研究会ブログ

2014年10月 9日 Thu. Oct. 09. 2014

「プロジェクトWEF」の第2回公開シンポジウム参加レポート

去る9月24日。ファッション産業で働く女性の活躍支援を目的とする「プロジェクトWEF」の第2回公開シンポジウムに参加しましたので、そのレポートをお届けします。

 

特別講演の講師は厚生労働省事務次官である村木厚子氏。

村木氏は強固な男性社会である官僚社会で、厚生労働省の幹部を務められ、更に娘さんも2人おられるキャリア女性の理想像的存在。

 

まず村木氏が話し始めた途端に、今まで持っていたイメージとの違いに驚きました。

 

「上り詰めた」や「たたき上げ」など、ゴリゴリの男性的な形容詞で形容されがちな村木氏。正直、その口調や立ち振る舞いもさぞかし男性的なのだろうと思っていましたが、

 

「こんばんは、村木厚子です」

と話し始めた村木氏の声のトーンは非常に柔らかなものでした。

 

講演の主題は、「女性のエンパワメント」です。

 

先進国中、日本においては女性の社会参加率と女性が役職についている率がのきなみ低いというデータが提示されます。

では女性の社会進出が進んでいる他の先進国は、日本以上に出生率が低いのだろうと思えば実際はその真逆で出生率においても日本は先進国最下位付近。

これらの数値が日本と同程度の国々はイタリア・ギリシア・スペインなど。

 

「(この国と並ぶのは)なんとなく嫌じゃありません?」

と呟いて場内に笑いを誘います。

 

キャリアか家庭、どちらかを選べばどちらかを捨てなければならない。

しかし、それは嘘だと言うことがこれらのデータで如実に表わされています。

二兎を追うものは一兎をも得ないというもっともらしい言い分で、日本社会は今まで子育て・女性の社会進出などの問題を無視してきたのだということがよく解ります。

 

データの用い方やそれに対する分析、お話の組み立て方や進め方などは、聞いていて早く先が聞きたくなるような巧みな構成でそこは流石厚生省事務次官といったところ。

 

「厚生省は非常に忙しい場所でしたし、子育ても楽ではありませんでした。

しかし、仕事をしていれば家庭の問題を忘れられて、家事に追われていれば仕事のことも忘れられました。

人間1点よりも2点のほうが安定するものです」

 

ニコリと笑ってそう話される村木氏。

会場は8割ほどが女性で占められていましたが、多くの女性がこれからのキャリアに対して勇気を貰ったことと思います。

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