次なる社会を構想する『IMAGINAS(イマジナス)』の潮流分析によって抽出されたコンセプトワード「自己投資の時代」が、9月25日に発刊した『ライフデザインジャーナルvol.11』の全体テーマとなった。その言葉の意味とは一体何か。イマジナスから浮かび上がってきた9つのキーワードから、このキーワードがなぜ、選ばれたのか感じてもらいたい。
自己投資の未来
自己投資とは、自分自身のために、お金や時間を使うことを意味している。それは、昨今の若年層が仕事に求めることとして「経験を通じた学び」を挙げていることからもわかるように、自身の価値を高める自分磨きの場を生活者は欲している。つまり、生活者が求める「学び」を内包した制度やサービスが、これからのビジネスの鍵となる。
自己解放の哲学
情報化社会は、知りたい情報をすぐに知ることができる一方で、自身の趣味や趣向に沿ったニュースや話題にばかり目が向いてしまい、他の話題には疎くなってしまう。すると、価値観までもが偏ってしまい、柔軟な発想が生まれにくくなってしまう。だから、あらゆる情報に触れ、様々な知識を取り入れていくことが大事。
クラブ・ランゲージ
クラブに集う仲間たちは、まるで女子高生たちが「卍」や「よき」など独自の共通言語を生み出し自由な表現を行うように、オリジナルの言語を生み出す。言葉は文化を育む。文化となった言語は境界を越え共感はさらに加速し、文化は継承されていく。コミュニティ内に独自の言語が芽生えた時、その価値観は社会へと広がり、新たなビジネスチャンスとなるだろう。
私、どんどん
「好き」じゃないと続かない。やりたくないことはやりたくない。でも、自分のやりたいことであれば挑戦する。2 0 1 6 年開校の「N高等学校」は集団生活の苦手な子だけではなく、プログラミングやデザイナーなどやりたいことが明確な生徒たちが集まり、今や生徒数4000人にも及ぶマンモス校に。「好き」に照準を合わせることが選ばれる理由の強化に。
長寿設計
人生100年時代の今、10年単位で人生設計を構築することが重要。10年で学んだ知識を、次の10年で役立たせる。それが40年続けば、他の誰も真似できないキャリアとなる。このオリジナリティあふれる個性は、生き方全体へとつながっていく。生活者一人ひとりが自らの個性を把握し、世界に一つだけのキャリアを創造していこう。
理想への前進
未来を起点に今を考えるバックキャスト思考が、社会を前へ進める原動力となっている。その基盤は理想の姿にある。すべての流れを俯瞰したグランドデザインを描き、我々の未来を構想することがビジネスに求められている。新規事業は、未来のイメージから紡ぎ出されるという着眼を忘れずにいよう。
森の学校
AIやVRなど最先端の科学技術が、私たちの暮らしをますます便利にしていく。しかし、無機質な機械に囲まれた暮らしは、四季や気候の変化に敏感だった人間的な感覚を薄れさせてしまう。そんな生活者は人間性を取り戻すため、有機的なつながりを渇望している。都市の中で緑を感じられる「学び舎」を意識していこう。
個人経済圏
単身世帯が急増し、地域社会との関係性が希薄になる中、生活者は他者に対する消費から自分自身に向けた消費行動へと移行しつつある。そのため、一人ひとりのライフスタイルに合わせた商品やサービスが不可欠。やがて同じ興味を持った人が出現し、個人マーケットは拡大を続けていく。この新しい経済連鎖を意識しておこう。
メディア・シチズン
生活者は気の向くままに世界を旅する。それは、自分の価値が最大限発揮される場所を求めて旅をしているのだ。価値観には国境などない。生活者はベストマッチした場所で生きる。メディアがあらゆる情報を配信し、話題とニュースを提供するように、個人の価値観も自在に世界をわたり歩く時代であることを確認したい。