生活者は解放区を求めています。情報社会の申し子であるSNS などの登場によって、自らの可能性を高め個々の自己顕示欲への願望が社会化されました。現代社会における自身が持ちえていないものへの欲求は、都市生活への憧憬から反転し、里山・里海に感じる情景へとベクトルが変化しています。自在に旅人のように働くことが可能となった今、自由を取り戻した生活者たちが新しい風景を求めて歩き出しました。その心の移り変わりは、人間らしさから来る原点回帰ともいえるでしょう。コミュニティにおける自縄自縛から解放された先にある新しい自分。そこには、クリエイティビティを想起させる未開の宝島となって私たちの眼前に現れてきました。さらにグローバル化の進行が、その欲求に拍車をかけ、生活者を再発見の旅へと誘っています。自由の宝島という可能性を仕掛けていく上で、ソーシャルツーリズムという概念を念頭においた社会インパクトを稼動させていきましょう。今こそ、五感で感じられない見えない糸で縛られている鎖を解き放ち、人として生きる哲学を搭載した風景を描いていきましょう。