研究会ブログ

2014年07月29日 Tue. Jul. 29. 2014

文化経済2014.7月講演レポート②/セーラ・マリ・カミングス氏

前編はこちらです。


第二部はセーラ・マリ・カミングス氏。

 

IMG_1544.JPG 

 

氏はひょんな縁で移り住んだ小布施に魅せられ、地域振興に挑戦。人口1万2千人の小布施市をその100倍もの観光客が訪れる観光地として再生しました。2001年には「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2002」大賞を受賞されています。

 

「両親に日本へ行くというと、大反対されました。

『もっと普通の国へ行け』って(笑)

でも、それは私は励ましの言葉のように感じたんです。そんな面白い国だったらと、余計行きたくなりました」

「日本には残すべき文化や風土が沢山あって、でも限界集落という言葉があるようにそれらは消えようとしていますよね

『でもちょっと待って!』

って思ったんです。誰かがやらないと、って」

 

氏は様々な町おこしの企画を立ち上げます。

町を挙げた「小布施見にマラソン」では、23歳の時に富士山のマラソンで9合目まで登ったのにタイムオーバーになってしまった悔しい経験を元に、全員が完走できる時間設定にしてあります。

また、酒造を改造したレストラン「蔵部(くらぶ)」の設立など、パワフルにそれらの活動に取り組み、小布施は今や長野県有数の観光スポットに。

 

「イノベーションと今日のテーマにありますが、同じ人間が集まっているとイノベーションは起こりません。違う人間同士が交流しないと停滞していきます」

「だから私は『小布施ッション』を開いたんですね。沢山の人を町に招くことで、今までに無かった交流が生まれます。学生さんにも、ボランティアで働いてもらう代わりにただで参加できるようになってるんですよ。」

 

氏が始めた『小布施ッション』では、毎月の月の数字と日の数字がぞろ目になった日に開催され、各業界の先端で活躍している様々な著名人を招き、情報交換を行った後に地元の食事やお酒を楽しんで出会いの場とします。

 

自分の持っている素晴らしいものや、残すべきものは意外と本人は気づいていないというのはよくある話です。

アメリカから来られたセーラさんだからこそ、小布施にあった様々な風土に気づくことができ、かつ具体的な行動まで起こすことができたのだと思います。

 

「体力があれば大体なんでもできるんです。

限界集落って、それを超えちゃえば『無限界集落』になれるかもしれない。

良い目標を設定すれば、その非日常な目標が日常を引っ張っていってくれます」

 

「富士山を登ったころからもう2倍ぐらいの年齢になってしまいました」

 

と笑う氏でしたが、最近の活動などを見ると寧ろ余計パワフルになっているような感じすらありました。

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