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2016年4月22日 11:32

今週のIAMGINAS分析会議では美術手帖5月号から以下の事例が報告されました。

 

「1980年代に東京藝大で日本画を専攻したある作家によると、学生時代に大学で若冲は教わらなかったという。若冲を含めた現代の日本美術ブームの起爆剤として2000年10月に京都国立博物館で開催された「特別展覧会没後200年 若沖」展があげられるように、若冲への熱狂は僅かここ十数年のことである。

若沖没後から村上隆の『奇想の系譜』に至るまでの170年間で参照可能な若沖関連の主要展覧会図録は僅か3つ。

21世紀を迎えてからの若冲の認知度の急激な向上は、「若冲の居ない日本美術史」から「若冲のいる日本美術史」への書き換えを進めた。絵画だけではなく、70万枚弱を売り上げた02年リリースの宇多田ヒカルシングル「SAKURAドロップス」のMVが若沖「鳥獣花木図屏風」にインスパイアされて作られたのは、若冲が多方面に展開した特長的事例。

こうした変化は、若冲を取り巻く形容詞の変化に見ることができる「奇想」の画家として知られていた若沖だったが、研究と展覧会によって作品の幅広さが知られ、03年の「ハピネス:アートにみる幸福への鍵」07年「日本美術氏が笑う」14年「Kawaii 日本美術」など、前向きさやゆるさを感じさせる形容詞が若沖に用いられるようになってきた。これから訪れるのは、若冲がスタンダードになった時代の美術である」」

 

谷口は「奇想画家、若沖。確かにちょっと前までは若沖なんて誰も知らなかった」とコメント。

 

昨今、浮世絵の人気を二分しているのは若沖と国芳であるといわれています。

現在渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」が、東京都美術館で「生誕300年記念 若冲展」が開催されていることからもこの2人の人気ぶりがよく分かります。

 

共通点としては人気を呼んだのがここ最近であるということもそうですが、正道から外れた画家であると見なされていたということでしょうか。

若冲は「奇想」の画家ですし、国芳もドクロをモチーフとして取り上げるなどトリッキーな画風が目立つ画家でした。

 

奇抜なものほど受け入れられやすい時代背景もあるのでしょうか。

今後若冲がスタンダードとなった美術界で、日本のアートはどのような変貌を遂げるのでしょう。