今週のIMAGINAS分析会議では以下の事例がNewsweekのコラムから報告されました。
「冨山和彦氏(経営共創基盤CEO)が、文部科学省の有識者会議で示した「我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る高等教育機関の今後の方向性」という資料が、大きな反響を呼んでいる。これが衝撃を与えたのは、大学をG型(グローバル)とL型(ローカル)にわけ、大部分をL型大学に分類したからだろう」
「L型大学はシェイクスピアや経営戦略論を教えるのではなく、簿記や会計を教える職業訓練校になるべきだ――というのが冨山氏の主張である」
「L型かG型かという2択だけで見るからいけない。その中間で無ければならない」
と谷口はコメント。
L型大学ではローカル型サービス産業に特化した教育が行われ、大学というよりは職業訓練所と言ったほうがいいかもしれません。
いわゆるアイビーリーグと総称される米エリート大学郡や欧州の大学から排出された人材は、理系文系問わずで間違いなくシェークスピアを始め文学を読んでいるそうですが、彼らとの交流をするための取っ掛かりの教養はおそらくL型大学の学生には不要なのでしょう。
例えそのために日本人は教養がないとレッテルを貼られることになったとしても、たいした問題ではないようです。
なるほど、確かに経営戦略論という大局的なことを教えられた人材は10年後にようやく現場の戦力足りえるかもしれないのに対し、
簿記や会計などの実学を教えられた人間はいわゆる「即戦力」になるのでしょう。
ところで、戦後に即戦力として高度経済成長を支えた技術労働者たちは旋盤加工や板金塗装など、「即戦力」になるべく技術を多く持っていましたが、
機械化が進んだ今、その技術は高度経済成長期ほどの需要があるのでしょうか。
また、「今ある仕事の半分は10年後には消える」ということをよく聞きますが、
今ある仕事に対する職業訓練を受けたL型大学で育った学生は10年後にどういうお仕事についているのでしょうか。
L型大学の発案者である冨山和彦氏は、もちろんこれに対する素晴らしい答えをお持ちのことと思いますので、今後の氏の発言を楽しみにしたいところです。