私はこれまで情報の「収集家」でした。
知らない作家の展示があればふらりと立寄り、
tora4やリニューアルしたミッドタウンなどの話題のスポットにはいち早く足を運び、
デザイン情報サイトなどをくまなくチェックする…
一見情報感度が高いようですが、しかしいくらたくさん見ても、
情報は蓄積され、場合によってはただ抜けていくばかりで、ただのフォロワーです。
「自分は何も知らない、なんて未熟なんだ」という焦りを、
情報収集という誰にでもできる単純な行動によって埋めようとしていたのかも知れません。
そんな折、IMAGINASの分析会議に参加しました。
以前、谷口社長が私の学校で講演をしてくださった時、
何かを説明する度に直近の具体例がすぐに出てくる様子を見て、
本当の知恵とはこういうことを言うのだと感じました。
日常に転がる情報を収集するだけでなく、「編集」までを2時間で行うこの会議は、
行き詰まっていた私にとってまさに目から鱗の体験です。
毎週こうした会議を社員の方たち皆がやることがどれだけプラスに働いているかを
目の当たりにした一日でした。
自分の現状を反省し、改めて周りを見ると、
私の尊敬する方々はみな「編集者」です。
ここで言う「編集者」とは、情報収集自体を目的化せずに、
それらを「編集」し「咀嚼」する習慣を持っている人のことです。
情報をただ集めるのではなく、個々の事象に意味を見出し、
さらに点在する情報をまとめるためのキーワードを見つけるプロ。
バラバラと思える情報を体系的に編集することで、頭の中が整理され、
世の中の流れが見えているのでしょう。
編集にはいろいろなやり方があり、
IMAGINASのように新聞や雑誌から大量の情報を持ち寄って再構築したり、
町中での気づきで世の中の流れを掴んだり、など様々です。
自分に合った方法を見つけることができれば、
編集を習慣として日常に取り入れられるようになると思います。
悩んでいる時期に良いタイミングでIMAGINASの分析会議に
参加させていただけたことにとても感謝しています。
素敵な機会をいただき大変ありがとうございました。
2013年7月3日
桑沢デザイン研究所 出口 美月