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谷口正和 プロフィール

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2007年12月26日

日本へ回帰する時代

ここ数年、温めていたテーマをようやく書籍にすることができた。

繊研新聞社から発行となった「日本へ回帰する時代」である。

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21世紀になり、それまでの文明重視型の価値観から

文化重視型の価値観へ転換していくだろう・・・と、

これまでも指摘してきた。

工業型の量的拡大、経済的な効率性を追い続けた結果、

私たちが手に入れたものは何だったのか?

そうした問い直しが、

ここ数年、あらゆるところで進んでいると感じていた。

そして、本質を問い直せば、必ず行き着くのが、

私たちの原点であり、アイデンティティである、

日本の歴史や文化である。

我が国で昔から育まれてきた文化や行動様式、

それらを育てた風土、環境、

さらには私たちの中に脈々と受け継がれてきたDNAの中に

次の時代を作り出していくためのヒントが紡ぎ込まれているのである。

そうした指摘をできるだけ早くまとめて紹介したいと考えていたが、

納得いく形で書籍にまとめるのに時間がかかってしまった。

その分、じっくりと内容を吟味しながらまとめたので

ぜひ、興味のある方はお読みいただければと思う。

2008年、ますます文化経済型の社会現象が顕在化していくだろう。

その新年にあたって、次なる構想を練るうえでのヒントになれば幸いである。

 

 

2007年12月19日

住まいは文明半分、文化半分

今朝の日経新聞にミサワインターナショナル

全30段広告が掲載された。

日本の古民家に学んだ200年住宅の新ブランド「HABITA」の広告である。

このミサワインターナショナルという会社は

ミサワホームの創業者である三澤千代治社長が

3年前に立ち上げた新しい住宅メーカーである。

私は三澤氏がミサワワームの社長時代から

コンサルタントとして長年お付き合いさせていただいた。

当時から「住まいは文明半分、文化半分」という理念を持たれていた三澤社長が

その思いを本当に実現するために立ち上げられたのが

このミサワインターナショナルである。

もともと日本では古くから優れた建築技術や住まいの文化が育まれてきた。

しかし、あまりにも効率性が重視されすぎたため

住まいの文化的側面を見失っただけでなく、

環境や人への配慮を失った住みにくい住宅ばかりが増えてきた。

そんな業界のアンチテーゼとして誕生した会社といっても良いだろう。

新春1月22日の弊社主催の「文化経済研究会」では

その三澤千代治社長をお招きして、文化リード型の企業経営について

大いに語っていただこうと考えている。

興味のある方は、ぜひ、参加していただきたい。

三澤社長の大いなる構想と、大胆なチャレンジ&トライを

新年スタートの元気の源として、皆さんと共有できればと思います。

2007年12月13日

毎週木曜日の知的バトル

この仕事をしていて、よく尋ねられる質問がある。

「そんなに色々な情報をどうやって集めているんですか?」

私自身、できる限りいろいろなメディアに目を通し、

話題のスポットに足を運ぶようにしている。

しかし、限られた時間の中では限界がある。

 

では、どうしているのか・・・?

 

実は、私は常に最新の情報を収集し、

そこから次のトレンドを読み解く仕組みを持っている。

それが弊社が発行する週刊マーケティング情報誌「NEXTHINK」である。

毎週100を超えるメディアから新しい変化や動向を拾い上げ、

全体俯瞰しながら3つのコンセプトワードにまとめて配信している。

私は、その「NEXTHINK」の分析・発行を21年間、ほぼ毎週続けているのだ。

 

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毎週木曜日の午前中、その分析会議が行われる。

メディアから新しい変化を抽出し、その変化を1行のキーワードに圧縮する。

そのキーワード群を全体分析することで"今"を読み解き、

そこから"次"の流れを予測していく知的バトルともいうべき3時間。

もともとはごく親しい取引先のための情報の"お土産"として始めたが、

今では多くの方々に配信する情報サービスとしてだけでなく

我が社のスタッフの学習の場、ビジネスのアイデアソースとしても機能している。

ぜひ、興味がある方は、1度サンプル版を見ていただきたい。

情報は知っているだけではなく、使ってこそ価値がある。

そのことを実感していただけるに違いない。

 

2007年12月10日

デザインをサービスする

今年も1ヶ月を残すばかりとなった。

慌しい日々が続いている中、

この週末は近くのヘアサロンに髪を切りに出かけた。

自由が丘にあるエルロード。担当は田村さん。

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私は、日頃、美容用品の製造・販売の㈱アリミノをはじめ

美容関係の企業や経営者の方々と懇意にしていただいている。

私自身、ヘアスタイルに強いこだわりがあるわけではないが、

そうした関係もあって、髪をカットするのは理髪店ではなく

ヘアサロンを選ぶようにしている。

顧客の目線で見た時、どうしても理髪店は「技術サービス」の比重が高い。

それに比較してヘアサロンには「デザインサービス」の意識が高いように感じる。

事実、つねに流行を意識し、新しいサービスを提供しようという動きは

理髪店よりもヘアサロンから発信されることが多い。

顧客の目線から何が求められているのか・・・を考えたとき、

私たちは常に変化していくことができるのである。

そんなことを思いつつ、気持ちよく髪をカットしてもらった日曜日の午後であった。

 

 

2007年12月 4日

所有の限界

現在、私はマーケティングプロデューサーとして

さまざまなプロジェクトに関わる他に

毎週末、立命館大学の経営大学院で社会人を対象に

マーケティングおよび経営の講義を受け持っている。

1年間を4クールに分けて講義を行うのだが、

今年もすでに第4クール目の「顧客創造」に入っている。

受講生は22名で実に多彩なメンバーだ。

幼稚園や保育園を経営している人、

50代でネクストベンチャーをめざし、銀行を退職した人、

企業から参加している人たちもいずれも次世代の経営者をめざす、

起業家精神に溢れる人たちの集まりである。

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先週の講義のテーマは「所有の限界」。

すべてのものは「使用」してこそ価値があるのだ。

「所有」するだけでは価値は生まれない。

逆に「所有」することでさまざまな負担や弊害が生まれつつある。

そうした視点を、蛍光管を売らずに「灯りのサービス」を提供した

松下電工の「あかり安心サービス」を事例にしながら解説した。

大切なのは、何を売るのか・・・ではなく、

何の問題を解決するのか・・・ということである。

その視点に立てば「所有」に大きな意味がないことが分かる。

果たして私たちは、いろいろなものを持ち過ぎてはいないだろうか?

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