたら、まっさきに
子どもたちは窓をあけます。
まちの景色をすこしでも早く見たくて。
大好きなまちは、
きょうもいろいろな美しい表情をみせてくれます。
この絵本を知ってから
私も朝、部屋の窓をあけるのが楽しくなりました。
ご紹介した2冊に共通していることを探すなら
それはまぎれもなく「子どもの目線」ではないでしょうか?
ああ、子どもの頃、そんなこと思ったりしたよね。
子どものときには、こんなことにもワクワクしたっけ。
忘れかけていた大切なものをもういちど見させてくれるような
うれしい世界、素直な気持ち。
それが荒井さんの絵本の魅力かもしれません。
そんな「子ども目線」の荒井ワールドが
トムズボックスでは展開されているのかも、と
なんだかとても期待しちゃいます! (ミヤタ)