「芸能人はTwitterやブログには炎上を気にするあまり好きなことが書けず、その分ラジオでその鬱憤を発散し、逆にラジオ番組のほうが辛らつな内容になっている。それをネットが追いかけるという現象が起こっている」
「マイクロソフトが11月に出したXboxOneに搭載されているシステムには、センサーでプレイヤーのジェスチャーや暴言を認識し、それに対し罰則を科すソフトが出てきている」
上は『日経エンタテインメント!』2月号から、下は『NewsWeek』1月14日号から報告された事例だ。
谷口は前者に「激辛トーク番組」、後者に「ペナルティーの入り口」というキーワードを提示した。
「インターネットやゲームのような本来自由であった場所が逆に窮屈になってラジオで発散しているというのは逆転現象だな」
とコメント。
日本のインターネット黎明期に於いてはインターネット上の様々なサイトは過激で危険な魅力があった。
一般に浸透していくごとに過激さがなくなるのはインターネットに限らずメディアの宿命なのかもしれない。
過激さや危険さが抑制され、その結果「やらせ」で氾濫するようになってしまったテレビもしかり、インターネットやゲームなども普及しきってアンダーグラウンドなものではなく、メインカルチャーとしての道を歩み始めたということだろうか。
インターネットやゲームはサブカルチャーやアンダーグラウンド、言わば主流から少し外れた文化圏のものだったが、それ故にメインカルチャーに対抗する「カウンターカルチャー」としての力を得た。
それらがメインカルチャーの域になってしまった今、新たなカウンターカルチャーはどのような方向から生まれるのか。想像してみるのも楽しい。