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2013年8月 9日 16:03

『プロからプロへ、レッスンリレー』とは?

優れたコーチのもとを訪れ、教えを乞い、そして次のコーチを紹介していただきながら数珠繋ぎに続けていく企画。テーマは“メンタル”と“日頃の行い”です。

 

第3回となる今回は平野義裕先生をたずねて、東京でも最新のゴルフ施設【クールクラブス南青山店】にやってきました。 

平野先生は4歳児(!)から70代まで全世代のゴルファーを知る、オールマイティーな指導者です。 

 

毎度のようにラウンド前日からラウンド当日終了までを時間軸に沿ってアドバイスいただきますが、今回はとくにスコアが100前後の人は注目! 

100を切るためのポイント、訊いてきましたよ。 

 

 

 

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平野義裕 Yoshihiro Hirano

1969年6月20/神奈川県生まれ。

20歳のとき、ジャンボ尾崎の研修生として本格的にゴルフを始める。その後、パームスプリングスへのゴルフ留学を経て、指導者の道に進む。

伊勢丹ゴルフスクールで9年務めたあと独立し、現在受け持っている【池袋ナイススポーツ】のスクールは7年目となる。また、【クールクラブス南青山店】では個人レッスンを実施。クラブフィッテングにも通ずる。

 

 

――すごい施設ですね。本題に入る前に、クールクラブスの最新設備を使ったレッスンについてレクチャーしてください! 

これは、「TRACKMAN」というたいへん優秀なマシーンです。21通りの見方で弾道解析をしてくれます。(バシッと打つ平野先生)……このように画面に弾道がでます。回転数やキャリー、上から落ちてくるときの角度などがわかります。

 

――病院で受けたMRI検査を思い出しました。 

そうですね。スイングが丸裸になるという意味では似ています。おそらく、こういった機材を使ったものが、今後のゴルフレッスンの主流になってくると思います。

また、ここはクラブフィッテングを行う施設でもあります。「TRACKMAN」の解析を元に、クラブフィッターと呼ばれる専門家がヘッドとシャフトを組み合わせたり、細やかな調整を行っています。

 

 

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左からフィッターのエヴァン氏、平野先生、COOの武藤氏。

 

 

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引き出しの中に眠るヘッド。「ドライバーだけで1時間かけてフィッティングします。99%の方から、良い報告をいただくことができますね」(武藤氏)

 

 

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おびただしい数のシャフトが並ぶ。「華やか!」(記者)「フィッティングするときは、デザインよりも結果がでることを重視しますけど(笑)」(武藤氏)

 

 

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こちらは、パター用のフィッティングブース。「パターは正しい打ち方を知らない方が多いため、よりレッスンの性格が強いフィッティングになります」(武藤氏)

 

 

100切り前日

――さて、本題に入ります。まずは、ラウンド前日の理想的な過ごし方を教えてください。 

ふだんの生活パターンを保つことをおすすめします。もちろん、寝不足や二日酔いの状態ではパフォーマンスが下がりますが、だからと言って、いつもほどよい晩酌する人が前日だけお酒を抜いたりしても、「飲まなかったんだからがんばろう!」というような気負いができてしまって、上手くいかないものです。マインド的な縛りができてしまうというか……。ジャンボ尾崎さんにしても、ぼくが見てきたトッププレイヤーは、みなさん普段と変わらない前日を過ごしていました。

 

 

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平野先生のアドレス。「先生って、イタリア人みたいですね」「偽ジローラモってよくいわれます」

 

 

100切り当日・午前

――おすすめの朝ごはんを教えてください。100を切るための勝負ごはんってありますか? 

メニューも大事ですが、食べ過ぎないことです。血液が胃に集まってしまうと、思考能力が下がると言われています。少なめに食べて、お昼ごはんまでに何回か補充するかたちが好ましいです。

 

――朝の練習時、やっておくことを教えてください。 

まずパターの練習をしましょう。次にアプローチフィールドがあれば、アプローチを。その次がショットです。ショートアイアンからはじめて、1通り5球ずつ打ちましょう。このときスイングを直そうとはせず、①今日の調子を見る、②今日はどっちの方向に飛びやすいなど傾向を見る、ということを心がけます。そして最後にドライバーを打って、そのままスタートする……これはぼく自身のベストな流れでもあります。

全体で1時間くらいでしょうか。練習終了後、時間を空けずにスタートできるよう逆算して行います。

 

――朝一番のティショットのとき、緊張しない方法を教えてください。 

緊張しない人はいません。だけど、緊張したときに自分がどういうミスをするのか、知っておくことは有効です。やりがちなミスを知っておくためにも、経験を積みましょう。

 

――バンカーや池が見えると、わざとのように入れてしまいます。なぜですか? 

苦手意識が強いと、「バンカー」や「池」というワードが頭に浮かんで、そればっかり考えてしまいます。「赤い」という言葉を使ってはいけないと言われたら、そのことばかりを考えてしまうのとおなじです。ターゲットであるグリーンやフェアウェイのことだけ考えていたら、大丈夫!

ただ、たしかにアマチュアにとって、バンカーや池を方向で避けることは難しい。どうしても不安な場合は、絶対に届かないクラブで打つというのもひとつの方法です。

 

――失敗のあとの一打が絶対に成功する方法を教えてください。 

絶対に?(笑)

 

――今日は100がかかっているので! 

クラブを変えてみてはどうでしょうか。100前後の人は、おなじミスを繰り返したり、おなじミスを嫌って極端に違う方向に打ってしまったりすることが考えられます。普段よく練習をしていて、自信を持って打てるクラブがあれば、思い切ってそれに変えましょう。

 

――ドライバーで打っていた距離のあるティショットもアイアンに変えて打つ、という意味ですか? 

はい。失敗するよりは、前に進むほうがいいですよね。

 

 

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「絶対、ですか。困ったな」と、苦笑する平野先生。

 

 

――上手な人、偉い人とまわると打ち急いでしまいます……。 

“準備”が重要ですね。効率よく回る方法を知って、次の準備を行うことです。じぶんがドライバーを打つ順番が回ってくるまえにグローブをし、ティーとボールを持っておく。いつも何本か持って走る。飛んだ方向に目印を見つけて、ボールを見失わないようにする……こういったことを心がけてプレーすると、ほんの少しずつですが時間の短縮になり、打つときに余裕ができます。

 

――プレッシャーのかかるホールなど、ピンチのときに心がけることを教えてください。 

狙いをピンポイントに絞ることが効きます。「フェアウェイセンターで、奥に木がある、その木の根元のほう」というようにどんどん狭くしていきます。

 

――えっ。かえって難しくなりませんか? 

狙いがぼやけていると、ターゲットに向けてまっすぐ構えられていなかったり、せっかくのルーティン(練習とおなじ行動をとること)もあいまいになってしまっていたりすることが多いんです。

また、狙いを絞っていくことは集中力を高めます。ぼくはいつも声にだして行っています。「ボールと旗を結んで、その真ん中くらいにぶつぶつ……」と、声にだして言いながら構えます。すると、じぶんのつぶやきに気がいくので、狙いが狭くても気負わずに済みます。

 

――素振りの効果的な行いかたを教えてください。 

今日の調子を見ながら変えてください。ダフッているときはインパクトの瞬間(ボールに当たる瞬間)を気にしすぎている場合が多いので、フィニッシュまでしっかり振ることを心がけましょう。反対にトップしている人だったら、クラブがきちんと落ちてないことが考えられます。芝をばん、ばんっと打つようにしてみましょう。……ホントは芝によくないですけどね。

 

――アプローチでいったりきたり……どうすれば適度な距離が打てますか? 

アドレスを確認しましょう。ボールの位置、体重配分は正しいですか?

また、打ち損なって行き過ぎちゃったのか、振り過ぎて行き過ぎちゃったのか……どちらであったのかを、確実にフィードバックしましょう。クラブフェイスのリーディングエッジに当たった場合、つまり撃ち損なった場合は、振り幅に関係なく飛んでしまいます。それを「振り幅が大きすぎた」と勘違いし、次は小さめに振ってショートしてしまうのです。

これをふせぐためには、インストラクターや上級者に見てもらうことがひとつ。それからピッチングや9番などフェイス面が立っていて、しっかり当てられるクラブを使うことですね。目の前に障害物さえなければ、サンドウェッジやアプローチウェッジより、ピッチングと9番です。

きちんと当たらなければ、距離のことには集中できません。ふだんからピッチングや9番をよく練習して、当たるようにしておきましょう。

 

――パットでいったりきたり……以下同文。 

3パット以上打ってしまうと、100を切るのは厳しくなってきます。日頃の練習でじぶんのワンパット圏を広げるしかないですね。

パターって、みなさん練習しないんですよね……。ラウンドレッスンをすると、パターが苦手な方がとても多い。ラウンドしたときは必ず、ホールごとに打ったパターの数を記録するようにしましょう。じぶんの弱点がパターだと分かれば、もっと練習する気持ちになるのではないでしょうか。

 

――ありがとうございました。【後編】では、午後ラウンドやラウンド終了後のメンテナンスについてお話しいただきます。また、平野先生が力を入れていらっしゃるジュニア育成の現場にも潜入しますので、どうかお楽しみに。 

 

 

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「また来週♪」

 

 

【後編】の更新は812日(月)午前0時になります。

 

 

取材協力

クールクラブス南青山店  http://coolclubs.co.jp/

池袋ナイススポーツ http://www.nice-sports.co.jp/

 

※ 平野義裕先生のレッスンをご希望の方は、下記までお問い合わせください♪

クールクラブス南青山店 TEL 03-6418-7030  http://coolclubs.co.jp/

池袋ナイススポーツ TEL 03-3986-2233 http://www.nice-sports.co.jp/

平野義裕(直アドレス) rano.3e0514@docomo.ne.jp


2013年7月29日 00:00

『プロからプロへ、レッスンリレー』とは?

優れたコーチの元を訪れ、教えを乞い、そして次のコーチを紹介していただきながら数珠繋ぎに続けていく企画。テーマは“メンタル”と“日頃の行い”です。

 

“ラウンドデビュー請負人”こと上原雅則先生へのインタビュー、いよいよ【後編】です。

第1回と少しだけ趣向を変え、人生初めてのラウンドという設定にてゴルフライフに関するアドバイスいただいています。

初心者の方は必見。上級者の方もご自身の初ラウンドを思い起こして、初心に返ってみませんか?

現在、シニアツアー参戦中の上原先生が実際に使っているクラブも登場しますよ!

 

 

 

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上原雅則 Masanori Uehara

1963年4月5日/山梨県生まれ、東京育ち。

高校入学前に初ラウンドを体験し、3年生の全国高校選手権で好成績を残す。その後、専修大学ゴルフ部、川崎国際カントリー倶楽部(現在の川崎国際生田緑地ゴルフ場)研修生と進む。28歳のときにプロ転向。

今年50歳を迎え、シニアツアー選考会を勝ち抜き、現在ツアー参戦中である。

父親はプロゴルファーの上原節郎。親子2代で日本プロゴルフ協会会員名簿に名を連ねる。

 

 

●初ラウンド真っ最中

――素振りの効果的な行いかたを教えてください。 

これは、その人の特性によってアドバイスしたいことが違うんだけどな……。

たとえばですが、「ドライバーの素振りを、ヘッドカバーを付けた状態で行う」ということが効果的な場合もあります。カバーを付けたままだとクラブは通常より重たく、長くなります。そうすると小手先で振れなくなり、スイングが大きくなるので。

 

――ヘッドカバーって、そんなに重いものじゃないような…… 

振ると、すごく重たく感じるんだよ。今度やってみなさい。

 

 

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上原プロのスイング、撮らせていただきました!

 

 

――アプローチでグリーンを行ったり来たりする場合、どうすればちょうど良い距離が打てますか? 

エッジまで打ってください。旗は狙わないということです。エッジまでと思って打てば、まずグリーンの向こう側までは行きません。上手くいったときはまずまずのところで止まるし、下手をすれば(?)もっとカップに近づいてラッキーということになります。

アプローチは、「スコアメイキングショット」と呼ばれているくらい大切です。アプローチが合うようになればスコアは格段によくなるので、これは早めに乗り越えたい課題です。

 

――パットでカップを行ったり来たり……以下同文。 

次から10メートルのパットを練習しましょう。ぼくは初心者の場合、2メートルとか3メートルより、10メートルの距離感をつかんでおくほうが役に立つと思っています。だって、2~3メートルところになんてなかなか落ちないもん(笑)。初めのうちは10メートルくらいのところに落ちる確率が高いです。

そもそもパットは「入れよう」とせず、「寄せよう」とするべき。10メートルを寄せて3メートルになる、3メートルを寄せて1メートルになる――そうやって詰めていけば、3打で入るわけです。行ったり来たりするよりはスコアが良くなります。

 

 

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昨年、改装したばかりのメグロゴルフクラブ。とってもきれいなパター練習場。

 

 

――午前のラウンドが終了しました。ここまでのスコアがぼろぼろの場合、どのように気持ちを切り替えたらよいですか? 

そこで落ち込むなんて、そもそも自分に期待しすぎです(笑)。だって、どれだけの練習をしてきましたか? 忙しい仕事の合間を縫ってなら、週に1~2回の練習が精一杯だったはずです。毎日練習しているプロだって、終わったことは仕方がないと切り替えてやっています。

気持ちを切り替えましょう。気分転換になるのは少量お酒、それからウェアなどを着替えることです。昼休みでなくても、たとえばグリーン上でパットが上手くいかないときなど、グローブを外して打ってみるといいでしょう。

 

――午後も体力を保つ方法を教えてください。 

カートは、前に進めてから乗りましょう。バンカーレーキを持って、バンカーに入りましょう。グリーンが近くなったら、ピッチングとパターとサンドの3本を持っていく! サンドは、グリーン周りのバンカーに入ったときのためです。まぁ、お守りだと思ってください。

こうやって移動距離を縮めていくと、ちりも積もって体力温存になります。

 

――初ラウンド終了! 記念にしておくべきこととか、仲間に対して気配りすることはありますか?

クラブハウスの前で集合写真を撮っておきましょう。ぼくは1年後や数年後に、またおなじコースを訪れることを推奨しています。じぶんの成長がわかると思うから。そのときのためにも、写真やスコアカードはあったほうがいいですね。なるべく記録と記憶を残しておくことで、「あのときできなかったことが今回はできる」と気づくことができる。それはゴルフを続けていくうえで大きな励みになります。

 

 

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上原先生のレッスン光景。快く撮影に応じてくださった生徒のみなさま、ありがとうございました!

 

 

●初ラウンドを振り返って…

――プレー後、絶対やるべき体へのメンテナンスは? 

翌日が仕事の人は、とくに筋肉痛がおこらないようにしないといけません。そのためにはストレッチをやりましょう。

ぼくは毎日、ウチに帰ってからかなり丁寧に行います。家族のいる人は、家族に背中などを押してもらうと、より良いですね。こないだ息子に「おい、押してくれ」って頼んだら、足で押されちゃったけどさ……。人に押してもらうと効きが違いますよ。

 

――筋肉痛も辛いけど、ゴルフシューズって痛いですよね。どうしてあんなに硬いんですか? 

それは靴が悪いなあ。今の靴はすごく柔らかいです。MIZUNOの「GENEM」は23センチとか、26センチとか通常のサイズのほかに、足の横幅のサイズも指定できます。これまで横幅に合わせてワンサイズ大きな靴を履いていた人はストレスが減って楽になるので、お店で試してみてください。

メーカーはそれだけ考えてくれているので、新しいものに悪いものはないと思ってもいいんじゃないでしょうか。ときどきはスポーツ用品店に足を運び、可能な限りその場で試してみましょう。

力の弱い女性におすすめするのは、背中がクロスバンドになっているタイプのアンダーウェアです。MIZUNOからも「バイオギア」というシリーズがでていますが、ウェアの下に筋肉を1枚着込むイメージかな。スイングがよく回るようになります。紫外線も防いでくれるし、優秀です。

 

――あれって、なんだか暑そうで…… 

直射日光が当たらないぶん、着ているほうが涼しいよ。今の時代、着て暑くなるような商品じゃ売れないって……。

日焼けは疲れるものです。とくに首には日差しを当てないほうがいい。ポロシャツの襟を立てるのもひとつの工夫です。テレビ中継でプロが襟を立てて回っているのは、べつに格好つけているわけではありません。

 

――今日のゴルフを振り返って、やっておくことはありますか? 

学生時代、定期的にまたは不定期に模擬試験を受けましたよね。上手くなりたいなら、ラウンドに行くたびに、模擬試験を受けたと考えるのがいいでしょう。

つまりドライバー、アイアン、アプローチ、パッドなどの教科に分けて自己採点をするのです。ミスしたところを知っておかないと、またおなじ問題が出題されても解けません。

ゴルフの場合はあくまでも“自己評価”でいいので、必ず今日のプレーに点数をつけましょう。

この点数をきちんとつけられるようになると、「次はここを重点的に教えてほしい」とコーチにリクエストしたり、練習にも役立つようになります。

 

 

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じゃーん。先生が試合で使用しているクラブセットです。

 

 

●ゴルフライフ全般に対するアドバイス

――あまり上手にならず、もう自分はスコアアップしないかもと思ったときは、どうすればよいですか? 

それは……ゴルフを辞めるときです。

でも、その前に練習の内容を見直してみましょう。スコアが頭打ちになっている人は、おなじ練習を続けている人が多いですが、人は自分の好きな練習ばかりしてしまうものです。意識して、好きな練習より、しなければいけない練習をしてみましょう。

 

――歳を取り、飛距離・スコアが落ちてきた場合は? 

スコアアップでなく、レベルアップを図ってください。じぶんのレベルを高めるんです。ぼくも飛ばなくなりましたが、スコアは若いときと変わりません。飛ばなくなったぶんをどこで補うか、やれることは山ほどあります。

 

――ちなみにゴルフって何歳までできるのでしょうか。 

今ぼくが教えている中で、最高齢は91歳のおじいちゃんです。その方は毎週土曜日、ラウンドにも行かれています。カラダに対する意識はすごく高くて、良いと評判のマッサージに通ったりもしているみたいですね。

楽しくゴルフできることが大事だと何度もいいましたが、怪我しちゃったらつまらないし、ストレッチは絶対に欠かさないなど、みなさんも意識を高く持ってくださいね。

 

 

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1、3、5ウッドとアイアン3~9。PW、52、58。ヘッドはすべてミズノ製で、シャフトはさまざま。総じて重い。

 

 

●上原スクール、人気の秘密

――さっき生徒さんの会話が聞こえてしまったんですけど、“上原会”っていうのは……

“上原雅則とゴルフに行く会”かな? 生徒さんたちのコンペです。みんなの力をよくわかっているから、ぼくがハンデを付けます。あしたもバスを貸し切って行くんだ。もちろん、ぼくもプレーします。

 

――あの……ああいった若くておきれいなOLさんたちが、上原先生のレッスンを選んで通うのはなぜですか? 

上手くなるからです。生徒さんそれぞれの異なる理由もあるだろうけど、それはぼくにはわかりません。ぼくが言えるのは、彼女たちがここで100を切るくらいまでは上手くなっていくということです。女性は、ほんとうに教わるのが好きだよね。

 

 

――以上で質問終了です。遠征の合間を縫って、インタビューや撮影に応じてくださった上原プロ。気さくな方で楽しいひとときでしたが、ゴルフに対する姿勢はとてもストイックなものでした。ご指導ありがとうございました!

 

 

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上原先生、今回のラストはストレッチでお願いします!「なんだよ、それ。格好わるくないか?(笑)」


 

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また記者もやらされました。(撮影/上原先生)

 

 

次回、『プロからプロへ、レッスンリレー 第3回』は、上原先生のご紹介で、またまたスペシャルな方のものを訪れる予定です。どうかお楽しみに♪

 

 

 

取材協力:メグロゴルフクラブ

http://www.golf.fuji-group.jp/

 

※上原雅則先生のレッスンに関しては、下記にお問い合わせください。メグロゴルフクラブと宿河原ゴルフセンター(神奈川県川崎市)で行っています。

【上原プロゴルフスクール/ミズノゴルフスクール】

TEL 0120-084-562

http://www.mizuno.co.jp/golfschool/


2013年7月24日 18:50

『プロからプロへ、レッスンリレー』とは?

優れたコーチの元を訪れ、教えを乞い、そして次のコーチを紹介していただきながら数珠繋ぎに続けていく企画。テーマは“メンタル”と“日頃の行い”です。


前回の講師・青木信次先生から「目黒にスゴイ先生がいる」との情報を得て、お邪魔しました【メグロゴルフクラブ】。

目黒川のほとりにある、打ちっぱなし練習場です。


こちらでレッスンをされている上原雅則先生は、地域のOLさんたちのあいだで有名な“ラウンドデビュー請負人”。

――というわけで、前回と少しだけ趣向を変え、“初めてのラウンド”という設定でゴルフライフに関するアドバイスをいただいてみようと思います。

「初ラウンドなんて4半世紀前だよ……」という方もいらっしゃると思いますが、ご自身の初ラウンドを思い起こしながら、どうかお楽しみください。

 

 

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上原雅則 Masanori Uehara

1963年4月5日/山梨県生まれ、東京育ち。

高校入学前に初ラウンドを体験し、3年生の全国高校選手権で好成績を残す。その後、専修大学ゴルフ部、川崎国際カントリー倶楽部(現在の川崎国際生田緑地ゴルフ場)研修生と進む。28歳のときにプロ転向。

今年50歳を迎え、シニアツアー選考会を勝ち抜き、現在ツアー参戦中である。

父親はプロゴルファーの上原節郎。親子2代で日本プロゴルフ協会会員名簿に名を連ねる。

 

 

●ラウンドデビューに向けて

――ゴルフを始めたいと思いました。まず、どうすればいいですか?

どこのスクールでも「無料体験レッスン」というものをやっています。そういったものを利用して、先生を見つけましょう。

体験レッスンは「お見合い」みたいなものです。直感の場ってこと。とくに初めてクラブに触れる人は、そのコーチが教え上手かどうかを見極めようと思うと難しいので、フィーリングが合うかどうかで判断するしかありません。楽しかったか、それとも楽しくなかったか。「絶対にイケメンのコーチがいい!」という人はそれもひとつの判断基準でしょう。

教える側のぼくとしても、体験レッスンをお見合いのように思ってのぞんでいます。だから、その人が生徒にならなかったときは、ひとりで反省会ですよ(笑)。「あのときのあれを、もっとほかの方法で説明すれば良かったのかなあ」……なんてね。

 

――スクールや先生に教わらず、ラウンドデビューまで持っていく方法もありますか? 

むしろ、近年の流れはこっちだと思うんだけど、「ゴルフ場行っちゃえばなんとかなるよ、とりあえず行っちゃえ」というノリでデビューする人が増えています。ぼくはそれもOKだと思う。みんなで楽しくゴルフできればいいんだから。

ただし1つだけお願いがあって、行く前にゴルフのマナーについての本を一冊読んでほしいと思います。ゴルフ場では8~9分ごとにカートが出発します。1組が遅いと、うしろ全部が渋滞するんです……。たとえそのホールを終わらせることができなくても、時間が来たら次のホールへ移動するなど、そういった気遣いができるだけの知識を頭に入れてから行きましょう。

 

――デビュー前に教わらないのが主流とは……、驚きです。 

でもね、ゴルフは難しいスポーツだから。何度かラウンドを経験したあとに、「やっぱりちゃんと教わろう」ってレッスンに来るケースも多いです。あんな恥はもうかきたくないっていうのと、ゴルフがおもしろくなったっていうのと、理由には2パターンあるかな。この時期(7月中旬)になると、そういう人がたくさんやって来ます。

 

――いよいよデビューの日が近づいてきました。直近、または前日の理想的な過ごし方を教えてください。 

コースの予習をすることをおすすめします。女性に多いのが、当日の朝になって「今日なんていうコースに行くの? それってナニ県?」といっているタイプです。ヨーロッパなんかに旅行するときは熱心にガイド本を読む女性たちが、どうしてゴルフだとこうなのかなあ(笑)。

今は、どこのゴルフ場もコースの概要をホームページで見ることができます。前もって目を通し、コースを知っておきましょう。行きの車の中で「今日のゴルフ場って×番が名物ホールらしいよ」という会話ができると、実際そのホールにまわったときに「これが名物ホールか!」と盛り上がって楽しいですよ。

コースの予習は、プロゴルファーがやることと本質的におなじです。ぼくらも試合のときは、前日から現地に入って試合のコースをまわってみます。だから、絶対に意義のあることです。

 

 

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ンタビューは深夜に行われました。まるで川に向かって打つようなつくりの練習場。神秘的……

 

 

●初ラウンド当日

――朝の練習時、やっておくことを教えてください。 

まず、アミノ酸を摂取しましょう。筋肉に乳酸が溜まりにくくなり、翌日の筋肉痛が緩和されます。

それから、ストレッチです。第1回の青木先生のいうことは、まったくもって正しい。球を打つより、ストレッチをしましょう。人間の体はゴムみたいなもので、硬くなっているととにかくダメなんです。伸び縮みせず、プチンと切れるゴムなんて嫌でしょう? 肉離れするってことだからね。

ただし、球数は打たないといっても、パットの練習はしておきましょう。これも青木先生がすごくいいことをいってくれていますが、コースによって芝の“速さ”は違います。スタート前に経験しておきましょう。

 

――プロゴルファーがストレッチを重視することはわかりました。でも、スポーツを本格的にやったことがなければ、ストレッチっていまいちどうしていいのか……。 

ゴルフの場合は手首のストレッチが重要です。手を前に出し、手のひらを上に向け、反対の手でその指を下方向へ下げる……(※一緒にやらされる記者)。違う。だめ。今、どこが伸びてるか、自分自身でわかってないよね? どこが伸びているかを感じながら10秒止める、それがストレッチです。

ぼくのスクールでは最初の数分、みんなでストレッチをやります。ゴルフクラブを使ったりして、楽しくね。打ちっぱなし練習場でのストレッチは上半身を中心に行いますが、コースでは走ったり坂を下ったりする動作にも備えないといけないので、下半身のストレッチも行いましょう。


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教えていただいた手首のストレッチを再現してみました。(撮影/GALAPA事業部長)

 

 

――朝一番のティーショットのとき、緊張しない方法を教えてください。 

朝はギャラリーが多かったりするけど、決していいところを見せようとしないこと。普段とおなじ程度のことができれば上々です。

 

――バンカーや池が見えると、わざとのように入れてしまいます。なぜですか? 

失敗のイメージを作ってしまっているからです。これを克服するには、練習という裏づけが必要です。ゴルフが上手くなってくると、「普段の練習の中で失敗してないから、失敗するわけない」と思えることが増えてきます。「あんな右に打つわけがない」というふうに思えたら、その失敗のイメージは消えるでしょう。

 

――失敗のあとの一打が成功する方法を教えてください。 

打ち直しの場合は、ティーアップする位置を変えましょう。ティーを挿す位置が、3~4メートル変われば景色が変わります。失敗した景色を睨みつけて、今度は上手くやってやろうとリベンジを試みるまじめな人は多いですが、こういうちょっとした知恵でスコアが上がるのなら、取り入れましょうよ。

 

――上手な人、偉い人とまわると打ち急いでしまいます。仕方のないことですか? 

わかっていただきたいのは、偉い人や上手な人だからって、迷惑をかけてないわけではないということです。上手な人でもミスショットをしたときに舌打ちをしたりして、雰囲気を悪くする人はいます。

だから卑屈になる必要はありません。大事なのは、見栄を張らないことです。プレー前にきちんと「初ラウンドなのでご迷惑をおかけすると思いますが、頑張りますのでよろしくお願いします」とご挨拶しましょう。そして言葉どおり頑張っていれば、誰も責めたりしません。クラブを何本も持って必死で走っている姿を見ていれば、みんな次第に応援したくなる、そういうものです。

 

――プレッシャーのかかるホールなど、ピンチのときに心がけることを教えてください。 

空を見るんだ。

 

――え? 

ゴルフは基本的に下を向いて行うスポーツです。ずっと足元にあるボールを打って進めていくし、移動中も傾斜がきつくて地面から目を離せないでしょう? せっかく自然の中にいるのに、今日一度も空を見上げていないということもありうる。

だからさ、ピンチのときこそ胸を張って、空を見るんだ。空の広さにくらべたら、今感じているプレッシャーのなんて、なんてことはない。

一応、科学的な根拠も話しておきましょう。空を見上げると、肩甲骨が開きます。新鮮な空気も入ってくるし、なにより次、胸を張った状態のまま構えることができます。ピンチのときは大概、構えが萎縮してしまっているものなので、ぜひ試してみてください。

 

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「空を見るんだ」と、上原先生。シニアツアー出場は伊達じゃない。

 

 

――ありがとうございました。ここで、上原先生の手元に、なぜか契約される「MIZUNO」のカタログが……。「宣伝になっちゃうけど、いいのがあるんだよ」とのこと。

【後編】は、ゴルフ用品の進化についてなどもお話しいただきたいと思います。靴が痛い人は必見です! 

 

 【後編】の更新は729日(月)になります。

 

 

取材協力:メグロゴルフクラブ

http://www.golf.fuji-group.jp/

 

※上原雅則先生のレッスンに関しては、下記にお問い合わせください。メグロゴルフクラブと宿河原ゴルフセンター(神奈川県川崎市)で行っています。

【上原プロゴルフスクール/ミズノゴルフスクール】

TEL 0120-084-562

http://www.mizuno.co.jp/golfschool/


2013年7月 8日 11:29

優れたコーチの元を訪れ、教えを乞い、そして次のコーチを紹介していただきながら数珠繋ぎに続けていく新企画『プロからプロへ、レッスンリレー』。

テーマは“メンタル”と“日頃の行い”。第1回の講師は、ツアープロでありながら指導者としても定評のある、青木信次先生です。

 

【前編】ではラウンド前日の過ごし方や当日朝のこと、そして前半ラウンドの注意点について、青木先生に教えていただきました。【後編】は昼食時間と後半ラウンドについて、さらにゴルフライフ全般について突っ込んで訊いてみましょう。

 

 

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青木信次 Shinji Aoki

1977年12月5日/東京都生まれ。10歳のとき、父親の影響でゴルフを始める。

 

拓殖大学ゴルフ部出身。卒業後、日高カントリークラブの研修生を経て、2004年にプロ転向。チャレンジツアーなどの出場を経験。5年前より、インストラクターも行っている。

 

JGTOメンバー、JGRA会員。公私共の師匠はディネッシュ・チャンド。

 

●クラブハウスで昼食 AM12:00PM1:00

――ゴルフ場のお昼の過ごし方を教えてください。お酒を飲んでもOK? 先生の勝利メニューは?

好きに過ごして、ほどほどに飲んでいいと思います。勝利メニューか……。どこに行ってもカレーライスはあるから、人によってはカレーライスだったりするのかな。ぼくが本気でプレーするプロの試合は、スルー(昼休憩なし)で行われます。だから、ゴルフ場のレストランで勝利メニューというものを考えたことがなくて、ピンとこないというのもあります。

なんにしてもゴルフのいいところは、F1や競馬と違って、体重を神経質に考えなくてもいいことです。

 

――午前中のスコアがぼろぼろの場合、どのように気持ちを切り替えたらよいですか?

悪いことは“10秒ルール”でいきましょう。「10歩、歩いたら忘れる」「10秒経ったら忘れる」ようにしてください。

普段と違う過ごし方をしてみるのも良いと思いますよ。お酒を入れてみるとかね。

 

 

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先生に構えの見本をお願いしました。「撮るんだったらグローブしてもいい?」

 

●後半ラウンド PM1:004:00

――午後も体力を保つ方法を教えてください。

栄養補給、水分補給が大切です。よく言われることですが、疲れたと思ったら血糖値が下がっているので、甘いものを食べてください。ぼくもキャディバックの中にチョコレートやゼリータイプの甘い栄養補助食品をしのばせていて、ラウンド中に食べています。

 

――先日ゴルフ場で、女の子に凍ったゼリーをもらっていましたね?

余計なこと訊かなくていいよ(笑)。あれはあの子のお母さんからの差し入れだそうです。でも、確かに、コースで凍らせてあるものがあると助かります。

 

――午後だからこそ、気をつけることがあれば、教えてください。

午後は集中力の低下に気をつけましょう。人間の集中力は2時間しか持たないと言われているにもかかわらず、18ホールを回るには4~6時間かかります。だから、集中が持続する環境を作ることが必要になってきます。

ゴルフは9割が移動で、打つのは1割というスポーツです。9割のあいだは仲間と話したりもしながらリラックスをし、1割のときにパリッと集中する。抜くときはぬいて、入れるときは入れる! メリハリをつけましょう。

 

 

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後ろからの構えもおさえてみました。

 

 

●プレー終了後 PM4:00

――プレー後、絶対やるべき体へのメンテナンスは?

ゴルフ場のお風呂に入ってください。お風呂でのストレッチ、お風呂上りのストレッチがおすすめです。

 

――スコアの良い日と、悪い日があります。気持ちの上で、いちばんの違いはどこだったのでしょうか?

これは一概には言えず、本人じゃないとわからない面もあります。次回のラウンドのあと、ここまでの項目を1つひとつ振り返ってみていただければ幸いです。

 

――今日のゴルフを振り返ってやっておくことはありますか?

ぼく個人は大学生まで、気づいたことをメモに取っていました。卒業してゴルフが仕事になってからは、毎日のことだから取りきれなくなってしまったけど……。

今はパソコンやスマホでもっと手軽に管理できるので、練習やラウンドの間隔が空くアマチュアの方こそ、メモを取っておいて、機会があるたび見返してみるといいのかもしれません。

 

 

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閑話休題……。

 

 

●ゴルフライフ全般に対するアドバイス

――フィードバックの練習は、行ったほうがよいのでしょうか? 「行うべきだ」という説と、「行わないほうがよろしい」という説があるようですが。

行うべきだと思います。ただし、次のラウンドにつなげることを目的として行いましょう。

まずフードバックは、悪いことがあったその場所ではやらないほうがいい。可能であれば場所を変えましょう。そして、要は“反省会”なので、その日のうちにすましてスッキリしてしまうのがベストです。

 

――「これ以上はスコアアップしないかも」と思ったときは、どうすればよいですか?

ゴルフに終わりはありません。もう伸びないと決めつけるのは自由ですが、伸びないことはありません。

レッスンに通っている人の場合は、先生や内容、環境を変えてみましょう。レッスンに通っていない人の場合もおなじで、なにか取り組み方を変えてみましょう。

 

――歳を取り、飛距離・スコアが落ちてきた場合は、どうすればよいですか? またどう考えればいいですか?

歳を取ったから、飛ばなくなったりスコアが落ちたりしているわけではないんですよ。ゴルフの場合、筋肉が落ちることと飛距離が落ちることは比例しません。

問題は歳とともに関節がかたくなっていくことなので、ストレッチを行って稼動域を広げれば、歳なんて関係ないと考えましょう。

また、これは補足ですが、筋肉が衰えないためには、普段の生活にウォーキングやランニングを取り入れることがおすすめです。ゴルフの練習を増やすよりも、運動量を増やしましょう。

 

――怪我をしないために、気をつけることを教えてください。

プレー前、プレー後のケアに限ります。ストレッチ、マッサージ、食事、左右のバランスが違うことをしない……と、体に対するケアに気を配りましょう。お相撲さんの体なんて、じつはすごくやわらかいんだよ。

先日、中日のキャッチャーの谷繁さんが、王さんに次ぐプロ野球史上単独2位の出場回数記録を打ち立てたけど、やっぱり試合ごとのケアがものを言ったと感じました。キャッチャーという怪我をしやすいポジションでありながら、素晴らしい記録だと思います。

 

――解説書をよく読む人の場合、本によって書いてあることが異なり、情報過多になってしまうそうです。その場合、どうすればよいでしょうか?

勉強の参考書と一緒です。自分に合うか合わないかどうかで著者の人数を絞りましょう。3人の本を読んだらそのうちの1人に絞る、10人の本を読んだらそのうちの3人に絞る。

たとえ言っていることが異なっても、みんな、悪いことは書いてないんです。自分に合うものを信じたら、それでよいと思います。

 

――人に教わるのが苦手な人の場合、どのようにゴルフを研究することがおすすめですか?

自分で研究するだけでも、上手くなることは可能だと思います。解説書を読んで、いいなと感じたアドバイスを実践してみる。でもそのあとに、インストラクターでなくてもいいから、自分より上手な仲間に一度、見てもらったほうがいいかもしれませんね。

 

 

――以上で質問終了です。トップバッターにもかかわらず、すべての質問にご自身の言葉で答えてくださり、青木先生がどれほどゴルフのことを考えて過ごしてこられたかが、ずしりと重く響きました。ご指導ありがとうございました。

 

 

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青木先生、ラストショット! プロゴルファーとしてのご活躍も楽しみにしております。

 

 

次回、『プロからプロへ、レッスンリレー 第2回』は、青木先生のご紹介で、またまたスペシャルな方のもとを訪れる予定です。どうかお楽しみに♪

 

 

 

取材協力:渋谷deゴルフ

http://tokyo-indoor-golf.com/index.html

0120-978-319

※青木先生のレッスン曜日は、水・木・日です。女性も歓迎。お電話で確認のうえ、ご予約ください。


2013年7月 5日 18:28

優れたコーチの元を訪れ、教えを乞い、そして次のコーチを紹介していただきながら数珠繋ぎに続けていく新企画『プロからプロへ、レッスンリレー』。

テーマは“メンタル”と“日頃の行い”。

いつまでも健康で、ゴルフをずっと楽しみたいISLAND GOLF CLUB GALAPAのメンバーにとって大切なことを集めました。

 

第1回は、ツアープロでありながら指導者としても定評のある、青木信次先生に学びます。

ラウンド前日の過ごし方から、当日、さらにはプレーが終わったあと気にかけるべき点まで、時間軸に添ってアドバイスをしていただきました。

 

 

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青木信次 Shinji Aoki

1977年12月5日/東京都生まれ。10歳のとき、父親の影響でゴルフを始める。

拓殖大学ゴルフ部出身。卒業後、日高カントリークラブの研修生を経て、2004年にプロ転向。チャレンジツアーなどの出場を経験。5年前より、インストラクターも行っている。

JGTOメンバー、JGRA会員。公私共の師匠はディネッシュ・チャンド。

 

 

●ラウンド前日 PM6:009:00

――ラウンド前日の最も理想的な過ごし方を教えてください。

「昼間お仕事をしている」「すでに退職されて時間がある」など、様々な生活があると思いますが、夜早めに寝ることは基本です。とくに夏前は、睡眠不足が熱射病につながりやすい。普段の疲れを少しでも体から取ってあげるべきところなので、深酒など不摂生なことは、当たり前ですが避けましょう。

また、もし前日に練習場に行くことが可能であれば、ぼくは行くことをおすすめします。ストレッチを交えながら球数を抑えた調整を行ってください。ドライバーよりアプローチを中心にし、50~100球が理想です。

 

――予想される明日の天気・気温への備えを教えてください。

たとえば、すごく寒くなるとわかった時点で、もういつもとおなじパフォーマンスはできないことを受け入れるべきです。最高気温が10℃以下のときなんて、体が動き辛くなるとわかっていても、風を通さない素材のウィンドブレーカーなんかを着込むしかない。だから冬のゴルフは回転を意識したスイングが必要なんだけど、そういう練習とセットで“備え”が完成するということかな。

暑い時期も工夫が必要です。芝の上の気温は、照り返しのせいで3~4℃高いことを知っていますか? 本来ゴルフでは、首にタオルを巻くことはマナー違反だけど、今は凍らして使うスカーフのような商品はたくさん出ているし、それらはなんとなくOKということになっています。帽子の中に仕込むタイプもあるみたいですよ。

 

 

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青木先生のレッスン光景。「整体師ですか!?」っていうくらい、ゴリゴリとスイングを直す。

 

 

●ラウンド当日 AM6:008:00(スタート前) 

――朝食はなにを食べるといいですか? 先生がなにを食べるかも教えてください。

消化のいいものが好ましいです。ぼく個人は、ゴルフの朝はバナナを食べます。じつはプレー中も食べています。バナナによる栄養補給には即効性がある……と言いつつ、ほんとうは効いているかどうか定かじゃないんだけど、ずっとそう思ってきたから食べるだけで安心するんだよね。ポジティブな思い込みは大事です。

あと、ゴルフ場のレストランには「朝食セット」というものもあるので、時間に余裕のある人は利用してみてもいいのではと思います。一般的に、洋食セットと和食セットがあります。

 

――体力がなくスタート前の練習だけでも疲れてしまうのですが、どの程度行うことが適切ですか?

偉いね、ちゃんと朝の練習するんだ。実際のところ、アマチュアゴルファーの場合、スタート前の練習をする人・しない人の割合は半々くらいだと思うよ。

スタート前に練習する派へのアドバイスとしては、この段階で技術的な練習を行って上手くなろうとするとかえって混乱するので、「今日は体が起きやすい」などチェックに集中してほしいと思います。20~30球が目安です。アイアンを中心にして、ドライバーは最後の2、3球でいいくらい。

練習しない派へのアドバイスもあります。「朝、練習場に行く人は偉いなあ……」と横目で眺めながらもパターだけはやっておきましょう。

さて。ここから重要なことを言います。練習する派・しない派、どちらの場合も普段の練習とおなじ効果が見込めるのは“ストレッチ”です。ストレッチをして体の稼動域を大きくしておくのとおかないのでは、パフォーマンスに歴然とした差がでます。

ストレッチと普通の準備体操の違いは、体を伸ばした状態で一定時間止めることだと思ってください。

繰り返しますが、当日の朝は球を打つ練習より、ストレッチのほうがはるかに効きます。25歳を境に、年齢を重ねるほど、これは絶対の事実になっていきます。

 

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取材に飽きて(?)打ち始めた青木先生。やっぱりプロのスイングはかっこいい。

 

 

●前半ラウンド AM9:0012:00

――朝一番のティショットのとき、緊張しない方法を教えてください。

“ルーティン”を利用しましょう。みなさん、日々の練習は緊張していない良い状態で行っていますよね? 日々の練習でも、本番のつもりで1打1打大事に打ってみる時間があると思いますが、そのときに深呼吸なら深呼吸を毎回必ず入れるようにして、この“ルーティン”をそのまま本番に持ち込みます。

スポーツでは「練習は本番のように、本番は練習のように」といいますが、ルーティンは練習と本番をつないで緊張を和らげる役目をしてくれます。

 

――バンカーや池が見えると、わざとのように入れてしまいます。なぜですか?

暗示をかけてしまっているからです。嫌だと思えば思うほど、筋肉が緊張で硬くなってミスをしていることが考えられます。カップいっぱいに入ったコーヒーを運ぶときだって、こぼさないように慎重になったとたん、こぼれるでしょう? 物事は自分のリズムに反するとだめだよね。

しっかりと、フェアウェイ上・グリーン上に自分のターゲットを決めて、そこに打つことだけに集中することがいちばんです。

人はみんな、自分の技術やレベルに合ったバンカーや池や障害物が気になるものです。ぼくも、ぼくが入れてしまいそうな距離のそれらが気になる。まぁ、つまり、目の前の池は上達すれば気にならなくなる程度のモノだとも言える。嫌だ嫌だと思わないことが重要なわけなので、そのくらい舐めてかかってもいいかもしれません。

 

――上手な人、偉い人とまわると打ち急いでしまうのですが……。

おすすめは、最初に相手に伝えてしまうことです。「私は下手なので、今日一日ご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします」と。こちらのレベルがわからなければ、相手の方にもっとたいへんな思いをさせるかもしれません。素直に伝えて、少しでも肩の荷を降ろしましょう。

だけどこれはゴルフに限らず、人生が他人との関わりでできている以上、すべてのことでありうる悩みですよね。プロゴルファー以外にも、良い答えを持っている人がいるかもしれない……。

 

――プレッシャーのかかるホールなど、ピンチのときに心がけることを教えてください。

簡単です。ピンチを楽しんでください。この種の緊張は、日常生活にはないものです。ゴルフをやってなければ味わえないものなので、しっかり楽しんでください。ドMになりきって、「嬉しい!」と悦びを噛み締めてみましょう。

 

――ラウンド中の素振りの効果的な行いかたを教えてください。

素振りは1回までにしてください。ゴルフというスポーツは、1打につき40秒しか計算されてなくて、それまでに打たないとルール上も遅延プレーとなります。丁寧な人なら、打つ前の素振り1回と、本番のスイング1回で40秒いっぱいになってしまうのではないでしょうか。

プロゴルファーで、試合中に素振りを行う人は半々かな。ぼくはしません。あえてラウンド中の良い素振りがどんなものであるか語るとすれば、“リズムのある素振り”だと思います。

 

――今日はアプローチで行ったり来たりしたり、パットで行ったり来たりしているとします。その場合、どうすれば適度な距離が打てるようになりますか?

この2つを並べて訊いてくるところに、誤解がありますね(笑)。グリーンを行ったり来たりすることと、カップを行ったり来たりすることはまったく別問題なので、分けてお答えします。

アプローチのグリーンは大きいので、行ったり来たりする時点でそれは距離感ではなく、打ち方です。つまり、この連載のテーマである“メンタル”や“日頃の行い”は関係なくて、トップ(ボールの頭をたたく)をしないなど、技術的な問題になります。

対して、パターは距離感をつかむ必要があります。ただし、コースにでてしまってはもう手遅れで、朝の練習時につかんでおかなくてはいけないことでした。だからさっき、朝の練習をしない派の人も、パターだけはやっておきましょうといったんですよ。ゴルフ場によってグリーンの速さは異なります。平らなところで2メートル、3メートルのパットを入れる練習をしておく。それを基準に本番では、「ここは5メートルの下りだから、平らの2~3メートルと一緒」というような計算をするわけです。前もって距離感のベースを作っておきましょう。

 

――ありがとうございます。前日~前半ラウンドに関しての質問は、これで終了です。【後編】は、後半ラウンドのアドバイスと、さらに突っ込んでゴルフライフ全般について教えていただきます。青木先生、【後編】もよろしくお願いします!

 

 

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生徒役のモデルは記者でした。

 

 

※【後編】の更新は7月8日(月)になります。

 

 

 

取材協力:渋谷deゴルフ

http://tokyo-indoor-golf.com/index.html

0120-978-319

※青木先生のレッスン曜日は、水・木・日です。女性も歓迎。お電話で確認のうえ、ご予約ください。


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