IMAGINAS（イマジナス）

2016年9月 5日 19:11

家庭留学■

他人の家庭は大きな学びの場です。生活の最も基本的な場を担う家庭。生活者それぞれが特徴を持っているのと同じように、それぞれの家庭は全く別個の文化とバックグラウンドを備えています。時として国外に行くのと同程度の異文化が広がっていることも考えられます。単身世帯、核家族、高齢者世帯や、共働き世帯など、それぞれが抱えている問題は家庭の数だけ考えられ、それをリアルフィールドワークというコンセプトでどのように探査し、体感するかによって現実に即した知恵のアイデアトレーニングの現場とすることができます。行動によって新たな課題が発見されれば、家庭留学はビジネスにおける修学旅行ということになります。家庭のみならず、あらゆるリアルな「現場」を知るべしというメッセージがこのキーワードには込められています。ロジカルな数字データは大切ですが、膨大な数字が教えてくれないものも1 回現場に訪れるだけで一瞬にして理解できるということがあります。ことが起こっている場所に自ら赴き、顧客や生活者の声を聴くことを忘れないようにしたい。

実体験の繰り返しが五感を刺激し、学習を促進させます。学びの本質は、個人の関心事や他者との共感などの経験から自己納得から拾い上げていくものです。その先にすべての自己表現が存在しています。そのため、自己納得の感度そのものが本人の感性となり、個性という姿となって強く映し出されていくのです。つまり、セルフ・スクリーニングの精度をあげることは教育の根幹ともいえるでしょう。一方、眼前に迫るAI 社会の到来は、膨大なデータ集積によって構築されていくことでしょう。それは「想定内」の社会であり、クリエイティブな「想定外」の事態を排除する社会ともいえます。元来、価値観とは人が持つ感性に寄り添うことで得られる総合化させた存在であるものです。理論上に構築された無機質なものの先に未来があるわけではありません。未来は有機的な主観によって構築されていくものです。人間が作る未来は、本質ともいえる人の思想哲学によって創られていきます。これからの社会を構想した時、あなた自身の感性を信じて常に選別の精度をあげていることを心がけていきたい。