2012.3.26
Mail Magazine ♯16
「ふぉりくろーるのロシア絵本展」より
ロシア絵本の表紙を楽しもう!
メルマガ会員の皆さま、こんにちは!
先日お伝えしておりましたとおり
ブログで掲載しきれなかった素敵な絵本の表紙を
「メルマガ会員さま向け特別企画」としてご紹介いたします。
ロシア絵本の素朴で力強くあたたかい感じは
表紙だけでも匂い立っています。
人のぬくもりが感じられるデザインは
絵本だからなおさらふさわしいものだと思うのです。
ここにも「絵本のチカラ」のヒントがありそうです!
レーヴェジェフ画『おろかなこねずみ』初版復刻版。
レーヴェジェフは1920-30年代、専門家の間で
「絵本の王様」と称された。
そのシンプルでいきいきとした描写は
今もまったく古臭く見えず永遠に新しい。
レーヴェジェフ画『昨日と今日』初版復刻版。
グラフィックデザインの原点ともいえる絵本。
ヴァスネツォフ画『さんびきのくま』初版復刻版。
ヴァスネツォフの描く動物たちは
みんな明るくいきいきと楽しい。
タチヤーナ・マーヴリナ『入り江のほとり』。
マーヴリナの絵本はほかにも3冊、
彼女の作品だと知らず撮影していました。
やっぱりその力強さ、素朴さに惹かれてしまいます。
日本でいえば棟方志功のような作風だと思いました。
タチヤーナ・マーヴリナ画、プーシキン作
『金の鶏』。
炎のような地の赤に金色のインキが浮き立ってます。
ぜいたくな印刷方法で1冊1冊、丁寧に
しかも国中の子どもたちのために莫大な予算を使って
100万部以上刷られたそうです。
タチヤーナ・マーヴリナ画『おばあちゃんのやぎ』。
黒字なのに地味にならずかえってゴージャスで
印象深い仕上がりの表紙です。
タチヤーナ・マーヴリナ画
『死せる王女と7人の豪傑』(ロシア版白雪姫)。
めずらしく淡い色彩で描かれた表紙ですが
ハッとさせられました。
サササッと描いていてもエレガントな力強さがあります。
絵柄もノスタルジックなのに新しい不思議な感じ。
ところで、ロシア絵本は動物ものがとても充実しています。
ここからは作者名、タイトル名をひかえなかった作品も入ってきますが
ギャラリーの中で目を惹いた動物の表紙の絵本をご紹介しましょう。
ねこの絵本『しましまのおひげちゃん』
モロゾワ画、マルシャーク作。
ブログでもご紹介しましたが、表紙がねこのかたちにカットアウト
されていて、いちばん目に付いた絵本です。
『てぶくろ』
ラチョフ画、ロシア民話、英語版。
くすんだ色味が深い味わいを醸し出しています。
同じ表紙の絵柄でロシア文字の絵本もあります。
ビロードのような深みのある緑色の地に
羽の模様がオシャレなニワトリの絵本。
ゴージャスな感じでうっとりしてしまいます。
友人にこの写真を見せたら、「この絵の刺繍がほしい!」
と言われてしまいました。
サーモンピンクの地の色に白い羽と黒い羽が
なんともノルタルジックでエレガントな趣きの絵本。
インテリアとして飾りたいぐらい素敵。
濃いサーモンピンクの地にモノトーンを基調に
ベーシックな色の動物たちが躍動していて
楽しい感じがよくでています。
ロシア絵本ではおなじみの動物、きつねが
主人公のひとりのようです。
こうして見ると、ロシア文字が妙にデザイン的にも
しっくりしているように思えてきます。
毛並みまで丁寧に描かれたリアルなバンビの絵本。
それなのにノスタルジックで可愛らしいのは
蜂に振り返るしぐさとおしりから後ろ脚にかけての表情、
そしてロシア文字と低木に配した黄緑色の妙でしょうか?
トルストイ作『さんびきのくま』ですが、
誰の画かは控えていませんでした。
スミマセン!
サーモンピンク地にユーモラスなくまの絵が
あたたかい感じの絵本です。
ヴァスネツォフの『さんびきのくま』では
花束はお父さんぐまが掲げていますが
こちらでは子ぐまが掲げてます。
最後の絵本は、ピョートル・ミトゥーリチ、
ヴェーラ。フレーブニコワ=ミトゥーリチ夫妻の画による
『はじめての狩り』。
子犬のしぐさが本当に愛らしくいきいきとしています。
繊細なタッチの絵ですが、朱赤のラインの縁取りが
とても効いていて、一度見たら忘れられない絵です。
以上、駆け足でご紹介いたしましたが、いかがでしたか?
皆さまの絵本好き、アート好きのハートに
火をともせたら幸いです!
絵本のチカラでは、メルマガ会員(=絵本ファンクラブ)の皆さまからの
リクエストにもお応えしたいと考えています。
絵本に関するご希望、企画に対するご提案などございましたら
どしどしお寄せください。
もちろん、随時、「社外研究員」としての皆さまからの発表も
心待ちにしております!
どうぞよろしくお願いいたします。