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2013年7月 8日 11:29

優れたコーチの元を訪れ、教えを乞い、そして次のコーチを紹介していただきながら数珠繋ぎに続けていく新企画『プロからプロへ、レッスンリレー』。

テーマは“メンタル”と“日頃の行い”。第1回の講師は、ツアープロでありながら指導者としても定評のある、青木信次先生です。

 

【前編】ではラウンド前日の過ごし方や当日朝のこと、そして前半ラウンドの注意点について、青木先生に教えていただきました。【後編】は昼食時間と後半ラウンドについて、さらにゴルフライフ全般について突っ込んで訊いてみましょう。

 

 

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青木信次 Shinji Aoki

1977年12月5日/東京都生まれ。10歳のとき、父親の影響でゴルフを始める。

 

拓殖大学ゴルフ部出身。卒業後、日高カントリークラブの研修生を経て、2004年にプロ転向。チャレンジツアーなどの出場を経験。5年前より、インストラクターも行っている。

 

JGTOメンバー、JGRA会員。公私共の師匠はディネッシュ・チャンド。

 

●クラブハウスで昼食 AM12:00PM1:00

――ゴルフ場のお昼の過ごし方を教えてください。お酒を飲んでもOK? 先生の勝利メニューは?

好きに過ごして、ほどほどに飲んでいいと思います。勝利メニューか……。どこに行ってもカレーライスはあるから、人によってはカレーライスだったりするのかな。ぼくが本気でプレーするプロの試合は、スルー(昼休憩なし)で行われます。だから、ゴルフ場のレストランで勝利メニューというものを考えたことがなくて、ピンとこないというのもあります。

なんにしてもゴルフのいいところは、F1や競馬と違って、体重を神経質に考えなくてもいいことです。

 

――午前中のスコアがぼろぼろの場合、どのように気持ちを切り替えたらよいですか?

悪いことは“10秒ルール”でいきましょう。「10歩、歩いたら忘れる」「10秒経ったら忘れる」ようにしてください。

普段と違う過ごし方をしてみるのも良いと思いますよ。お酒を入れてみるとかね。

 

 

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先生に構えの見本をお願いしました。「撮るんだったらグローブしてもいい?」

 

●後半ラウンド PM1:004:00

――午後も体力を保つ方法を教えてください。

栄養補給、水分補給が大切です。よく言われることですが、疲れたと思ったら血糖値が下がっているので、甘いものを食べてください。ぼくもキャディバックの中にチョコレートやゼリータイプの甘い栄養補助食品をしのばせていて、ラウンド中に食べています。

 

――先日ゴルフ場で、女の子に凍ったゼリーをもらっていましたね?

余計なこと訊かなくていいよ(笑)。あれはあの子のお母さんからの差し入れだそうです。でも、確かに、コースで凍らせてあるものがあると助かります。

 

――午後だからこそ、気をつけることがあれば、教えてください。

午後は集中力の低下に気をつけましょう。人間の集中力は2時間しか持たないと言われているにもかかわらず、18ホールを回るには4~6時間かかります。だから、集中が持続する環境を作ることが必要になってきます。

ゴルフは9割が移動で、打つのは1割というスポーツです。9割のあいだは仲間と話したりもしながらリラックスをし、1割のときにパリッと集中する。抜くときはぬいて、入れるときは入れる! メリハリをつけましょう。

 

 

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後ろからの構えもおさえてみました。

 

 

●プレー終了後 PM4:00

――プレー後、絶対やるべき体へのメンテナンスは?

ゴルフ場のお風呂に入ってください。お風呂でのストレッチ、お風呂上りのストレッチがおすすめです。

 

――スコアの良い日と、悪い日があります。気持ちの上で、いちばんの違いはどこだったのでしょうか?

これは一概には言えず、本人じゃないとわからない面もあります。次回のラウンドのあと、ここまでの項目を1つひとつ振り返ってみていただければ幸いです。

 

――今日のゴルフを振り返ってやっておくことはありますか?

ぼく個人は大学生まで、気づいたことをメモに取っていました。卒業してゴルフが仕事になってからは、毎日のことだから取りきれなくなってしまったけど……。

今はパソコンやスマホでもっと手軽に管理できるので、練習やラウンドの間隔が空くアマチュアの方こそ、メモを取っておいて、機会があるたび見返してみるといいのかもしれません。

 

 

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閑話休題……。

 

 

●ゴルフライフ全般に対するアドバイス

――フィードバックの練習は、行ったほうがよいのでしょうか? 「行うべきだ」という説と、「行わないほうがよろしい」という説があるようですが。

行うべきだと思います。ただし、次のラウンドにつなげることを目的として行いましょう。

まずフードバックは、悪いことがあったその場所ではやらないほうがいい。可能であれば場所を変えましょう。そして、要は“反省会”なので、その日のうちにすましてスッキリしてしまうのがベストです。

 

――「これ以上はスコアアップしないかも」と思ったときは、どうすればよいですか?

ゴルフに終わりはありません。もう伸びないと決めつけるのは自由ですが、伸びないことはありません。

レッスンに通っている人の場合は、先生や内容、環境を変えてみましょう。レッスンに通っていない人の場合もおなじで、なにか取り組み方を変えてみましょう。

 

――歳を取り、飛距離・スコアが落ちてきた場合は、どうすればよいですか? またどう考えればいいですか?

歳を取ったから、飛ばなくなったりスコアが落ちたりしているわけではないんですよ。ゴルフの場合、筋肉が落ちることと飛距離が落ちることは比例しません。

問題は歳とともに関節がかたくなっていくことなので、ストレッチを行って稼動域を広げれば、歳なんて関係ないと考えましょう。

また、これは補足ですが、筋肉が衰えないためには、普段の生活にウォーキングやランニングを取り入れることがおすすめです。ゴルフの練習を増やすよりも、運動量を増やしましょう。

 

――怪我をしないために、気をつけることを教えてください。

プレー前、プレー後のケアに限ります。ストレッチ、マッサージ、食事、左右のバランスが違うことをしない……と、体に対するケアに気を配りましょう。お相撲さんの体なんて、じつはすごくやわらかいんだよ。

先日、中日のキャッチャーの谷繁さんが、王さんに次ぐプロ野球史上単独2位の出場回数記録を打ち立てたけど、やっぱり試合ごとのケアがものを言ったと感じました。キャッチャーという怪我をしやすいポジションでありながら、素晴らしい記録だと思います。

 

――解説書をよく読む人の場合、本によって書いてあることが異なり、情報過多になってしまうそうです。その場合、どうすればよいでしょうか?

勉強の参考書と一緒です。自分に合うか合わないかどうかで著者の人数を絞りましょう。3人の本を読んだらそのうちの1人に絞る、10人の本を読んだらそのうちの3人に絞る。

たとえ言っていることが異なっても、みんな、悪いことは書いてないんです。自分に合うものを信じたら、それでよいと思います。

 

――人に教わるのが苦手な人の場合、どのようにゴルフを研究することがおすすめですか?

自分で研究するだけでも、上手くなることは可能だと思います。解説書を読んで、いいなと感じたアドバイスを実践してみる。でもそのあとに、インストラクターでなくてもいいから、自分より上手な仲間に一度、見てもらったほうがいいかもしれませんね。

 

 

――以上で質問終了です。トップバッターにもかかわらず、すべての質問にご自身の言葉で答えてくださり、青木先生がどれほどゴルフのことを考えて過ごしてこられたかが、ずしりと重く響きました。ご指導ありがとうございました。

 

 

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青木先生、ラストショット! プロゴルファーとしてのご活躍も楽しみにしております。

 

 

次回、『プロからプロへ、レッスンリレー 第2回』は、青木先生のご紹介で、またまたスペシャルな方のもとを訪れる予定です。どうかお楽しみに♪

 

 

 

取材協力:渋谷deゴルフ

http://tokyo-indoor-golf.com/index.html

0120-978-319

※青木先生のレッスン曜日は、水・木・日です。女性も歓迎。お電話で確認のうえ、ご予約ください。


2013年7月 5日 18:28

優れたコーチの元を訪れ、教えを乞い、そして次のコーチを紹介していただきながら数珠繋ぎに続けていく新企画『プロからプロへ、レッスンリレー』。

テーマは“メンタル”と“日頃の行い”。

いつまでも健康で、ゴルフをずっと楽しみたいISLAND GOLF CLUB GALAPAのメンバーにとって大切なことを集めました。

 

第1回は、ツアープロでありながら指導者としても定評のある、青木信次先生に学びます。

ラウンド前日の過ごし方から、当日、さらにはプレーが終わったあと気にかけるべき点まで、時間軸に添ってアドバイスをしていただきました。

 

 

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青木信次 Shinji Aoki

1977年12月5日/東京都生まれ。10歳のとき、父親の影響でゴルフを始める。

拓殖大学ゴルフ部出身。卒業後、日高カントリークラブの研修生を経て、2004年にプロ転向。チャレンジツアーなどの出場を経験。5年前より、インストラクターも行っている。

JGTOメンバー、JGRA会員。公私共の師匠はディネッシュ・チャンド。

 

 

●ラウンド前日 PM6:009:00

――ラウンド前日の最も理想的な過ごし方を教えてください。

「昼間お仕事をしている」「すでに退職されて時間がある」など、様々な生活があると思いますが、夜早めに寝ることは基本です。とくに夏前は、睡眠不足が熱射病につながりやすい。普段の疲れを少しでも体から取ってあげるべきところなので、深酒など不摂生なことは、当たり前ですが避けましょう。

また、もし前日に練習場に行くことが可能であれば、ぼくは行くことをおすすめします。ストレッチを交えながら球数を抑えた調整を行ってください。ドライバーよりアプローチを中心にし、50~100球が理想です。

 

――予想される明日の天気・気温への備えを教えてください。

たとえば、すごく寒くなるとわかった時点で、もういつもとおなじパフォーマンスはできないことを受け入れるべきです。最高気温が10℃以下のときなんて、体が動き辛くなるとわかっていても、風を通さない素材のウィンドブレーカーなんかを着込むしかない。だから冬のゴルフは回転を意識したスイングが必要なんだけど、そういう練習とセットで“備え”が完成するということかな。

暑い時期も工夫が必要です。芝の上の気温は、照り返しのせいで3~4℃高いことを知っていますか? 本来ゴルフでは、首にタオルを巻くことはマナー違反だけど、今は凍らして使うスカーフのような商品はたくさん出ているし、それらはなんとなくOKということになっています。帽子の中に仕込むタイプもあるみたいですよ。

 

 

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青木先生のレッスン光景。「整体師ですか!?」っていうくらい、ゴリゴリとスイングを直す。

 

 

●ラウンド当日 AM6:008:00(スタート前) 

――朝食はなにを食べるといいですか? 先生がなにを食べるかも教えてください。

消化のいいものが好ましいです。ぼく個人は、ゴルフの朝はバナナを食べます。じつはプレー中も食べています。バナナによる栄養補給には即効性がある……と言いつつ、ほんとうは効いているかどうか定かじゃないんだけど、ずっとそう思ってきたから食べるだけで安心するんだよね。ポジティブな思い込みは大事です。

あと、ゴルフ場のレストランには「朝食セット」というものもあるので、時間に余裕のある人は利用してみてもいいのではと思います。一般的に、洋食セットと和食セットがあります。

 

――体力がなくスタート前の練習だけでも疲れてしまうのですが、どの程度行うことが適切ですか?

偉いね、ちゃんと朝の練習するんだ。実際のところ、アマチュアゴルファーの場合、スタート前の練習をする人・しない人の割合は半々くらいだと思うよ。

スタート前に練習する派へのアドバイスとしては、この段階で技術的な練習を行って上手くなろうとするとかえって混乱するので、「今日は体が起きやすい」などチェックに集中してほしいと思います。20~30球が目安です。アイアンを中心にして、ドライバーは最後の2、3球でいいくらい。

練習しない派へのアドバイスもあります。「朝、練習場に行く人は偉いなあ……」と横目で眺めながらもパターだけはやっておきましょう。

さて。ここから重要なことを言います。練習する派・しない派、どちらの場合も普段の練習とおなじ効果が見込めるのは“ストレッチ”です。ストレッチをして体の稼動域を大きくしておくのとおかないのでは、パフォーマンスに歴然とした差がでます。

ストレッチと普通の準備体操の違いは、体を伸ばした状態で一定時間止めることだと思ってください。

繰り返しますが、当日の朝は球を打つ練習より、ストレッチのほうがはるかに効きます。25歳を境に、年齢を重ねるほど、これは絶対の事実になっていきます。

 

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取材に飽きて(?)打ち始めた青木先生。やっぱりプロのスイングはかっこいい。

 

 

●前半ラウンド AM9:0012:00

――朝一番のティショットのとき、緊張しない方法を教えてください。

“ルーティン”を利用しましょう。みなさん、日々の練習は緊張していない良い状態で行っていますよね? 日々の練習でも、本番のつもりで1打1打大事に打ってみる時間があると思いますが、そのときに深呼吸なら深呼吸を毎回必ず入れるようにして、この“ルーティン”をそのまま本番に持ち込みます。

スポーツでは「練習は本番のように、本番は練習のように」といいますが、ルーティンは練習と本番をつないで緊張を和らげる役目をしてくれます。

 

――バンカーや池が見えると、わざとのように入れてしまいます。なぜですか?

暗示をかけてしまっているからです。嫌だと思えば思うほど、筋肉が緊張で硬くなってミスをしていることが考えられます。カップいっぱいに入ったコーヒーを運ぶときだって、こぼさないように慎重になったとたん、こぼれるでしょう? 物事は自分のリズムに反するとだめだよね。

しっかりと、フェアウェイ上・グリーン上に自分のターゲットを決めて、そこに打つことだけに集中することがいちばんです。

人はみんな、自分の技術やレベルに合ったバンカーや池や障害物が気になるものです。ぼくも、ぼくが入れてしまいそうな距離のそれらが気になる。まぁ、つまり、目の前の池は上達すれば気にならなくなる程度のモノだとも言える。嫌だ嫌だと思わないことが重要なわけなので、そのくらい舐めてかかってもいいかもしれません。

 

――上手な人、偉い人とまわると打ち急いでしまうのですが……。

おすすめは、最初に相手に伝えてしまうことです。「私は下手なので、今日一日ご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします」と。こちらのレベルがわからなければ、相手の方にもっとたいへんな思いをさせるかもしれません。素直に伝えて、少しでも肩の荷を降ろしましょう。

だけどこれはゴルフに限らず、人生が他人との関わりでできている以上、すべてのことでありうる悩みですよね。プロゴルファー以外にも、良い答えを持っている人がいるかもしれない……。

 

――プレッシャーのかかるホールなど、ピンチのときに心がけることを教えてください。

簡単です。ピンチを楽しんでください。この種の緊張は、日常生活にはないものです。ゴルフをやってなければ味わえないものなので、しっかり楽しんでください。ドMになりきって、「嬉しい!」と悦びを噛み締めてみましょう。

 

――ラウンド中の素振りの効果的な行いかたを教えてください。

素振りは1回までにしてください。ゴルフというスポーツは、1打につき40秒しか計算されてなくて、それまでに打たないとルール上も遅延プレーとなります。丁寧な人なら、打つ前の素振り1回と、本番のスイング1回で40秒いっぱいになってしまうのではないでしょうか。

プロゴルファーで、試合中に素振りを行う人は半々かな。ぼくはしません。あえてラウンド中の良い素振りがどんなものであるか語るとすれば、“リズムのある素振り”だと思います。

 

――今日はアプローチで行ったり来たりしたり、パットで行ったり来たりしているとします。その場合、どうすれば適度な距離が打てるようになりますか?

この2つを並べて訊いてくるところに、誤解がありますね(笑)。グリーンを行ったり来たりすることと、カップを行ったり来たりすることはまったく別問題なので、分けてお答えします。

アプローチのグリーンは大きいので、行ったり来たりする時点でそれは距離感ではなく、打ち方です。つまり、この連載のテーマである“メンタル”や“日頃の行い”は関係なくて、トップ(ボールの頭をたたく)をしないなど、技術的な問題になります。

対して、パターは距離感をつかむ必要があります。ただし、コースにでてしまってはもう手遅れで、朝の練習時につかんでおかなくてはいけないことでした。だからさっき、朝の練習をしない派の人も、パターだけはやっておきましょうといったんですよ。ゴルフ場によってグリーンの速さは異なります。平らなところで2メートル、3メートルのパットを入れる練習をしておく。それを基準に本番では、「ここは5メートルの下りだから、平らの2~3メートルと一緒」というような計算をするわけです。前もって距離感のベースを作っておきましょう。

 

――ありがとうございます。前日~前半ラウンドに関しての質問は、これで終了です。【後編】は、後半ラウンドのアドバイスと、さらに突っ込んでゴルフライフ全般について教えていただきます。青木先生、【後編】もよろしくお願いします!

 

 

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生徒役のモデルは記者でした。

 

 

※【後編】の更新は7月8日(月)になります。

 

 

 

取材協力:渋谷deゴルフ

http://tokyo-indoor-golf.com/index.html

0120-978-319

※青木先生のレッスン曜日は、水・木・日です。女性も歓迎。お電話で確認のうえ、ご予約ください。


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