IMAGINAS編集会議では、日経ビジネス4月21日号から以下の事例が発表された。
「インターネット通販最大手のアマゾンジャパンが酒類直販を開始。価格競争の激しい分野への参入に、ライバルは警戒を強める。
大手スーパーや酒類チェーンでは1本当たり200円前後となり、アマゾンのほうが安い。
しかし、事業者が自ら損失を出すような低い価格であえて商売をし、他の事業者の営業を困難にしていれば不当廉売と呼ばれる不正行為に当たり、独占禁止法を違反している可能性がある。今回、「販売価格に利益は乗せているのか」という問いにアマゾンは「答えられない」と回答」
谷口は以下のようにコメント。
「ディスカウントマーケティング。アマゾンは最初は自社の儲けは無視してでも顧客を掴もうとする。後で値上げしてその分の損失を回収していくわけだ」
ソーシャル・マーケティングという考え方は、企業が単なるサブプログラム的な取り組みでボランティアや寄付をするということではなく、企業理念と社会的幸福を重ねていくというところにポイントがある。
顧客・企業・社会、それぞれがいわゆるWin-Winの関係になれることがその理想である。
アマゾンの場合はどうだろうか。
まず競合企業は真っ先に負けである。
日本社会には税金が支払われないという点でこれも負け。
消費者も、アマゾン以外の選択肢が無くなったときの事まで考えれば負け。
ついでに言えば、佐川急便が過重労働を理由にアマゾンとの取引を去年中止したことから、提携企業も負けらしい。
消費者はアマゾンによって希少な商品や絶版になっている書籍を容易に入手できるようになった。また、小規模な商店もアマゾンの流通に乗ることは容易であるため、多くの事業者にチャンスを与えた。
おそらくこれからもアマゾンが他者よりも安い価格で商品を提供すれば消費はそちらに流れていく。この流れは止められない。しかしその中でも地域マーケットとの共存するマーケティングが出現することを願う。