2011.1.27更新

小さな小さな地球は

だれのもの? 


先日、三鷹の国立天文台「星と森と絵本の家」で開催中の
“見る、知る、感じる絵本展 大きいちきゅう 小さいちきゅう”
に行ってまいりました。
「星と森と絵本の家」は国立天文台協力のもと、
三鷹市が運営する展示施設で、天文台の森の中にある
大正時代の建物を活用し、絵本の展示や絵本を楽しむ場を
提供し、自然や科学への関心につながる活動を行っています。

 IMG_0072.jpg

この施設には2000冊もの絵本が所蔵されていて、今回の
展示はその中の絵本190冊を「地球」というテーマをもとに、
「まるい」「まわる」「水がある」などのコーナー別に
わかりやすく展示してありました。
 

展示されていた気になる絵本を一部ご紹介♪ 

 地球というすてきな星.jpg

「地球という素敵な星」


  せいめいのれきし.jpg

「せいめいのれきし」 


 べっとのしたには.jpg

   「ベットのしたにはなにがある?」

 

いのちのつながり.jpg

   「いのちのつながり」

  

IMG_0843.jpg

それから、地球についての質問コーナーがあり
その質問に対し、施設の人たちが丁寧に返答して
いました。こういう温かみのある丁寧な対応が
よい展示の秘訣ですね。


切り口が面白いなと思ったのは“ちきゅうのここがすばらしい”を
小さな絵本にしてください、というコーナー。
これはこどもたちが一生懸命“ちきゅうのすばらしいところ”を
鉛筆でかいたミニ絵本がたくさん飾られています。
中にはぐちゃぐちゃで全く読めないものも(笑)微笑ましいです。

IMG_6165.jpg

そもそも「星と森と絵本の家」に足を運ぶきっかけになったのは
昨年末頃、絵本のチカラプロジェクトに映画館で開催する
絵本イベント企画の話があり、そのプランに今回の展示が
とても参考になりそうだったからです。せっかくなので、
今考えている企画を少しだけご紹介します♪
 

まず、3つのポイント

1.絵本のチカラが常に求め続けている
  “絵本の新しい可能性を探る”こと

2.劇場という大きな空間を最大限に生かせるもの

3.参加型 

それから前段はこんな感じでしょうか。

 ちきゅう.jpg

~小さな小さな地球はだれのもの?~
 「地球と自然」 

宇宙からみた地球はとても小さい星です。
その小さな地球には種や花、ちょう、小動物など
小さな生命が助け合いながら生きています。
その自然のサイクルはとても繊細で、
一度壊れたらもう取り返しがつきません。
“小さな小さな地球はだれのもの?”
をくりかえし問いかけながら、地球と自然について
絵本を通じて学んでいきましょう。

「地球と自然」をテーマにした理由はとても単純で、
地球についてもっともっとこどもたちに知ってもらいたい
というのは、普遍的に大切なことだからです。
地球にいる限り、こどもに地球について知ってもらうのは
大人たちのミッションですよね。
ちなみに会場が宇宙船のようなイメージの空間ですので、
お客様が座る席は宇宙船の中。そこで地球をテーマにした
様々な絵本ストーリーを体験することができたら
なんだかワクワクしませんか?

実施プランは例えば…
●“地球と自然”をテーマにした絵本を
 ビックスクリーンで読み聞かせ

●音と絵本の体験イベント
 スクリーンで映し出された絵にあわせて実際に声を出したり、
 手作り楽器で音をだしたりする音遊びイベント

●絵本日記を親子で楽しもう(ワークショップ)などなど。

まだ構想段階ですが、いろいろ面白そうなことができそう♪
こんなこともやってみたいなどご意見、ご感想がありましたら
お気軽に絵本のチカラまでメールをくださいませ。
みんなで楽しみながら作っていくイベントは参加する人たちも
本当に楽しめるものになると思います。

もっとアイディア出しあわないと♪(ミナミ)

 

 

2010.6.22更新

オノマトペの魔術師
 
~生命の画家 木葉井悦子~

 
新企画、「絵本日記」プロジェクトが進行中の
絵本のチカラですが、
先日軽井沢絵本の森美術館で開催された、
「生命(いのち)の画家 木葉井悦子(きばいえつこ)の世界展」
に行ってきました♪
 

 絵本の森美術館.jpg

 

木葉井さんは57年の生涯に17冊の絵本を創作し、
生命のつよさを感じるような温かく豊かな色彩に溢れた
作品が魅力で、現在も多くのファンを魅了し続けています。
今回の展示では、木葉井さんの手がけた絵本作品や
挿絵の原画から、タブロー(額絵)やペン画の作品が
一挙に公開されました。

数多くの原画と絵本を見ながら気になった点は、
オノマトペ(擬声語)の使い方がとても面白いところ。

※オノマトペ (擬声語)
きらきら、とぼとぼ、わんわんなど感覚的な表現を
している言葉。日本は世界にまれなオノマトペを
非常に多く使っている国。
(米国の5倍とまで言われている。)
   

みずまき.jpg

「みずまき」は太陽が照りつける暑い夏の日に、
女の子が水をひたすらまくというストーリーですが、
水の音がこんな表現に。
 

 しゃく しゃく しゃく 

こち こち こち 

ちゃく ちゃく ちゃく 

なむじゃぶ なむじゃぶ

なんて不思議な表現!
絵とオノマトペがいっしょになることで、まるで
魔術のような不思議なチカラが生まれる。
特に木葉井さんの作品は生命の息吹を感じる
力強い描写・躍動感があり、「しゃくしゃく」「こちこち」
といった摩訶不思議なオノマトペと妙に相性がいい。

 
忘れていた?懐かしい感覚
 

こどもは特にオノマトペが大好きで、例えば
読み聞かせをするとオノマトペの部分で
足をだんだん!と鳴らしたり、騒いだり、
赤ちゃんは、きゃっきゃ!と笑顔になったり、
元気になるらしい。

せっかくなので、オノマトペがうまく使われている
有名作家の3作品をご紹介♪

  わたしのわんぴーす.gif

「わたしのワンピース」西巻 茅子

まっしろなきれ ふわふわって そらからおちてきた

ミシン カタカタ

わたしのワンピースをつくろうっと

ミシン カタカタ ミシン カタカタ

 

 風の又三郎.jpg

 「風の又三郎」宮沢賢治 

どっどど どどうど どどうど どどう

青いくるみも吹きとばせ

すっぱいかりんもふきとばせ

どっどど どどうど どどうど どどう

 

もこもこ.jpg 「もこもこもこ」谷川俊太郎

 もこ もこ

にょき にょき

つん   ぽろり

ぱく

「ふわふわ」「どっどど」「ぱく」…やっぱり不思議な表現。
大人の大半が首をかしげます。
でも、こどものころは誰もが楽しむ感覚があったはず?!

ちなみに、夏目漱石は無音の世界に
「しん(森)」という音を聞いたといいます。

五感を使い、絵と言葉に音を聞いたり、匂いを感じたり、
色を感じたり…オノマトペをうまく使った絵本は、
忘れていた大切な感覚が蘇る、そんなチカラが
あるのではないでしょうか。
 

~研究員のひとこと~

例えば、大人が元気になるオノマトペ絵本があるとしたら…
ちょっと疲れた時、落ち込んだ時の一冊!
"小さな小さな癒しの絵本”(仮)

「ゆるゆる」
「うきうき」
「うらうら」
「ぽわぽわ」
「ほわわわ」

※このオノマトペにそれぞれ癒し系イラストが入る。
※ミニサイズの絵本。(縦7.7㎝ 横5.4㎝)

ちょっとつくってみました♪  小さな絵本.jpg

もうちょっとブラッシュアップしないとだめですね…(涙)
アイディアをもっともっと出しあおう♪(ミナミ)

 

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