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2012年11月 5日 09:23

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株式会社資生堂 国内化粧品事業プロモーショナルブランドユニットブランドマネージャ 下村敦氏

 

前回、ECサイトのファン拡大の背景には、顧客ニーズに応える「スピード感」がキーポイントとなって浮かび上がってきた。

今年1月にコンセプトを一新させた「マキアージュ」。その新商品「トゥルールージュ」で累計200万個、「トゥルーアイシャドー」でも発売3ヶ月で45万個の大ヒット。今年2月に発売したスキンケア化粧品の「エリクシール シュペリエル デーケアレボリューション」「エリクシール ホワイト デーケアレボリューション」の2商品も、販売総数126万個を記録する大ヒット商品となっている。

今回は、大ヒットの立役者・下村氏に、「マキアージュ」「エリクシール」がなぜ売れたのかに迫る。

 

時短トレンドを満たし

「別人現象」に抗う販売戦略

 ―ヒット商品というものは、まさに「密接な顧客とのかかわり」が成せる業だと思いますが、販売から8ヶ月で126万個という大ヒット商品となった、デーケアレボリューションの誕生秘話をお教えください。

 

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 「エリクシール デーケアレボリューション」

 最近の化粧におけるライフスタイルの変化を見ると、朝の化粧では使用アイテムをなるべく減らし、1分でも早く終らせたいという「時短メーク」が定着してきています。

そんな中、当社が2011年に全国の30代~40代の女性がいる男性会社員を対象にアンケート調査を行ったところ、女性の夕方における「見た目年齢」が平均4.4歳も老けて見えてしまう「別人現象」が起こっていることがわかりました。

この解決に向けて、スキンケア効果の高い乳液であること、かつ、UVカット効果があること、さらに「時短」に応える化粧下地効果を持つことの3つを実現させるべく商品開発に取り組みました。そして、1200回におよぶ処方改良の末、水ベースで粉末が凝集しない世界初となる技術を編み出し、UVカット効果や化粧下地効果が高いのに粉っぽくならない使用感が実現できました。それがデーケアレボリューションです。販売個数も126万個を超え、お客様のお役に立てたのではないかと思います。

 

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表情美によるコミュニケーション効果を提唱

キャッチコピーに他者目線

 

―人気ブランドであるマキアージュの販売戦略をお伺いさせてください。

 

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「マキアージュトゥルーアイシャドー」

 

 

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「マキアージュ トゥルールージュ」

 

「マキアージュ」というブランドは、どんなときも自分らしくありたい、と願う女性に向け「My Precious(私の大切なもの)」というコンセプトの下、2005年に誕生しました。

しかし、震災以降、身近な人との「絆」や「普遍性」を求める傾向を受けて、「個の美」の追求から、その人ならではの表情美を引き出し、周りの人達と活き活きと「つながっていく」ことを追求することへコンセプトを見直すこととしました。

それが、2012年1月からマキアージュの新コンセプトとしている「Our Precious(私たちの大切なもの)」です。

当然のことながら、普段、私たちが洋服を選ぶ際、状況や場面で違ってくるものだと思います。例えば、友達と買い物に出かける場合と結婚式に出席する場合とでは服装は違ってきます。これと同様にメークのあり方も違います。

つまり美しさとは、個の認識ではなく、相手があってこそのものであり、メーキャップは人と人とをつなぐ役割を担っているのです。この表情美でコミュニケーションすることを私たちは、「ビューティーランゲージ」という言葉で表しています。

そのビューティーランゲージを掲げ、今年の春以降のプロモーションでは、他人とのつながりを意識したプロモーション活動を展開しています。

例えば、「マキアージュトゥルーアイシャドー」のプロモーションでも、「また、会いたくなる美しいまなざし。」という他者目線を意識したコピーを用いました。

 

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商品そのものも高い評価をいただき、結果として、「トゥルーアイシャドー」は、販売から3ヶ月で45万個を達成することができました。そして、「トゥルールージュ」でも、10ヶ月で200万個と、「マキアージュ」のスティック型口紅で過去最高の売上げを記録する結果となり、お客様の気持ちをきちんと捉えられたのだと安心しました。

 

―お話の節々に「構想力」を垣間見た気分です。お忙しいところ、お時間を割いていただきありがとうございました。