今週のIMAGINAS分析会議では以下の記事が美術手帖7月号から報告されました。
「オラファー・エリアソンは日光や照明、自然現象を再構築した作品を発表する。
「私は基本的に、自然を再構築できると思っていません。自然はそれ自体文化現象」
例えば、遺伝子を組みかえられた野菜や穀物は自然といえるのか。もはや自然は自然といえず、自然と文化と経済は複雑に作用しあっている。
『反転したあなたの自然破壊』はカーネギー美術館の外階段に設けられた人工池。冬のため水面はほぼ凍るが、美術館内にもともとある空調の温熱が水底に仕込まれた噴霧装置へと送り込まれ、池の一箇所から水蒸気が噴出す。
環境破壊と環境保全、その両者を一体化させている。
水蒸気は雲を形成し、紫外線から地表を守るが、一方でそのエネルギーが電気を使った空調である以上温暖化に寄与している」
「自然と文明の融合。人間も自然の一部であり、その間の区分けをしないという考えがあるのか」
と谷口はコメント。
21世紀の優良企業として、環境に配慮した企業であることが必須条件であるといわれています。
それも、得た利益の一部を環境団体に寄付をするというような形ではなく、
例えばリサイクル事業などで企業の利益と自然環境の保護が一体になるような企業活動がより望ましい。
エリアソンの作品には、一般的には自然破壊的なものであるとされるような火力発電が実は環境を守る要素もあったという皮肉が含まれています。
工業排水を海に流して作った製品を売って得たお金を、砂漠の緑化プロジェクトに寄付しているような企業もその皮肉の対象に含まれている。
人間の活動と自然環境の調和をいかに図るのか。それを考えるための生命に対する包括的な視座が必要ですね。