研究会ブログ

2015年02月 2日 Mon. Feb. 02. 2015

文化経済2015.1月講演レポート②/渡辺三津子氏

第75回文化経済研究会第2部のレポートです。

講師は『VOGUE JAPAN』編集長 渡辺三津子氏。

 

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 VOGUEは1892年に社交界の雑誌としてアメリカで出版されて、1909年にコンデナスト社が継承、ファッション誌としてスタート。まもなくイギリス、フランスでも発刊され、今や世界20カ国のファッショニスタ達に愛読されるファッション界のバイブル的な雑誌です。

そんな世界のVOGUE編集長をの一角を担う渡辺三津子氏もVOGUEのプライドとブランド力を維持する為に尽力されています。


VOGUE JAPANが1999年に創刊して以来、オンリーワンかつナンバーワンであるために、他の雑誌と同じステージではない違うステージを求めたVOGUE。

 

渡辺三津子氏いわく、インターナショナルファッション誌としての質を決める要素は3つの段階があるといいます。

1つ目は「モデルが可愛い」「服が綺麗」など、ぱっと見て誰でも判断できること。ここまではほとんどの日本のファッション雑誌はトライしていますし、ファッションにさほど興味の無い人であっても分かることです。

 

2つ目は「モデルは誰か。どのブランドの服か」。一気にだいぶハードルが上がりましたが、特にVOGUEなどの表紙を飾るモデルは日本でも知名度がある有名な人が多いので、ちょっと好奇心を持って調べてみればまだ分かるレベルですね。

 

3つ目の段階は「写真家は誰か。服が日本での初露出か」これはもはや写真を見ただけでは分からないレベルです。ここまで分かる人は単なるファッション好き以上のファッション関係者、またはクリエイターですね。それもかなりファッション界に精通した知識を有していなければならないでしょう。

 

VOGUEでは3つ目の段階、つまり高水準の見識を持っている世界のファッション関係者から見ても格式の高い誌面作りを旨としています。

VOGUE JAPANの表紙の多くを撮り下ろしているパトリック・デマルシェリエはマリオ・テスティーノ、マート&マーカス、スティーブン・マイゼルらと並んで世界のファッションカメラマンのトップの座に君臨している才能の持ち主。

 

誰が見ても高水準であるものを作るためにはいかなるコストや手間も惜しまないという姿勢が必要になります。

そこまでやらないと世界の読者には認められず、ファッション界のトップメディアであり続けることも適わないんですね。

 

昨今、VOGUEはマルチプラットフォーム展開を掲げており、「読者」ではなく「オーディエンス」という意識を持って人々と接しています。

つまり、雑誌だけではなくネット、ショウ、イベントなどを通じて、月に1回ではなく365日いつでもVOGUEの世界観に触れ合える媒体です。


隅々にまで誇りと感性に満ち溢れたVOGUEが今後も展開していくマルチプラットフォームは、ますますセンスが重要視される市場におけるすべての生活者・事業者のお手本となることと思います。

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