今週のIMAGINAS分析会議では以下の事例が週刊ダイヤモンドから報告されました。
「10月8日、「企業とLGBTがともに、“自分らしくはたらく”を考える1日」と銘打つイベントが開催された。
一見、就職説明会のようだが、履歴書を使わず、「生の声」によるキャッチボールに主眼を置いた。参加した企業スポンサーは資生堂、日本航空、NTT、NECなどそうそうたる顔ぶれ。
イベントは、LGBT当事者の全てを対象としていたが、参加者で最も割合が高かったのはTのトランスジェンダー。
ひとくちにJGBT と言われるが、就職活動で最も厳しい現実の直面するのがトランスジェンダーだ。レズビアンやゲイは外見で男女の判断がつく。しかし、トランスジェンダーは男性から女性、女性から男性に変わる過程で外見では男性なのか女性なのか判断しづらい。しかも、L、G、BはTほど就職で排除されない。
今回のイベントを主催したNPO法人ReBitの代表理事は女性から男性になった当事者。
「トランスジェンダーは就職で心無い発言に傷ついたり、働くことを諦めてしまうが、恐れずに前を向いてほしい」」
谷口は「多様性重視社会。社会的に役立っているかどうかが企業の人気に大きく関わってくるので、今後セクシャルマイノリティに対する門戸が開いていくのは当然の流れ」
とコメント。
セクシャルマイノリティを表わすLGBTという言葉はすっかり定着しましたが、LGBまでとTには大きな隔たりがあります。
それは、LGBは「自分が誰が好きか」という対象の問題ですが、Tは「自分は誰か」と自分自身が問題の中心となっているということです。
自分では、自分は女性だと思っているのに、体は男性。
特に思春期と第二次性徴を迎えてからのトランスジェンダーは地獄の苦しみを味わうといいます。
自らの理想像から、自分自身がどんどん遠ざかっていくし、それを誰にも相談できない。
また、外見的には一般的な男女と変わらないLGBと違い、トランスジェンダーは特に就労が難しく、風俗店などがその受け皿となっているのが現状です。
LGBは「性の多様性」という理解で救われるかもしれませんが、トランスジェンダーにとっては自分の性が多様性である必要などありません。「第三の性」などではなく、「女」として(あるいは男として)生きたいからです。
トランスジェンダーが完全に救われるとすれば、望みの性になって生殖行動ができること。社会の理解はもちろんのこと、医療の発展も待つ必要がありそうです。