研究会ブログ

2015年03月27日 Fri. Mar. 27. 2015

文化経済2015.3月講演レポート②/西浦 明子氏

第76回文化経済研究会セミナー(2015.3.19開催)第2部の様子をお届けします。

講師はスキマハンターこと、軒先株式会社代表取締役 西浦明子様。

 

IMG_7521.JPG

軒先株式会社は、その名の通り「軒先」から価値を生み出すビジネスを展開されています。

ガレージ付きの家を買ったものの、諸事情で車が無い、

所有物件の中の僅かなスペース、

遊ばせている物件。

 

不動産としては非常に中途半端なそれらのスペースを貸し借りしあうためのサイト、それが軒先株式会社の運営する「軒先ビジネス(旧軒先.com)」。

普通、不動産は一定のスペースを購入するか、借りるにしてもある程度長期間のレンタルを強いられます。

 

西浦様は軒先株式会社とは全く関係のないビジネスを構想されていた時期があり、

そのためのテストトライアルのためにごくテーブル2つ分ほどの小さなスペースを半月ほど借りられないかと考えてられていたそうです。

しかし、そんな短い期間だけ貸してくれるスペースなんてほとんどない。

最低賃料を払うとしたら非常に高価。

 

なんとか解決できないだろうか。

自分以外にもごく狭いスペースを、ごく短い期間で借りたいと思っている人は多いに違いない。

 

このような着想から、始まった軒先株式会社。

これが実は全くの未開拓市場。

不動産業界というのはいわば「重厚長大」ビジネスですが、軒先株式会社はいわば「軽薄短小」。大手不動産会社が手付かずだった領域のパイオニアとなることができたのでした。

 

まず貸し借りのためのサイトを立ち上げようにも、当時西浦様はIT系の知識はほぼゼロ。サイトの外注をしようにも相場すら分からない状態。

しかも、出産と育児という人生のビッグイベントまで重なってしまい、着手当時は旦那さんが走り回ってなんとか近隣商店街の空きスペースなどを貸してもらえるように事が運んだそうです。

 

サイト開始当初、レンタルスペースの登録件数はわずか8件。

しかし、やはり潜在的な需要が大きかったのが徐々に需要と供給が活性化していき、今や首都圏のみならず関西やその他の地方にまでサービスが波及しています。

 

開始当初は様々な苦難があったそうですが、「それでも楽しかったですね」と仰られていたのが印象的でした。

ビジネスモデルのご紹介もさることながら、ベンチャーという活動の面白さ・ワクワク感がよく伝わってきてまるで冒険家の体験談を聞いているような高揚がありました。

 

自分の着想や閃きをダイレクトに社会に問いかけ、試行錯誤しながらその反応を探っていけるのがベンチャーの醍醐味なのですね。

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