今週のIMAGINAS分析会議では以下の事例が日経新聞から報告された。
「フリマアプリ「メルカリ」は累計ダウンロード数400万を超え、年間取扱高は120億円。個人間で売買ができる。累計ダウンロード数170万のフリマアプリ「フリル」も個人間取引は年間70億円強に上る。ネットの世界では商業統計に表れない消費も膨らんでいる」
谷口は以下のようにコメント。
「脱商業統計経済。規制緩和はアベノミクスの骨子の1つだったが、政府が主導するまでも無く民間でそのシステムが作られているようだね」
既存の経済から抜け出すものといえばビットコインが思い出される。
しかし事例で報告されているケースは何もあそこまで複雑なシステムではなく、単にフリーマーケットがネットでなされているということだ。
個人間同士の売買、いわゆるCtoCが活発になっている。
日本で最大規模のフリーマーケットと言えば、戦後の闇市だろう。
あれが建前上禁じられていたのは、結局はお上が税金を徴収できないからだ。
ではアプリ上でなされるフリーマーケットは闇市に似ているかと言うと、アプリを提供している会社を通じてお上が税金を徴収できるという点においては似ていない。
寧ろ、近いのは織田信長が京都市内で行っていた、お上の許可を貰えばフリーマーケットを行ってもよいという楽市楽座に近い。
既得権益化していた当時の問屋などの豪商などを排除した、いわば規制緩和である。
楽天は、かの楽市楽座に近い自由な商業空間を目指して自社名に楽天という名前を付けたらしいが、楽天が徴収する出展料が中小企業にはかなりの出費であることを考えると、寧ろ楽天の立ち居地は楽市楽座によって排除された豪商に近い。
このような図式で眺めてみると、楽天と言う名前はとても皮肉なもののようにすら思えてくる。
FacebookなどのSNSをはじめ、最近は個人間でいかにシェアされあうかがネットビジネスの大きな糸口である。大手ニュースサイトなどでも、Googleからの検索やお気に入り登録などでやってくるファンよりもSNSからの流入のほうが多いのだという。あまりにも早いネット市場の変化。ついていける企業はあるのだろうか。