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2007年11月29日 60歳からのアーティスト
私の武蔵野美術大学の同級生、緑川佳功君から 彼の制作した"切り版画"を送っていただいたので、 早速、オフィスのエントランスに飾らせていただいた。 "切り版画"とは多種多様な紙を切り抜き、それを何重にも重ね合わせることで、 さまざまな表現を行っていく、彼独特のアートである。
写真では分かりにくいだろうが、白い紙を切り抜いた"溝"の下には 赤や黄色などの紙が何重にも積み重ねられている。 緑川君に頂いた作品をエントランスに飾ったことを伝えたら 早速、わが社を訪れてくれて、久々に旧交を温めた。 彼は、J.W.トンプソン ジャパンのクリエイティブディレクターとして活躍し、 60歳のリタイア以降に、作家へと転進した。 彼の歩みは、私たち高度経済成長期にマーケティングや広告の第一線で 活躍したクリエイターたちの新しい生き方のモデルになると感じた。 先般、このブログでも紹介した"キーやん"こと、木村英輝氏もそうであるように 今後、こうした60歳からのアーティストはきっと増えていくだろう。 私も同世代として彼らの活躍に注目したいし、さまざまな形でエールを送りたい。 わが社へお越しの皆さん、ぜひ、エントランスの作品を注目してください。
2007年11月26日 京の姫好み
24日の土曜日は、京都で「京都ブランド委員会」に出席した。 この委員会は、京都の歴史の中で培われてきた匠の技を 時代やマーケットの視点から新たなブランドとして組み立て直し、 京都らしさを体験できるプログラムとして再発信しよう...という試みで 数年前から私が座長を務めさせていただいている。 今回は、"姫好み"というコンセプトで提案されたさまざまな伝統工芸品を、 現代女性の感性を代表する何人かのセレクターと一緒にセレクション。 華道の池坊家元の次女・池坊美佳さんにも セレクターの一人として協力いただいた。
そもそも平安時代に栄えた貴族文化に準えて、 現代のお姫様(女性)をもてなすために 匠の技の粋を集めよう・・・というのが 今回の"姫好み"というコンセプトの肝である。 池坊美佳さんへはじめとする、現代の姫たちは 一体どんなセレクションを行ったのか? ようやくプログラムとして発表できる段階が見え始めてきた。 発表については私にもアイデアがあるので 併せて今後の委員会の動向に注目して欲しい。
2007年11月23日 関係に価値あり昨日は、仕事の後、三宿「春秋」にて簡単な食事。 杉本貴志氏がプロデュースし、 和食系ダイニングの先駆け的なお店の1号店である。 以前は仕事やプライベートでよく利用したが その当時、懇意にしていた勝田店長が 再び店長として戻ったとの連絡をいただき、 応援も兼ねて久々にお邪魔した。
私たちの仕事は、さまざまな関係のうえに成り立っている。 関係にこそ価値があり、その関係の中から 次のヒントやアイデアが生まれることは少なくない。 仕事だから...、プライベートだから...という垣根を越えて 人との新しい出会いを、次なる関係として育てていくことの大切さを 勝田店長と再会し、美味しい料理を頂いて改めて思い出した。 今日は、これから大阪~京都へと向かう。 2007年11月20日 時間単位の市場戦略先週から今週にかけて 懐かしい方々から多数お電話やお手紙を頂戴した。 先週、私の新刊「時間単位の市場戦略」が発刊され、 ご挨拶を添えてお贈りした方々からのお礼を相次いだのだ。
この中では、今、「時間」こそ新しい価値を創造する突破口だと書いた。 ややもすると、私たちはビジネスにおいて、抽象的なターゲット論に陥りがちだ。 20~30代の都市型OL、団塊ジュニア世代の友達夫婦、新富裕層などなど。 しかし、より丁寧に生活者研究を続けていくと、 実は「時間」によって生活者心理が変化し、 消費動向が変化していることに気づくはずだ。 たとえば朝。始発電車でやってきた人が軽く朝ごはんを・・・と思っていても 駅の周りには一軒のお店も開いていない。 例えば夜。コンサートの帰りに、その余韻に浸りながらご飯でも。 ところがお店に入った途端に「ラストオーダーを...」と言われる。 「時間単位」とは、多様化して見えにくくなった顧客を 明確に浮かび上がらせてくれる戦略的なビジネス着眼なのである。 誰にとっても限られた24時間という大切な時間。 顧客の大切な時間をいかに生かすのか・・・が今後の我々の使命なのであ。
そんな中、今週の日経ビジネスが「狙え!時間賢者」という特集で 病院や百貨店など、さまざまな分野で 「時間単位戦略」が広がりつつあることが紹介されている。 本書と併せて読まれると、より参考になるはずだ。 それにしても、あまりにもタイミングが良すぎる。 これも「時間」が重なることによって生み出された価値だと考えたい。
2007年11月16日 今、生き様が問われている先日、一冊の本が届けられた。 「つっぱり野郎とアーティストたちのロックパラダイス MOJO」。
伝説のプロデューサーであり、今なお絵描きとして活躍する 木村英輝氏のプロデューサー時代を振り返る自叙伝的な一冊である。 先般行われた出版記念パーティにお誘いいただいたのだが あいにく所用で出席できなかった私のために、 後日、送っていただいた...という訳である。 彼とは私が座長を務める京都ブランド委員会を通して知り合った。 以後、いろいろなところでお話する機会があるのだが そのたびに彼の生き様には驚かされる。 彼は、京都市立美術大学を卒業後、美大講師の傍ら 日本で初めてのロックコンサート「TOO MUCH」や 京大西部講堂での伝説的ロックイベント「モジョ・ウェスト」など 数々のロックコンサートをプロデュース。 その後、クリエイティブを核にしたさまざまなイベントの仕掛け人を務め、 2001年、還暦を迎えたのを境に本格的に絵描きの道に進んでいく。 大胆な筆遣いによるふすま絵や壁画は まさに彼の生きてきた人生そのものを表現しているように感じる。 昨年は、図録集「生きる儘 自然の成りゆき」を出版された。
まさに人生とは自己表現そのものである。 彼の作品はもちろん、図録集や自叙伝には、 彼の残してきた功績だけでなく、生き様が描かれている。 だからこそ、見る人を感動させることができるのだ。 こころの豊かさを求められる今日は、生き様が大切なのだ。 今日一日が積み重なって、私たちの生き様になる。 目の前の事に真剣に立ち向かうからこそ、生き様は磨かれていく。 木村氏の作品には、そんな思いを掻き立ててくれる力がある。 ぜひ、機会があればご覧ください。
2007年11月14日 衆知を集めることの大切さ昨夜は我が社の社内勉強会である
今回は、先週の基本レクチャーに続き、
このプログラムのポイントは 2007年11月12日 乾杯も"気合だ"昨日、私の友人であり、スポーツジャーナリストでもある 宮崎俊哉君の結婚式に参列させていただいた。 主賓として参列した私の挨拶に続いて、 乾杯の発声を務めたのはレスリングのアニマル浜口氏。 彼のトレードマークでもある"気合だ"を 繰り返した乾杯に会場は大いに盛り上がった。 思えば宮崎君はスポーツジャーナリストとして 20年以上も前からレスリングの取材を地道に続けてきた。 どちらかといえば、私は編集プロダクションの社長としての宮崎君と 永くお付き合いしていたこともあり、彼のこれまでの人生の足跡を 改めて振り返ることができた素敵な結婚式だった。 改めて、宮崎君の、45歳からの新たな人生のスタートを応援したい。 結婚、おめでとう。 2007年11月 6日 "振り返る"ライフスタイル今年もテンポシステム協会主催の「TOKYO URBAN LIFE」が開催された。 私は5日、代官山・恵比寿・広尾エリアのパートで 生活者視点のライフスタイルマーケティングについてお話させていただいた。
キーワードは"振り返る"。 時代のパラダイムが大きく反転しようというときこそ、 これまでのライフスタイルを"振り返る"ことが大切だというお話である。 すでに我が国の個人金融資産は1555兆円を超えて、 これ以上稼いでどうするんだ...というところまで来てしまった。 問題は稼ぎ方、蓄え方よりも使い方、活かし方に移った。 私たち一人ひとりにおいても、これまで蓄えてきた知識や実績、 ネットワークや経験といった、いわゆる"個人内部留保"を 改めて振り返り、活かし直すときを迎えている。 エコロジーにしても江戸回帰にしても もともと私たちの中に蓄えられてきたものを 改めて活かし始めたものである。 さて、あなたの中にはどんなストックがあるのだろうか? ぜひ、改めて振り返ってみていただきたい。 2007年11月 4日 絵本の可能性11月3日は、京都・華頂短期大学の学園祭「華頂祭」が行われ、 その中のいちプログラムである「未来のこども絵本大賞」の 授賞式に審査員を務めた私も参加した。
第1回目にも関わらず全国から300点を超える応募があったことは 企画・プロデュースした立場として非常に嬉しく思う。 授賞式に続いて審査員の一人である中井貴恵さんによる読み聞かせがあり、 その後で審査員と受賞者との簡単な懇親会が開催された。 小一時間ほどみんなと歓談したが 受賞者たちの熱意と創作意欲の高さに関心されられた。
特に審査員賞を受賞した新潟の横山さんは今年60歳ながら 毎年1冊の絵本を書き続け、自ら製本まで行われていた。 今回、受賞作以外の作品も拝見したが、まさに人生をかけて 創作に取り組んでいる様子がひしひしと伝わってきて、気持ちよかった。 絵本はたった1枚の絵からイマジネーションを広げ、 年齢や言葉の壁を越えたコミュニケーションが可能なメディアである。 ますます「絵本」の可能性を強く実感した一日だった。
2007年11月 1日 クリエイターよ、構想力を磨け本日、ICSカレッジオブアーツで専門課程における特別講義で 200名のクリエイターの卵たちに クリエイティブにおける構想力の重要性についてお話させていただいた。 今日のクリエイティブ系のスクールでは、 ややもすると「どう表現するのか?」といった技術学習が中心となる傾向がある。 しかし、「何のために、何をめざし、何をつたえるのか?」こそが重要なのだ。 いわゆるクリエイティブにおける構想力である。 今、優れたクリエイターと言われる人たちはすべて この構想力に長けている人たちである。 志の低い人に優れたクリエイションはできない。 ただ表現するのでなく、表現の中に未来の芽を埋め込んでいく。 それが、これからのすべてのクリエイターに求められる役割である。 では、どうすれば自らの構想力を高めることができるのか? それは、このプログの中で追々お話していこうと思う。 |