今週のIMAGINAS分析会議では以下の事例が発表された。

「『ハリー・ポッター』シリーズの著者J・K・ローリングが別名義で執筆していた著作が、本人が正体を発表するや否やAmazonのランキング1位に」

この事例を受けて谷口は以下のようにコメント。

「みんな品物を買っているわけじゃなくて楽しい話題を買っているんだ」

事例は一見したところでは物の価値が解らない消費者の軽薄さを暴くような記事であるが、消費者が実際の価値ではなくてそれに付随する話題を購入しているのだとすればこの現象に眉をひそめる必要は無いだろう。

楽しい話題とは、要するに一般消費者の興味のコンセンサスだと言えるだろう。

皆さんはよく株価の決まり方を説明するときに用いられる以下のたとえ話をご存知だろうか？

ロンドンで「新聞紙上美人コンテスト」が開催された。新聞読者が美人だと思う人に投票をする。加えてここからが肝心なのだが、これは賭け事にもなっていて、紙面に掲載された美女のうち、ナンバーワンに輝いた美女を当てた読者に賞金が送られたという。

この賭け事の場合、重要なのは自分が誰を美人かと思うかではなく「他の皆が誰を美人だと思うか」だ。

楽しい話題もそれと同じだ、自分が楽しいと思うかどうかもさることながら、他人が楽しいと思うかどうかを予測する慧眼を養うことがマーケティングにとって重要である事を再確認したい。