今週のIMAGINAS分析会議では、9/1日の日経産業新聞から以下の事例が報告された。
「無料電話・チャットアプリのLINEを悪用したLINE乗っ取り詐欺が増えている。
攻撃者が個人のアカウントに不正ログインして知人に成りすまし、近くのコンビニでプリペイドカードを購入するのを手伝って欲しいと持ちかけ、カードの番号を送ってもらうことで詐取する。
ネット上では、様々な“撃退法”が投稿されている。例えばある投稿では
「4万円は母の手術代だけど……」などと投稿すると、「そこまでしなくてもいい」と引き下がったなどとしている」
「撃退法の公開。LINEを用いた詐欺もさることながら、その撃退方法を公開して面白がるというのも今らしいな」
LINE乗っ取りの手口自体は、(おそらくは)パスワードを総当りして解析するというあまりスマートではない方法で、しかもやっていることは「オレオレ詐欺」とさほど変わらない。
むしろ電子マネーをわざわざ購入させ、番号を聞き出す手間、まどろっこしいことをしても手に入るのはたかだか数万円ということから、詐欺としては非常に効率が悪いように思う。
しかし、その撃退方法に関してはまるで「大切り」のように様々な体験談がネットを通じて拡散している。
最初に広まった撃退方法でもっとも有名なのは、詐欺グループがおそらく中国人グループであるという推測に基づき、中国ではデリケートな言葉である
「天安門事件」
というメッセージを送る、というもの。
しかし、そもそもLINEのIDは乗っ取られてから数時間後には乗っ取られた本人がLINE株式会社に連絡をしてアカウントを削除する。
つまり放っておいてもLINE詐欺は撃退できてしまうのだ。
LINE詐欺で電子マネーを詐取しようとする詐欺グループに対し、中国公安当局の監視を逆手に取り撃退……こう書くと凄まじい情報戦が行われているように見える。
しかし、使っているツールが最先端である分、さほど大したことをしている訳ではない両者は共に滑稽だ。