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2015年5月 1日 13:00

今週のIMAGINAS分析会議では美術手帖5月号から以下の事例が報告されました。

 

「梅沢和木はネットワークと無限のデータベースによって支えられたインターネットの風景を平面化した作風で知られている。

東日本大震災後、その平面には現実の被災地の風景が進入し始める。

なぜなら、震災などの巨大な災害は現実を破壊することによってネット空間を支える物理層やネットにアクセスする人々に大きな影響を与えてしまうから。

その意味で、震災後の梅沢は楽観的なネット万能論が過ぎ去った「ポスト・インターネット」の風景を描いている」

 

谷口は以下のようにコメント

 

「ポスト楽観・万能論。何でもかんでも解決できるようなシステムは幻想だということだな」

 

3.11以降にいくつかの神話が崩れたとよく言われていますが、

その中で、崩れたことをもっとも身近に感じるのは

「大企業神話」です。

 

東電といえばインフラ系会社の王様で、

就職活動中の大学生にとって内定を勝ち得たら大金星だったものです。

 

しかし、今はましになったとは言え、3.11以降東電の社員の方々は世間から非常に厳しい目線を向けられ、

東電の社員であることを隠さなければいけない人も多くいたとか。

 

「あの東電に入っても一寸先は闇なんだ」

 

と、あの時期に就職活動をしていた2012年卒業生の多くが肌で感じました。

原発の安全神話崩壊に象徴されるように、

今まで安全だと信じていたものが、実はそこまで磐石なものではなかったということを知ってしまった世代であると言えます。

 

事例で上げたようなアートシーンの動きだけではなく、音楽や文芸などの表現活動、働き方、起業に至るまで、ポスト3.11世代は多かれ少なかれ震災の影響が見られます。

3.11はまだ続いているということでしょうか。