今週のIMAGINASはAERA6月22日号から以下の記事が発表されました。
「常設展示のほか、様々な企画展示をおこなってきた、三鷹の森ジブリ美術館。その新しい企画展示「幽霊塔へようこそ展-通俗文化の王道-」は館主の宮崎駿みずからが展示を通して幽霊塔のガイドをするという贅沢な内容。
江戸川乱歩の『幽霊塔』の世界に影響を受けた宮崎駿。美術館の中央ホールに入ると、天井一杯の高さの時計台が作られている。小説『幽霊塔』に登場する時計台を宮崎駿がデザインしたもの。
なお、乱歩は黒岩涙香の『幽霊塔』を読み、それを翻案していた。さらに、涙香はイギリスの作家A.M.ウィリアムスンの『灰色の女』を翻案したもので、同じ「時計台」「洋館」「迷路」「美女」というモチーフを使いながら作家たちがそれぞれの作品世界を展開していったわけだ。」
「作家たちの系譜。今をときめくアーティストにも必ず更に古い源流がある。そこをたどっていくのが面白い」
と谷口はコメント。
マーケティングやトレンドなどは表層的な変化だけを捉えるだけではなく、
大局的な視座も必要です。
とりわけ、流行がめまぐるしく変わる昨今だからこそ、今日に至るまでの系譜をはっきりと掴んでいたいものですね。
事例では宮崎駿、黒岩涙香、ウィリアムスンという系譜が紹介されていますが、それ以外のアイドルや音楽、芸術家やデザイナーなど、どんなジャンルの表現活動であっても、今流行っているものの源流を辿っていく作業はとても面白いエンターテインメントです。
『ロックの系譜』『戦後アイドル史』『デザインの物語』などの文化の歴史を辿る本がよく出版されるのもそれを示しています。自分が歴史の中でどのような立ち居地に居るのかを知ることにより、描ける展望も違ってくるのではないでしょうか。