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2014年4月21日 09:30

“2014年、時代を切る”

このテーマではじまったIMAGINASフォトコンテスト。

多くの方からご応募をいただきました。厚く御礼申し上げます。

 

 

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オープニングフォト 撮影/谷口正和

 


総評 審査プロデューサー 谷口正和

オープニングで公開した写真には、現代美術の“リ・プレゼンテーション”という手法を使用した。すでに作品としてあるものを写真に切り取ることで、さらなる評論を浮き上がらせたということだ。現代社会は誰も彼もが変装する「変装社会」である。我々は社会に参画するために、第二、第三の皮膚を着て歩いている。その観念の提示を行ってみた。

 

応募者の作品からは、今回、総じて「社会不安」というものが感じられた。撮影者が自身や社会の不安の正体を、写真に撮ることで直感しようとしたためだろう。孤立していく人々、先の見えないエネルギー問題……。先ごろ、新聞のアンケートでは8割が「戦争が起こりそうな気配がする」と答えていた。

だがこれは、「今、判断を間違えてはならない」という気持ちの表れでもある。不安はいつまでも続かない。やがて世の中の空気はポジティブに転換していくだろうし、個人からそう変えていくべきである。

社会不安を個人的に写し撮っていく風潮が連鎖しているけれども、このことによって社会の課題が浮かび上がり、その解決に対してまた次の感性というものが生まれていくのを予感している。第1回IMAGINASフォトコンテストは、不安の風に乗ってやってくる次なる感性の予感を受信しているのだ。

 

 

それでは、特別優秀賞および優秀賞を受賞した作品を、ご本人のコメントとともにご紹介いたします。

※カッコ内は撮影日、撮影場所など。

 

 

特別優秀賞


 

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『鉄塔と丘の少女』 加藤ゆ美

少女が今にも飛び出してしまいそうなところ。「今の時代の女の子の写真の収め方」=「携帯の写真」ということで、携帯で切り取りました。

(2014年2月27日 学校の近くの丘の上)

 

谷口正和のコメント

 心理学的に興味深い作品で、女子高生の叫びが感じられる。写真を斜めにはしる地面は彼女の不安を表し、頭上の送電線は原子力発電所、エネルギー問題を想起させる。切実なメッセージがあるという点に対し、特別優秀賞を進呈する。

 

 

続きまして、以下、優秀賞作品となります。

 


 

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『現代コミュニケーション』 あらざと

所属している川越高校写真部の撮影旅行で横浜に行ったときに撮った1枚です。 休憩中に2人がスマフォを取り出して黙々と画面に向かっていた瞬間を狙ってみました。

現代社会において、急速に普及しつつあるスマートフォン。その便利さゆえに、大人だけでなく学生でも使用している人は多い。
だがしかし、私は思うのです。スマートフォンでの画面越しの会話に熱中し、目の前にいる友人と会話を交わさないことが、果たして本当のコミュニケーションなのだろうか、と。

(2014年2月23日 横浜)

 


 

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『スケッチング123』 りんりん

日常が、いかにドラマの舞台とストーリーを秘めるか。

 


 

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『冬の沈黙』 斎藤耕一

夏は海水浴で賑わう富津海岸に、何故かトーチカが残っている。戦争の記憶を忘れないようする為か? 夏、お盆にお墓参りに毎年訪れる富津に2013年初冬、トーチカを撮影に行った。誰もいない海岸の朝、海を見守るようにトーチカが残っていた。遠くでは、防風高波の警戒警報が流れていた。

撮影した日は、風が強く曇っていた。横浜からアクアラインで富津に、朝ついた。日は既に登りきっていたが、どんより曇っていた。撮影は3時間程かけた。色々な角度から撮りたかったからだ。撮影の間、海岸を散歩する人が1人だけ通った以外、人影はなかった。アクアラインが封鎖にならないことを祈って、トーチカを後にして帰ろうと歩き始めた時の写真である。

(2013年11月10日 千葉県富津市 富津海岸)

 


 

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『変化の時代』 ハワイ太郎

太陽の逆行がレンズのフレアによりとても美しくなった瞬間。さまざまな変化対応が必要とされる2014年の時代を反映した1枚。ケセラセラ。

 


 

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『幸福の風景』 ハワイ太郎

震災の次の日途方にくれ自宅に着いたとき、ふと空を見上げると幸福の象徴のハトの姿が! 時代の変化の訪れを前に生きる活力をもらった。

シャッターを押す瞬間は無心だった。

 


 

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『自然との共生。直島にてモネに出会う』なおしまなおこ

直島の地中海美術館を出たところで出会った繊細な花々。何気ない自然の風景が、モネを想起させた。

 


 

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『Mirror』 Pino

水面が鏡の様に反射している反面、水の綺麗さで下も透けているこの空間が“リアルな世界”なのか“創造された世界”なのか、見分けがつかない感じが、今のクリエイティブのハイクオリティーな世界観とつながる。

瞬間を取り逃さないため、常に行動をともにしているiPhoneで、すぐ写真を撮ることを心がけている。

(2013年10月)

 

 

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『Straight』 Pino

迷いがないまっすぐな空の道に羽ばたいていくトリが希望に満ちている。

(2013年9月)

 


 

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『時を超えて詣でる』 うさこ

伊勢神宮内宮にて。この参道を歩いているうちに感謝の想いで涙が溢れた。

 

 

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『刻印』 つよし

日テレのドキュメンタリーを見ていると、大島渚監督の「忘れられた皇軍」が放映されていた。傷痍軍人たちの姿をアップで撮影するというこだわりが暴力的に感じた反面、ジャーナリストとしての大島渚監督の凄みのある姿に感銘を受け、墓前に手を合わせに行った。写真はそのときに撮影したもの。

大島渚監督の墓石に刻み込まれた座右の銘、ハンセン病と闘った明石海人の詩「深海に生きる魚族のように自ら燃えなければ何処にも光は無い」は 情報社会の今、原発問題、環境問題、ジェンダーの問題など何事にも自らが行動に移さなければ、すぐに風化してしまうという今の時代を言い当てている気がした。

(鎌倉 建長寺 回春院、RICOH GXRで撮影)

 

 

 

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『おひとりさま社会』 光一

浅草を自転車で回っている際、信号待ちをしていると偶然目の前に現われたので、とっさにシャッターを切った。

自転車に乗って中高年が「誰か私と結婚してくれませんか」と触れ込む姿に、おひとりさま社会となった今を感じた。

(浅草の路上、RICOH GXRで撮影)

 


 

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『水から生まれる』 ひで

小水力発電の現場を撮った。これまでもそうだったように、水の恵みに救われる時代が来た。小屋の外の滝のような流れは「余水路」といって、発電をしないとき管に水を流さないで溢れる水を流す水路なのだ。

(広島県北広島発電所)

 


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たくさんのご応募、本当にありがとうございました!

IMAGINASフォトコンテストの受賞作品は、受賞者の了解を随時得ながら、IMAGINASフォトコンテスト事務局が使用します。イマジナス本誌への掲載もございます。

使用時、作品にはイマジナスと受賞者のクレジットが入ります(例:c山田太郎/IMAGINASフォトコンテスト)。みなさまの感性豊かな写真が、より多くの人々の目に触れることを願っています。

また、受賞者ご自身が受賞作品を使用することも自由です。こちらも使用時は事務局に連絡のうえ、同様のクレジットを入れてください。

 

 

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●次回、IMAGINASフォトコンテストは秋ごろ開催予定です。